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Lima Marrakech Granada

2011年5月の旅 その1


alhambra.png 2011年5月25日(水) チェビ砂海→アトラス→マラケシュ <だれもいないチェビ砂海>

alhambra.png 2011年5月26日(木) 日帰りアトラス <雨のSidi Faress村訪問>

alhambra.png 2011年5月27日(金) マラケシュ→マドリード→グラナダ <にゃんとも素晴らしき47回目の誕生日……>


alhambra.png 2011年5月25日(水) チェビ砂海→アトラス→マラケシュ (2012年5月8日更新)
<だれもいないチェビ砂海>


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 ……深夜、ハタっと部屋の冷房が止まりました。
 蒸し暑さで一睡もできないまま、モハ氏との約束の時刻となってしまいました。
 (もちろん宿六は熟睡してました)


 5時半、外に出ると、ひんやりした砂丘の上に月がかかっています。
 なんと幸運にも、けさラクダにのる観光客は、私たちだけだそうです。
 あたりは風もなく、静まり返っています。


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 徐々に明るくなってきました。

 途中でラクダをおりて、見晴らしのきく砂丘の上まで登らされます。
 寝てないのでこれはきつい!

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 もうすぐ日の出。
 青く見える山なみは、もうアルジェリアだそうです。
 地中海沿いの国々、ぜんぶ行ってみたいなあ。


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 「ツカレタ!」(レにアクセント)と言いながらバッタリ倒れて、日本人のまねをするモハ氏。
 あのね〜……


 だれもいない砂丘の上で、少しお話をしたのですが、モハさんはいま37歳だそうです。
 で、すぐに私の年の詮索を始めます。
 …思うに、そうそうものすごいトシではないと考えたからこそ、失礼にも女性の私に年齢をきいてくるのでしょうから、さいきんは詮索されるのがあまりいやではなくなりました。どっちにせよほんとのことは言いませんが。


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 六時二十分ごろ、日が昇ると、山並みの青がすーっと薄くなります。
 ものすごくすばらしい、というほどではないですが、誰もいない静けさがえもいわれません。
 ふうっとため息をつくと、すかさずモハ氏、日本語で、「サハラ ハ スバラシイ?」


 今日はだれもいないだけでなく、風がまったくないのも運がいいそうです。

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 砂丘の風下側は、砂が崩れやすくて歩くのがたいへんです。
 そこを苦労しながらおりると、モハ氏が毛布を広げて待ちかまえています。
 そして、「モハ ノ アルバイト ミテクダサイ」と、いくつかの化石や水晶を並べ、「モハ ト カゾク ヲ タスケテ クダサイ」ときました。参った参った。
 この臨機応変の片言日本語、大したものです。


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 モハさんのかわいさに座布団一枚、アンモナイトと昌洞石(ジオード)を買うことにします。
 上の昌洞石は明らかに染めてありますが、染めたにしては染めかたがきれいで、これから行くグラナダのイメージ(ざくろ)にぴったりなので。


 (そのへんのお土産品店では、焼きもの製の昌洞石、なんてすさまじいにせものも売っているようでした。
お話のタネに買っておけばよかったなあ〜)


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 そうそう、忘れないうちにサハラの砂も少し。
 モハ氏がターバンのはじに包んでくれます。ほんのちょっとで良かったんですが、た〜っぷりと。


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 一歩ごとに足がうずまる砂の重さを実感したあと、ラクダの上でほっとしていると、すかさずモハ氏がいいます。
 「ラクダ ハ ラクダ?」 ははははは…負けたよ、もう。


 この写真はモハ氏の撮影。構図いいわねえ、さすが撮り慣れてます。宿六は影だけですが。

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なんとなく三賢王。

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 ラクダの足の下で、細かな砂がきしる音だけが聞こえます。

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 砂丘の起伏と朝日のかねあいで、ときどきびっくりするほど遠くに自分の影がおちることがあります。
 ゆるりゆるりと進む遠い影を見ていると、沙漠をしばらく旅したような気分になってきます。
 ほんとにわずかな距離、ラクダに乗っただけなのですが。


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チェビ砂海ひとりじめ。
人気の観光地で、たまたまだれもいないのって、最高のぜいたくかも。


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 宿の近くまで戻ると、黒い小石がたくさん落ちています。
 きれいだから拾って帰ろうかな、と思い、モハさんにたずねると、「ラクダキャンディ!」と言ってカラカラと笑います。あ、なるほど、ラクダのフンね……


 ひとつ割って説明してくれましたが、このへんのフンコロガシ(昨晩うじゃうじゃ歩いてました)は賢くて、中に含まれる未消化の麦粒だけを上手に食べるのだそうです。ほんとかな〜

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 アンモナイト代が足りないので、部屋から取ってくると、モハさんがペットボトルに詰めた大量の砂をさっと渡してくれます。
 ちょっと多いけど、がんばってリマまで持って帰ります(持って帰って良かったです)。


 モハさんのこれからの人生に、幸多からんことを!

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 「沙漠のプールサイド」(これはやっぱり無駄な贅沢と思う)にて朝食。

 近くに座っていたイタリア人の家族連れ、こちらと目があってもニコリともしないので(旅先にわざわざ不機嫌になるため来ているような人たちって、欧州人にけっこう多いですよね)、「どこの国の人が苦手か?」という話で盛り上がってしまいました、朝っぱらから。

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パン屑とプールの水があるので、雀がたくさん暮らしています。

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サハラ在住猫ちゃん、さようなら。

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 チェビ砂海の見おさめ。日射しが強くなってきました。
 ここにはもう来ないと思うけど、いつか別のところでサハラ沙漠と再会したいです。


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 車が走り出すとただちに、ブラックベリーをチェックする仕事中毒の人々。
 二人とも、いーかげんにしなさい………
 窓の外は礫沙漠。


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 あまりの眠さに意識がなくなり、気づいたときはアンティーク店内。
 少し銀細工を見たいので、あぶないなーと思いつつ寄ってみます。


 (メキシコでもモロッコでも、私愛用のペルーの銀製品を見ると、みな嬉しそうに「それメキシコ/モロッコのでしょ?」と言うのが、なんだかおかしくて…
 私が見た限りでは、ペルーの上質な銀製品…もちろんペルーにも粗悪なものはありますが…に匹敵するような品物は、メキシコにもモロッコにもぜんぜんなかったのですが)


 ここの店主は、ものすごくスペイン語が堪能です。
 文法的にどうこう、ではなく、「話すべきものをちゃんと持っている人」。


 商品の大半は今出来の安ピカものですが、奥のガラス棚に危険な品々が並んでいます。
 ベルベルの既婚女性のしるしだという銀のペンダントと、古いインク壺を選び、それからうっかりトンボ玉のことを聞いたら、たくさん出てきてしまってさあ大変。


 値段を聞いても、例によって「だいじょうぶだいじょうぶ、あとでゆっくり話し合いましょう」なので、不安に思いつつひかえめに選び出します。

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 そして例の甘いミント茶を飲みながらの、よくわからない値引きが始まり、こちらはすぐ煙に巻かれてしまいましたが、アディルさんが最後までねばってくれます。
 「ええい、これでどうだ!」と計算機に数字を打ち込み、「もうこれ以上おまえは口を出すな!」とアディルさんを制する店主。


 このへんでは、トゥアレグ族風の青いチュニックを着ている人をよく見かけます。
 でもそれは、アンデスのお土産品店で、先住民の血など一滴も持ってない人がポンチョかぶって商売するのと同じで、ほとんどは「観光トゥアレグ族」だそうです。


 しかしこの店主さんは、お父さんが正真正銘のトゥアレグゆえ、トゥアレグ・ハーフなのだとか。
 たしかに堂々たる身の丈の、立派なおじさんでした。
 語学力に長けているのも、交易をなりわいとした先祖伝来の能力なのかもしれません。


 (語学力勝負では、ペルー人はモロッコ人に完敗です〜)

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 ほんとはいちばん欲しかったのは、これ。象嵌細工をほどこした木の扉。板のうねりぐあいもいいなあ。
 もしヨーロッパに住んでたら、迷わず持ち帰ったですね。


 リマでなら、これに似せて扉に彫刻してもらうのは、ありです。

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カスバらしき模様の、この扉もいいなあ。

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 レジ台になっていたこの家具も好き。
 いつかリマの家具職人さんに、コピーを作ってもらいましょう。


 モロッコ風の装飾は、そのくどさがすっかり鼻につきましたが、こういう無彩色のはいいですね。

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 この旅では絨毯屋にだけは、ぜったい寄らないつもりでしたが、その決意も空しく、アンティーク店主がとつぜん絨毯屋に変身!
 いらんというに、次から次へときれいな絨毯が床にころがって、呉服屋さんで反物を見させられているような気分です。


 中にはちょっとぐらっとくるのもありましたが、リマの気候に絨毯は合わないし、またもしもっと軽い織り布を買うならComprale al Peruですからねえ。

 店主氏は写真のような大奮闘でしたが、なんとか逃げ切りました。
 トンボ玉がじゅうぶん高価で、すでに宿六は所持金をはたいてしまいましたから、別にいいのです。


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学校帰りの学生たち。

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白い上っぱりが制服なのかな?

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みなさんすらりとしていてうらやましい。

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こういう木を、テーブルツリーというのかな?

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 きのうも通った市場では、風情のあるほっかむり姿のおじさんたちが商談中。

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その傍らでは、やはり今日も男性だけが、のんびりお茶しています。

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 ナツメヤシのオアシスを眺めながらの昼食。
 名高い「マラケシュ雑貨」には、ぜんぜん心を動かされませんでしたが、このタジン鍋型の薬味入れだけは、少し買ってくればよかったなあと、今になって後悔。


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 なんかくれくれ猫、登場。
 しつこいしつこい、エンドレスくれくれ猫でした。


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 ペルーのアンティクーチョ(牛ハツの串焼き)は、アジア系移民の影響と誤解されがちですが、香料の使い方などからして、明らかにこのへんの料理ですね。

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 ケバブを少々差し上げたら、やっと満足して下さったくれくれ猫。

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 道中ずっと寝たきりだったので、どこにいるのか皆目わかりませんが、しましまの美しい岩山が見えてきました。

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巨大な横顔が並んでいるようにも見えます。
あしもとには、ナツメヤシの広大なオアシスが広がっています。


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アラビアンナイトの挿し絵みたい。
つまるところ、こういう風景が見たくて、モロッコまで来たのですよね。


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 上り坂にさしかかったところで、驚いたことに、時ならぬ大雨に遭遇。
 皮膚が水分を吸って、きのう一晩で出来た縮緬じわがのびていくのが、鏡を見なくてもわかります…


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オアシスの上の雨雲。

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このしましま地形も名所らしいです。

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 あちこちにDESERT DONKEYという落書きがあります。気になる…

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 ワルザザートのいかにもそれっぽいホテルで、オレンジジュース・ストップ。
 宿六は今朝、私のトンボ玉で破産したため、アディルさんにおごってもらいました…


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 夕方5時ごろ、アトラスを下り始めます。

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 しっとりした緑が美しく、雨季の中央道をリマに向かって走り下っているみたいだなあ、と思いながら写したこの写真をさいごに、車酔いでダウン。
 寝てないんですから、ここまでもっただけ大したものでした。


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 夕方7時すぎ、やっとマラケシュ到着。
 駐車場での別れぎわ、「気配りの人」アディルさんは、ホテルのポーターに渡すチップを、所持金ゼロの宿六に貸してくれました。


 前と同じ広い部屋に通され、やれやれと横になったのは8時すぎ。
 壁を這うやもり?の写真だけ撮って、私はふたたびダウン。
 ぜんぜん元気な宿六は、階下でおいしく食事してきたようです。




alhambra.png 2011年5月26日(木) 日帰りアトラス (2012年5月8日更新)
<雨のSidi Faress村訪問>



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 小雨の中を、今日はふたたびアトラス山中へ向かいます。
 (アディルさんはまたブラックベリーにぶらさがってます)


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 リマ郊外パチャカマック風の、植木屋さんがたくさんある別荘地を抜け、あっというまに緑の谷間へ。
 アンデスもリマからこれくらい近いといいんだけどなあ。

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 あまり興味はなかったのですが、まあ一応、ということでアルガンオイルの協同組合へ。
 写真の女性は、食用にする油をとるため、香ばしく炒ったアルガンの実を、丁寧に石うすでひいています。


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 組合を仕切るMalikaさんは、完璧なスペイン語をしゃべります。

 離婚や死別でひとりになった女性たちに仕事を提供し、援助するのがこの組合の目的だそうですが、Malikaさんじしんは独身主義で、さいしょから結婚しようとはまったく思わなかった由。
 「結婚すると一生家の雑用に縛られるだけで、時間の無駄ですから」とのお言葉に、深く深く頷くわたくし。


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 さて次は、山の上の子供たちを訪問するので、近くの店でおもちゃを調達します。
 小さな息子さんがいるアディル氏は、おもちゃというとボールしか思いつかないようでしたが、私はだんぜん女の子びいきなので人形を購入。


 で、アディルさんと、ちょっとフレディ・マーキュリーな店のお兄さんの会話を聞いていると、人形のことは「ムニーカ」というらしく、びっくりです。スペイン語のmun~ecaみたいですよね。

 手持ちのスペイン語辞書には、mun~ecaは「プレロマーノ起源」とあり、ということはスペインからモロッコに入った言葉なのでしょうか??

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 マラケシュ市内とは笑顔がぜんぜんちがいます。
 先にこのへんを見に来ていたら、モロッコの印象もまるっきりちがったことでしょう。


 いろいろしくじったモロッコ旅行ですが、それもまた旅の味のうち。

 となりの肉屋さんでは、豚…のはずはないので、これは羊でしょうか?
 むざんな半身がディスプレイされていますが、これくらいでは今さら動じません。でもやっぱりかわいそう。


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 細い山道をぐるぐる登って、Sidi Faress村へ。いいところですね。
 冬にはたくさん雪が降るそうで、五月の今もけっこうさむざむとしています。


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 左の風景を見て思いだしたのが、ペルーのアンダワイラスのこの眺め。
 もし私がペルーではなくモロッコに移住していたら、まちがいなくアトラスに夢中になったことでしょう。


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 車が着くと、子供たちが三々五々やってきます。
 みんないたって礼儀正しく、静かに順番を待ちます。


 アディルさんがこの村に通い始めたころは、文房具などをひったくる子もいたそうですが、辛抱強く話しかけて教えるうちに、すっかりお行儀よくなったのだとか。
 ただものを配る、というのは抵抗がありますが、こういうおつきあいはいいですね。


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子供たちの顔立ちがとても繊細なのが、目を引きます。

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大満足!

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 音の出るこのおもちゃが大好評で、私たちが村にいる間中、どこからかブーブーと鳴る音が聞こえていました。
 親御さんたちには、えらいご迷惑だったかも……


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小さな弟に、吹いてごらん、とおもちゃを差しだす優しいお兄さん。

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 先日、薔薇のお店で会った青年の、ご両親が住む家を表敬訪問。
 あら〜、お母さんもきれいな薔薇色!


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 お母さんと次女は、写真はかまわないというので、撮らせてもらいました。
 みなさんきれいですが、ひとりだけ写真を断った長女がまた、色白なたいへんな美人でした。
 目にやきついているので、いつか絵に描いてみようと思います。


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娘さんは私たちのために、昼食のクスクスを準備中。

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土間のすみのモロッコ版七輪?の上では、タジン鍋が湯気をあげています。

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 ふたをあけるとこんな感じ。
 上に載っているのは塩漬けのレモン。


 モロッコ料理は私はだめでしたが、この塩漬けレモンだけはすごく好き。
 リマでワックスのかかっていないレモン(ライムじゃなくてふつうのレモン、つまりlimon dulceのほう)が手に入ったら、作ってみたいです。


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心細いほど小さな、まだ目の青い仔猫登場。
あ〜寒そうだなあ、毛布かけてやりたいなあ。


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三毛のお母さんが、器用にいろんな色の仔猫を産みわけたようですね。


 (後日trip advisorで、アディルさんに関する最近の投稿記事を見ていたら、おんなじお母さん猫が、まるまると妊娠した姿で写っていました。
 その後も健在で、五色の仔猫をせっせと生み続けているようで、なによりです)


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いいところでポーズをとってくれます。
うちのハスミン猫も、来たときはこれくらいだったなあ。


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 客間に通され、南瓜のスープと、野菜のクスクス、鶏のタジンが出てきました。
 三角フードのお父さんといっしょに頂きます。


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 今まで食べた中で、いちばんおいしいクスクスでしたが、きのうの疲れが残っている上に、しんしんと冷え込んで元気消耗…
 あまりのどを通らなかったのが残念。


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例の甘いミントティーをいれてくださるお父さん。
うしろで寒さのあまり縮こまっているのはアディルさん。


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食後は、おみやげのボールで、さっそくお孫さんとひと遊び。

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次女ちゃんと甥っ子君が見送ってくれました。

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 アマポーラが咲き乱れる麦畑で、しばらく車を停めてもらいます。
 曇り空のおかげで、かえって赤が冴えて見えます。


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 ふたたびペルーはアンダワイラスの風景を思い出しました!
 こちらはタルウィと菜の花です。
 斜面にひろがる花畑というのが、私とても好きみたい。


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 前にもお話ししましたが、ひなげしが咲く季節にスペイン方面を旅行したい、というのが長年の夢でした。
 こういう景色を見ると、ふだん低めの血圧が、急にぐーっとあがるのを感じます!


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ところどころに、小さな紫色の芥子の花?なのかな?も咲いています。

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立ち去りがたいなあ……
たしかゴッホにこんな絵がありましたね。


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行きがけとは別の谷(名前忘れた)を通って、マラケシュへ帰ります。

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途中、土砂崩れで、しばらく立ち往生。
ますますもって、アンデスを旅しているみたい。

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 気になっていた道端の花も、土砂崩れのおかげで、車を降りてじっくり眺めることができました。

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マラケシュ郊外でも、わがペルー出身のモージェの木を、たくさん見かけました。
どこにでも順応できる木なんだなあ。

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 雨のマラケシュに帰着。
 あの暑熱はどこへいってしまったのか、涼しくてほっとします。


 今日はまたお買い物で破産したので(Malikaさんのところで象嵌細工の木箱を購入)、市内の銀行でお金を引き出してから、アディルさんにお支払い。
 お客さんにいつも情が移ってしまうというアディルさん、「キョウコはexpensive tasteの持ち主で、旦那さんたいへんだし……(わるかったわね)、今日の日帰りツアーのぶんは、もういらないです」などと言いだしたのを、なんとか説得。


 人情味のある良いガイドさんと知り合えて、ほんと良かったです。
 アディルさん(4X4 Camel)の連絡先はこちらです。trip advisorでもたいへん評判がいいようです。
 マラケシュへおいでの際は、ぜひご検討ください。


e-mail: adil.camel@gmail.com
tel: +212 661226663 Marrakech, Marruecos


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 ずいぶん味の濃かったモロッコ小旅行も、これでおしまい。
 宿に帰って、またまたオレンジジュースで一息。


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……それでも君は仕事するか!

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宿六がいつまでもWIFIの使える中庭で仕事しているので、私ひとりで二人分の荷作りです。
ま、いつものことではありますが、異国の空の下では、格別にハラが立ちます。


…なんで結婚すると、ふつう女性側の「雑用」だけが増えるんでしょうねえ?
(生き甲斐を感じられる「仕事」が増えるのならいいけど、雑用はどこまでいっても雑用で、未来がありません)


Malikaさん、あなたの人生の選択は、実に正しいです。
ほんとに一生やりたい仕事があったら、結婚なんかするもんじゃないです。



alhambra.png 2011年5月27日(金) マラケシュ→マドリード→グラナダ (2012年5月8日更新)
<にゃんとも素晴らしき47回目の誕生日……>



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 モロッコ最終日。
 さよなら、マラケシュの開店前から行列する猫ちゃん。


 きょうのマドリード行き便が何時に出るのか、どうもはっきりしないので、早めに空港へ向かいます。
 出発時刻の表記が、programada とestimadaと二つあり、後者のほうが一時間早くなっているんですが…
 ネイティブの宿六も意味わからんと頭を抱えています。


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 しかし実際に飛び立ったのは、programadaよりもestimadaよりもず〜っと遅い時刻でした…
 でもそんな末梢事はいいのです、あ〜これからなじみ深いスペイン!よくわかるスペイン語の世界!スペインにさえ行けばこっちのもん!食事だってだんぜんおいしいし!


 …と、安堵感と嬉しさと期待でいっぱいだったのですが、まさかスペインからも、あのような手荒い歓迎を受けることになろうとは〜〜〜!(委細後述)

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 機内では、マラケシュでもらってきた不動産広告を興味深く眺めておりました。

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 アランブラ宮殿の親戚みたいな家が、やはり人気のようですね。
 (建築様式としては、モロッコのほうこそ本家ですが)


 こういう広告文を見ていると、出発前にちょっとフランス語をやらなかったことが、改めて悔やまれます。
 正確な発音はぜったい無理にしても、これだけスペイン語に似ているのですから、かんたんな会話くらいはすぐわかるようになったはず。
 そしたらモロッコの印象も、三割増し良くなっていたと思います。無念。


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誕生日の、彩りのわるい晩餐。


 さて、嬉しくマドリード到着。

 夜9時半発のグラナダ行きを待ちつつ、空港のカフェテリアで、なにやら火の通りすぎたまずいものを食べて乾杯。
 宿六と私の合同誕生会にしてはさびしいですが、夜中前には宿につくでしょうから、そしたらアランブラ宮殿の夜景を見ながら乾杯だけやりなおせば、とか言っていたのですが……


 カフェテリアのすぐ横に、発着予定の掲示板があります。
 「当空港では、発着時刻等の変更があっても、一切アナウンスはいたしません」とほうぼうに大書してあるので(なんたるご親切)、しかたなく何度も立っては見に行っていたのですが(宿六が)、不吉なことにグラナダ便は、見るたびにずるずると予定時刻が遅れていきます。


 そして夜10時。
 な、な、な、なんということでしょう、無情な「キャンセル」の表示が!(ここは昔のペルーですか〜っ?)
 すわっということで、やたらに大きな空港を端から端まで(という感じがしました)ひた走り、苦情カウンターにかけつけます。
 まもなく、怖い顔をした人々の長い行列が、私たちの後ろにできます。


 カウンターの説明では、「グラナダ空港は深夜零時で閉るので、どうしようもないです。あとは夜行バスに乗ってもらうしかないです」と、取りつく島もなし。
 丸一日、空港と機内で過ごした疲れが、一気に噴き出してきました。
 なによりも係員がお詫び一言いわないのが、いかにもヨーロッパでたいへん不愉快で、ひとしきりスペイン語でわめいてウサ晴らし。こういうときだけすごくスペイン語が上手になる私。


 しかしいくらわめいたところで、バスしか選択肢はないのです。
 そこでふたたび待合室で長々と待ってから、荷物を受け出し、サハラの砂で重くなったスーツケースを転がしバス停まで走り、長距離バス(ALSA社)になんとか乗り込みました。


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誕生日の晩に、異国の空港で難民化。
最終的に送り込まれたのは、夜行バス。とほほほほほほ。



 なんとか二つ並んだ席に座れて良かったです。
 スペイン人の隣では賑やかすぎて、眠れそうにないもの。
 乗客はみなハイになっていて、記念写真とか撮っちゃったりして、先が思いやられます。


 でもいちばん困るのは、「グラナダまで何時間かかり、またグラナダのどこに着くのか」という基本情報を、係員がだーれも把握していないこと。
 運転手に聞いても、「今のところわかりません、到着前になったらたぶんわかります」というすごいお返事。
 スペインに再上陸したことを全身で実感。


 さらに長々と待たされたのち、深夜零時前、やっとバスは出発。
 まずいものとはいえ一応夕食をすませ、空港で歯を磨き、ミネラルウォーターも買っておいたのは正解でした。
 スペイン人のみなさんは多くがグラナダっ子らしく、自宅で夕食をとるつもりだったのでしょう、「腹減った〜」と大騒ぎ。
 モロッコとはちがい、ここでは無駄話でもなんでもすべて聞き取れて、安心は安心ですが、うるさくてたまりません。眠れるのかなあ…


 バスはじきに市内を走り抜け、あとは真っ暗な道をひた走ります。
 窓から星がたくさん見えます。
 旅らしい風情が、あるといえないこともないですが、ずいぶんな誕生日となってしまいました。


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 明け方2時。どっかのドライブインに到着。
 バルの店員さんに、「ここどこですか?」とまぬけな質問。
 Ciudad Realでした、ああもうすぐアンダルシア。


 空腹と眠気でおとなしくなっていたスペイン人のみなさんは、サンドイッチその他を補給すると、たちまち元気回復。
 ふだんから徹夜慣れしてるからねー、寝てなくても、食べれば元気になるのよね。


 ここでマンサニージャ(やはりこれぞスペインのバルの香り)を飲んだのが良かったのか、そのあとはぐっすり眠って、朝5時前にグラナダ着。
 しかしグラナダのどこにいるのか、わからんのです〜
 運転手はたちまち消えてしまったし、同乗者たちも、「じゃまた明日…っていうか数時間あとに!(笑)」と言いあって足早に立ち去り、私たちは大荷物とともに暗い停留所に取り残され……


 でも、やれやれ、じきにタクシーが通りかかりました。
 運転手さんは、若いころのパコ・デ・ラ・ルシアそっくりの長髪青年でした。


 狭い道をぐるぐる走って、サクロモンテの宿に到着。外はまだ真っ暗。
 ホテルじゃなくてアパルタメントなので、急坂を自分で荷物を担ぎあげないとなりません。もう気絶寸前です。
 もちろん朝食サービスもないので、門を開けてくれた当番のアナさんが気の毒がって、BIMBOのパンをちょっと包んでくれます。


 こんなところでBIMBOパンに再会するとは…
 (結局食べずに小鳥のえさになりましたが、お気持本当にありがたく)
 ペルーではどこでも売ってる、安くてまずいBIMBOパン(メキシコのブランド)ですが、スペインにも進出している真のインターナショナル企業なんですね。
 と変なことに感心しつつ、ほとんど24時間かかったマラケシュ→グラナダ移動の旅は、やっと終ったのでした。


 教訓。
 旅先で誕生日を迎えるのはたいへんけっこう。でもその日を移動日にしてはならない。


 旅はつづく。


alhambra.png 旅のつづき・その4


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