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2017年前半の「一服いかが?」



2017年1月1日(日) <終りよければすべて良し>

2017年1月10日(火) <ルリン川をちょっとさかのぼる>
              <1月10日のモナルカ蝶キャタピラ日記>


2017年2月9日(木) <Vamos a la playa!>

2017年2月24日(金) <いろいろたいへん、暑い夏>

2017年3月1日(火) <ふたたび夕虹>

2017年6月14日(水)<とうとう実生のアマンカイが…!>

2017年6月15日(木) <夏のおさらい>

2017年6月23日(金) <その後のアマンカイ>


2017年1月1日(日) 午後7時半の室温25.5℃ 湿度55% 外気温23.4℃ 晴れのち夕方から曇り
<終りよければすべて良し>
  (さらば2016年!二度と戻ってくるな2016年!(^^)/)

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 2016年は変な年でしたが、12月30日になってたいへん喜ばしいことが!
 前の日、トウワタの上に蝶の卵らしきものを見つけたので、葉ごと折り取って家で観察していたら、翌30日にモナルカ蝶の幼虫がかえったのです!
 (このへんでまれに出没するヘイタイマダラも、幼虫はトウワタを食草としますが、たぶんこれはオオカバマダラの落とし子でしょう)


 前の夏は、3月末にやっと初の産卵までこぎつけました。
 でも今回は年内に産卵・孵化という快挙!です。


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 暑苦しい色彩で咲きはじめた、クラサヴィカ種のトウワタ。
 好きな花、とは言いがたいですが、モナルカ蝶寄せ効果があまりに大きいので、これはもう無理をしてでも好きになるほかないですね!
 いま大量に苗を準備中です。


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 大晦日のきのうは、庭のトウワタを一本一本調べてまわりました。

 嬉しいことに大半に葉を食われたあとがあり、小さな幼虫もあちこちで見つかりました。
 その多くは、すでにシマシマ模様の現れた、孵化後一週間くらいの幼虫です。
 毎日うんと注意して見ていたつもりでしたが、幼虫があまりに小さくて気づかなかったのですね。


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 またほうぼうで卵も発見!♪やった〜!

 モナルカ蝶はモンシロチョウなどとは違って、ぽつり、ぽつりと卵をひとつずつ産むみたいですね。
 それもあって見つけにくかったのですが、こういうのは一度わかると急に見えるようになるのが楽しいです。


 卵と幼虫の数は、今のところ少なくとも数十匹分。
 まだまだ産卵はつづくでしょうし、この夏はたくさんのモナルカ蝶に会えそうです(トウワタがどこまでもちこたえるかにもよりますが)。


 長いこと願っていた夢のひとつ(モナルカ蝶の家庭内繁殖)が、こうしていよいよ実現すると、なんというか自分の夢にちょっと自信?ができて、ほかの夢ももっと具体的に思い描いてみよう、という気持ちになりますね。

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 大晦日の夕方、フウセントウワタの花のゆりかごで休む幼虫君。
 2017年の華麗な変身を楽しみにしてるからね!


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 さて2016年さいごの庭仕事。
 庭を囲む壁の緑化は、オオイタビのがんばりでだいぶ進んでいますが、まだ足りないところには、淡い涼しそうな色のブーゲンビリアを植えることにしました。


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 暑くなるにつれ、セリンセが紫に色づいてきました。
 この花、リマでは今まで見たことがありません。
 もしかしてもしかすると、咲いているのはうちだけかな??そうだったらタネを取ってフランクリン君にあげなくては。


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 まだ丈の低い「ペルーナイト・リンゴ」に、この夏はけっこうたくさん実がついています。
 もったいなくてなかなか摘果できませんが、思い切って取った青い実は、ハチミツでさっと煮て食べています。
 すっぱくてとてもおいしいです。


 やはり摘果してひとつだけ実を残すと、ぐっと大きくなるみたいですね。
 でも油断していたらすぐに小鳥がつつき始めたので、新年さいしょの庭仕事はリンゴの袋かけ、ということになりそうです。



 みなさま今年もどうぞよろしく、ときどきご訪問くだされば嬉しく存じます。
 当分のあいだ、ここは「モナルカ蝶のキャタピラ日記」になってしまいそうですが……そういうのおいやでなければ。


2017年1月10日(火) 午後4時の室温27.0℃ 湿度50% 外気温27.3℃ おおむね曇り
<ルリン川をちょっとさかのぼる>

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 年が明けても、こんなふうに乾ききっていたルリン川(ケブラーダ・ベルデ地区)。
 例年なら12月はじめには水が流れ始めるはずなのですが…


 ルリン川上流は、前の夏も雨が少なく、おかげで去年は二度も井戸の掘り直しをする羽目となりました。
 もし今年も雨が少ないと大変なので、年末年始はずっと心配しながら過ごしました。


 そういう心配をすることじたい、ペルー海岸部ならではの季節感とも言えますが、それにしても今年の雨は遅れすぎです。

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 「とうとう水が来た!」という知らせが届いたのは、やっと1月3日になってから。
 あまりの嬉しさに、ルリン川を少しさかのぼって様子を見にいくことにしました。


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 ルリン川沿いの、インカ道の上に作られたガタガタ道を進みます。
 このツタの絡んだ電線、なんか顔もあるみたい……夜はここ通りたくないな。


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 一時間弱でシエネギージャ着。
 うちよりいくぶん上流ですが、このへんでもやっと二日前から水が戻ってきたそうです。


 早くも洗濯する人が来ているのには、ちょっと感心。情報早いなあ。
 雨季のさいしょの水は茶色く濁っているので、あまり洗濯向きじゃないとは思うけど…


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 ほんとに水があるのを確認して、とりあえず満足したので、ずいぶん久しぶりのMesa de Piedraレストランでささっと食事してから引き返します。
 時刻が遅くてパチャマンカは売り切れで、結婚記念日にしては冴えない食事でしたが、料理しなくて済んだだけでも良かったです。


 帰りに寄ろうと思ったカフェつき園芸店も、この日は休みでがっかりでした。
 (前の日にちゃんと電話して確認したのですが、行ってみると床に安い洗濯用粉洗剤(においでわかる(笑)をぶちまけて、ゴシゴシ大掃除中でした。
 たぶん誰も来ないので閉めることにしたのでしょう、これ、ペルーではわりとよくあることです…)


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 今はどこにいってもポンシアーナ(ホウオウボク)が満開です。
 マダガスカル原産だそうですが、リマやトルヒージョなど、ペルー海岸部のあちこちにとてもよく順応しています。


 樹形が傘型なので、大きな日陰を作ってくれるのが魅力で、細かな葉も繊細できれいですが、花はちょっとあつくるしすぎますね…

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 シエネギージャとの往復にいつも使う道は、さいごのところでルリン川をざぶざぶと横断します。
 冬はほとんど水がないので、ふつうの車でも問題なく渡れますが、今日は増水してさすがに通行止めになっていました。
 (左手の橋は、人と自転車くらいしか渡れません)


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 そこで対岸の別の道を使ったおかげで、風情のある吊り橋を発見。
 こんなのがあったのですね、知らなかった!


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 吊り橋の上から、川下を見たところ。
 4月まで休みなく、たっぷりの水が流れ下ってくれますように!


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帰路にみかけた、岩山の一軒家のクリスマス。

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 壁に描かれた飼料店の広告。
 重量挙げをするクイ(食用モルモット)の足元に転がったコカ・コーラ、これはいったい何を伝えんとしているのでしょう??


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 ケブラーダ・ベルデの橋まで戻ってくると、パチャカマック市役所の給水車が、川からじかに泥水を汲んでました。
 見てはいけないものを見てしまった?ような気もしますが…おそらく公園に撒くための水なのでしょう。


 この日、川沿いで会った人たちは、(乾いた畑にいそいそ水を入れていた若者も、川で洗濯にいそしむ女性たちも、レストランの庭師さんも、未舗装道路に水を撒く役所の人も)、みんながみんな、水が戻ったことを心底喜んでいるようでした。

 行きがけ、増水でいつもの道は使えないと教えてくれた道案内のおじさんも、水の話をもちかけると急にニコニコしはじめました。
 「ああお宅はパチャカマックですか、やっぱり庭の草花とか心配だったでしょう?
 私も副業で植木の苗を育ててるんですよ、だからきのうやっと水路に水がきて、ほんとにやれやれです!」


 上流の雨季のはじまりを、みんなといっしょに喜べるようになって、私も少し、ルリン谷の住人らしくなってきたかな?

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 帰る前に、近すぎてめったに行かないパチャカマックの広場にまわります。
 教会の入り口に、大きなナシミエント(イエス誕生の情景)がしつらえてあります。
 小さな植木はプラポットのままおいてあるので、あれ?と思いましたが、あっそうか、タイル敷きの床の上に、土をうすくかぶせてあるだけなんですね。


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 書き割りの前にたたずむ三賢王のひとり。
 ちょっと絵になってます。


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 迎春、と書き入れたくなるような鶏さんも発見。
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 caballo de paso(ペルー式馬場馬術、パッサージュの一種)のお馬さん横断注意、という、パチャカマックならではの道路標識。

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 広場の裏の別荘地をぐるっとまわってから、猫たちが待つ家に帰りました。
 (次回は、ルリン川をもうちょっとさかのぼります)


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ケッコーな雨量に恵まれる年になりますように…

<1月10日のモナルカ蝶キャタピラ日記>


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 モナルカ蝶の母は、毎日欠かさずやってきて、せっせと産卵を続けています。

 このぶんだと今年はたくさん幼虫が育ちそうですし、私も夏バテでしんどいので、去年のような介入はしないつもりでしたが…
 アリやアシナガバチのせいで、かわいい幼虫たちが急速に減っていくのを目の当たりにして、やはり少し養子をとることに決めました。


 モナルカ蝶のメスは、数か月の生涯のあいだに(当地の場合どれくらい生きるのかデータがなくてわかりませんが、これは米国の場合)、約700個(これも諸説あり)の卵を産み、でもそのうち蝶になるのは1,2%にすぎないそうです。
 つまり、メスの成蝶一頭あたり、7〜14頭の子孫を残せるだけなのですね。


 そういうことなら、ちょっとでも手伝う甲斐は大いにありそうです。

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 昨年からモナルカさま専用と化した、パール金属の干物かごに、いま大小さまざまなシマシマ君が十数匹入っています。
 下の段にはミニミニサイズの幼虫たち。
 網を切って吹き抜け?にした中段・上段には、大きな幼虫が入居しています。


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 毎朝エサのトウワタを切ってくるのですが、たいていそこに産みたて卵がついているので、養子は増える一方です…
 卵は葉ごと切り取って、孵化するまで乾かないよう、濡れティッシュの上に載せてあります。


 このモナルカ熱、「小さな家」の永吉君にも伝染しました。
 自分の庭にもトウワタがほしいというので、苗をあげたらすぐシマシマ君が発生、毎日わが子のことのように成長ぶりを報告してくれます。
 幼虫を守るため、ほんとのわが子たちのボール遊びも禁止したそうです(笑)


 (追記・さっき永吉君が暗〜い顔でやってきて、もうすぐ蛹化しそうだった幼虫君がいなくなってしまった、とのこと。
 アシナガバチに襲われたようなので、次回は養子にとるそうです)


 (さらに追記・いま気づきましたが、もしかしたら無事どこかでさなぎになっているのかも?
 良い場所を探して、けっこう歩くといいますから。あす周囲を調べてみます)

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 養子が増えれば増えるほど深刻化するのが、食糧問題です。
 そこで米国のモナルカ蝶愛好家のページを探し回って、カボチャもエサに使える、との情報を得ました。
 若齢の幼虫はトウワタ以外だめだそうですが、ある程度大きくなればカボチャだけでも大丈夫だとか。


 ためしに与えたところ、写真のとおりすぐ食べ始めました!
 夜はこのままカボチャの上で寝てますし、かなり好きみたいです。ああよかった。


 ところできのう、永吉君がおもしろいことを言いました。
 「あのー、モナルカの幼虫って、頭が二つあるんですか?」


 たしかにアンテナが前後にあって、まるで双頭のイモムシですよね。
 これはふつう頭を狙ってくる捕食者(鳥など)を惑わし、だいじな頭部を極力守るため、だとか。
 永吉君もみごとに騙されて、幼虫君としてもしてやったり、でしょうね。


 …と、いうふうに私はすぐ説明してしまいましたが、うちの姉だったらきっと、
 「そうよ、モナルカの幼虫は頭が二つあるのよ。まさかとは思うけど知らなかったの?」
 と威厳をもって断言し、そのまま一か月くらい(もしくは本人が気づくまで)永吉君を放っておいたことでしょう。
 そういうおもしろみのある人に次回は生まれたい…



2017年2月9日(木) 午後11時半の室温.27.5℃ 湿度54.5% 外気温24.7℃ 羊雲のあいだの月がきれいです
<Vamos a la playa!>

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満タン状態のルリン川(上流の方向)。
これはめったに見られない情景ですぞ。



 1月にやっと雨が降り始めて万々歳!…と思う間もなく、今度は降りすぎです。
 アンデスから流れ下る川があちこちで土石流を引き起こし、さらには北海岸や、めったに雨の降らないイカ、ナスカなどでも大雨のため大洪水が発生…
 いまペルー全体が、なかなかたいへんなこととなっております。
 (こんなことなら、もっとやる気のある若い大統領を選んでおけばよかったのにね…)


 昨年心配されていたエル・ニーニョ現象が、一年遅れでやってきたかのような状況です。

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1月はじめのルリン川(下流の方向)
(ケブラーダ・ベルデの橋から撮影)
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その後増水したルリン川


 雨が始まった一か月前には、左の写真のようにわずかな流れでしたが、今は同じところに濁流がうずまいています。

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夏になると、どこからともなく湧き出してくる海行き乗り合いタクシー。
PLAYA(海辺)の文字のまわりには、カモメが飛んでます



 そんなときにリマに到着なさったのが、pacollamaさんとcalleretiroさん。
 ワンカーヨに向かう中央道が、土砂崩れで何度も封鎖され、お二人の予定も変更を強いられることとなり…


 となったら開き直って、リマの夏(よりによって今年は異常な猛暑ですが)を楽しむほかないですよね!
 夏場は家にこもりがちな私たちも、この夏は張り切って出かけることにしました!


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パンアメリカン道(南)沿いにずらりと並ぶ、夏だけの巨大看板。
犬らしい一所懸命感がよく出ていて、この広告はちょっと好き。


看板の足元には、海辺の遊び道具の出店がずらりと並んでいます。
(これらの店は、なぜか真冬でもまったく同じに並んでいます、リマの謎のひとつです)


Playa San Pedro

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まずは地元、沖にクジラ島(パチャカマック島)が浮かぶサン・ペドロ浜。

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 四人なので、魚介の唐揚げのファミリーサイズを注文しました。
 このサイズの料理をとるのは、たぶんペルーに来て初めて!(…来てから21年以上たってますが)。


 ここはとにかく揚げ物が上手で、つけあわせのユカ芋も、ちょっと今までに経験のないおいしさでした。

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 魚介チャーハンも、どーん!とファミリーサイズ。
 黒鯛の丸揚げも気になっていましたが、全員ここまでで戦線離脱。じゅうぶんでした。


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 今年はぜったい焼かない水着を一式そろえたので、今後もちょいちょいここに来ようと思います。
 水は冷たいし波も荒いし、浸かるだけで精一杯の海ではありますが、広々としてとても気持ちがいいです。


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 波の音を聞きながら、上空のカモメを眺めていると、魂がどこかもっと良い世界にとんでいってしまいそうです…

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…でこちらは、ビールを飲んで楽園旅行を当てよう、という広告。

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 それからこっちは、うーん、日本ならいろんな意味で許されそうにない広告ですね。
 人生を変えるサプリメント、だそうで、専門店に入った男女が違う体形で出てくる、というしょうもない内容。


 さいきんのペルーの人たちが、体形を気にしているとはとても思えないのですが〜、それでも夏にはダイエット関連品が多少は売れるのかな。
 しかし、よけいなものを更に摂取して痩せよう、という考えじたい、おかしいですよね。
 ペルーのみなさんは揃って糖質のとりすぎですから、そこだけちょっと節制すれば、いともかんたんに痩せられるはずなんです。


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 でも、今年こそは!とダイエットを決心したとしても、食欲をかきたてる次の広告がすぐ出てきます。

 ついでながらうしろの丘は、数年前までは何もない荒地でしたが、突如木々が植えられ分譲されて、夏向きの白い別荘が並び始めています。

Pucusana
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冬にはよく来るプクサーナ港ですが、やはり夏はぐっと色彩が鮮やかですね。

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 今は泊りがけの海水浴客で、大混雑のプクサーナ。
 でも火・水・木曜ならわりと空いているとわかったので、今年はもっとマメに来ようと思………
 っていたのですが、なんと数日前、チルカ川の氾濫のため、プクサーナへの進入路が通行不能となってしまいました。


 pacollamaさんcalleretiroさんとここに来たのが2月2日で、6日には洪水でしたから、けっこうあぶないところでした。

 チルカ川というのは、ふだんはほとんど年じゅう瀬切れ状態、水のないカラカラの涸沢です。
 なので今までは、その存在を意識したことすらありませんでした!


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漁師さんの即席遊覧船に乗って、小さな湾内と外海をぐるりと一回り。

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この日は久しぶりに岩場のペンギン君にも会えました。

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 ところで、昨年9月にAT先生がみえたとき、同じ海上ですばらしいものを見ました。
 海鳥の長い長い行列が、船に乗っているあいだじゅう、途切れることなく海面を渡っていって、じつに壮観でした!


 写真の水平線上のゴマ粒が、すべて海鳥(たぶんナンベイヒメウ)なのです。
 この日はカメラを持っていなくて残念でしたが(カメラ持ってないと必ずなにかあるのよね…)、タブレットのピンボケ写真で多少ともあの驚きが伝わるでしょうか?


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 無数の海鳥たちが、ときおり蚊柱のようにうず巻いたり、上下に大きくうねったりしながら、見渡すかぎりの水平線上を埋め尽くし、同じ方向に飛んでいきました。

 AT先生と、「これはもしや、チョリージョスあたりからここまで、ずーーっと続いているのでは?」と冗談を言うほど、果てしなく長い編隊飛行でした。

 太古のペルーの海の豊かさを、ちょっと垣間見させてもらったような気分でした。

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さて真夏のプクサーナに戻ります。
冬も格別の風情がありますが、この色彩ばかりは夏限定ですね!


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水に落ちた犬、ではないです。
オタリアが大サービスで、船のすぐ近くまできてくれました。


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 船に揺られておなかが空いたので、海辺のレストランへ。
 私セビッチェはあまり好みませんが、これは実に久しぶりにおいしく感じました。
 ライムに負けがちな白身魚よりも、味のしっかりしたラパ貝がたくさん入っていたからだと思います。


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pacollamaさんとcalleretiroさんは、ビール大瓶を仲良く一本ずつ♪

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 タコはちょっと固かったですが(火を通しすぎたもよう)、味はいいので、文句を言いつつ食べてしまいました。

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サン・ペドロで食べ損ねた黒鯛の丸揚げもここで登場。
しかしユカ芋フライは、サン・ペドロ浜に限りますな(笑)


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魚介のチャーハン。
宿六が気をきかせてお醤油抜きで注文したら、大当たり。


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 プクサーナ名物のひとつが、このReventado de cangrejo(さっと茹でたカニのライムあえ)。
 でもこのときは、翌日にカニスープ屋の予定が入っていたので、パスしました。


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古くからあるレストランが、窓をかわいく飾っていました。

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 プクサーナ一の名?所、みごとな海蝕洞の前で、アンデスからの旅人を見かけました。
 山の人は、それはやっぱり海を見るのが嬉しいのでしょうね。
 この海蝕洞LOVEなpacollamaさんにも負けないほど、熱心に波に見入っていました。


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マリアさんの祠には、やはりこういう身なりの人がよく似合います。

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 娘さんかお孫さんか、彼女も最高のおしゃれをして連れてきてもらったようです。

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海蝕洞の近くに置かれたUFOキャッチャー。
これいったい、なんのぬいぐるみ? アリクイ?ロバ?


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 おかしいのは、ほんの二週間前には、ここにシベリアンハスキーが詰まっていた、ということ…

 つまり二週間で、ハスキー犬はぜんぶはけたってことでしょうか?
 夏のプクサーナは避暑客(≒よっぱらい)が多いから、UFOキャッチャーも意外に良い商売になるのかも。


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帰る前に浜辺をひとまわり。
サメ少年が犬掻きでがんばっています。


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 リマ近辺の海辺には、なんと申しますかスタイル抜群の水着美人、というのはまずいなくて、むつかしいお年頃の女性としましてはたいへん気楽でよろしいのですが、でもかわりにこういう小さな美人はちょいちょい見かけます。

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 プクサーナのあと、つい足が向くのがチルカのOvni(未確認飛行物体)アイスクリーム店。

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 たっぷりした昼食のあと、ここでルクマ・アイスクリームを食べ、そのあと良い香りのかまど焼きパンにまた引っかかってしまう…
 ということになりやすい危険なスポットです(なので必ずお友達を連れてくるのだわっはっは)
 回転のわるい平日だと、すでに焼いて保存してあるパンを買わされがちですが、頼めばさっとかまどで温めなおしてくれます。


 今回は10ソルもする巨大な pan con chicharronを初めて買ってみました。
 これはその場で、薄いパンだねに大量の豚のからあげとサツマイモを包み、かまどで焼いてくれます。
 翌日の朝ごはんにするつもりでしたが、なぜか帰宅の道中に、あとかたもなく蒸発しました…


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 Ovniアイスクリーム店の近くには、便乗商法のアイスクリーム屋台が何十軒も林立しているので、要注意です。
 前にOvniとまちがえて、E.T.アイスクリーム店(紛らわしい!)で買ってしまったことがありますが、とてもケミカルな味で即ゴミ箱行き。


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 そんなところで食べるくらいなら、大量生産のDonofrioのほうがなんぼかおいしいです!
 今回、久しぶりにDonofrioのアイスクリームも試しましたが(pacollamaさんのを横から味見)、なんだか昔よりおいしくなってますね。


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 さて今日もまた、パンアメリカン道にのって海へ。

 写真は、道沿いにさいきん取り付けられた楽しい広告。
 真剣な表情で犬猫さんがたずねます、「で、あたしのごはんは?!」


 はいだいじょうぶ、ここに電話すれば「今日注文・今日受け取り」できる…のだそうで。
 うちの猫が好きなキャットフードも扱っているようなので、今度私も問い合わせてみよう…


 ちょっと前までは、リマのペットといえば犬に始まり犬に終っていましたが、近年は猫数がどんどん増えているらしく、たいへんけっこうなことです。
 やっとペルーの人たちも、猫の深遠なるおもしろみがわかってきたのでしょう。
 こんな大看板に猫が出演しているのを見るのは、ペルーでは初めてかもしれません。


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 広告看板だけでなく、当地のゲイジツ的なトラックも、パンアメリカン道ドライブの楽しみのひとつです。
 これはきっと、「忘れがたきふるさとの緑の風景」というところでしょうか。


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 こちらは白熊とビキニの女の子。
 なんかむかし、La cerveza que te pone osoっていうビールの広告(夏場はいつもお下品に暴走気味のPilsenCallao?)ありましたよね、たぶんそこからとったのかな?


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 で、Cusquenaのほうは、今でもこういうアンデス文明路線なんですね。
 (でもコマーシャル撮影中に、あろうことかマチュピチュ遺跡の大切なインティワタナ(日時計と呼ばれる石の建造物)に機材ぶつけて、8センチほど欠けさせてしまった昔の事件、私は覚えているぞー)


San Bartolo
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 夕方のサン・バルトロの海は、いつ来ても不思議な金色に光っています。
 たまたまなんでしょうか、それとも本当にそういうところなのでしょうか?


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 波間に浮いているのは、自分のモトタクシーでやってきたお兄さん。
 人気の少ない火曜の海で、しばらく波乗りを楽しむと、足についた砂をちょっと払って、またモトタクシーで去っていきました。
 夏はタクシーのお仕事帰りに、毎夕こうして波乗りするのかな。
 これぞ人生!ですね。


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海を見下ろすかわいい教会。
少し雲行きがあやしいですが、このあとバラバラっと通り雨が降りました。
ほんとにリマらしからぬ変なお天気です。


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波乗りの途中、もやってある船で一休みする少年たち。

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 夏中こうして遊び暮らす人、リマにはけっこうたくさんいるようですね…
 あー私もこれからは、もっと気楽にのんびり暮らそうっと。
 どのみちこの暑さでは、少しさぼらないとやってけません。


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という次第で、わたくし海の家がほしくなりました。宿六君みてる?
出資者は、次こそ君の番だと思う。


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 ぬれねずみの子供三人と、カラフルな浜辺の必需品(折り畳み寝椅子、バケツ、ビニールプール、砂遊びの小物類)を、オートバイつきリヤカーに満載!
 日に焼けたお父さんが、波打ち際の道をニコニコしながら走り抜けていきました。
 きょうも夏満喫の、良い一日だったようですね。


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 海を眺めて童心に還ると、ついこういうものも思い出します。
 パフェなんて何年ぶりでしょう〜、思いがけずとっても気分が盛り上がり、なんとも楽しいひとときでした。


 ここは以前SA先生が、夕食がわりに…と、毎日ルクマ・アイスクリームを召し上がったGelateria Laritza D。
 たしかにこの店のはおいしいです。


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とつぜんですが、カニ入りマッシュポテト・サラダ


 もちろん今回のお客人がたは、こういう基本のごちそうも、ぬかりなく押さえていかれました。

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タコとジャガイモのニンニク炒め。


 というとスペイン料理風ですが、唐辛子とお醤油入りなので、とてもペルーらしい味になってます。

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ホタテガイのチーズ焼き

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日本のみなさんがまちがいなく大好きな、ヒラメの串焼き@Jose Antonio


 pacollamaさんcalleretiroさんのご旅程は、リマご滞在のあとメキシコ、という豪華なものです。
 そこでお二人は、「どうせメキシコ行けば体重減るから…」と、心おきなく楽しんでいらっしゃるようでした。
 (メキシコ料理は、文化的にはたいへん興味深いものの、必ずしもおいしくはないですものね…)


 今回、異常気象には祟られてしまいましたが、どうかこれに懲りず、ぜひ近いうちに次回(それがなんと!第20回ペルー旅行となるそうです!)を企画してくだされば…と期待しております。

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チョリージョスの夕焼けを見るのも、ほんとうに久しぶり。


 お客さんのおかげで、私たちはたいへん楽しい夏でした!
 って、まだまだとうぶん夏は終りそうにないですが、この夏のいちばん楽しい部分は、たしかに終っちゃったみたいですね…


 日常に戻ると、毎日30℃超えの中(あ、今週はちょっと涼しくなりましたが)、クーラーなしで三食煮炊き。
 これはもはや拷問でしかありませんが、生まれる前に自分でこういう人生を選んだ理由が、きっとあるのだろう…今は思い出せないし信じらんないけどたぶんあったのだろう…と思って耐えております。


 今年は水不足も心配です。
 雨はさんざん降っていますが、洪水や土石流を起こすばかりで、本当に降ってほしいところには降らないらしく…


 そのため現在パチャカマックでは、日に二時間ほどしか水道水が届いていません。
 地下水槽やタンクがあるので、うちも永吉君ちも、とりあえず暮らしに支障はありませんが、今降らないと次の雨季までがたいへんですから、早く状況が改善するよう強く念じています。



2017年2月24日(金) 午後10時の室温28.0℃ 湿度58% 外気温24.9℃ 晴れ
<いろいろたいへん、暑い夏>

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こんなリマック川、見たことない…



 いつも水がちょこっとしかない(という印象の)リマック川ですが、この夏はなかなかたいへんなこととなっております。
 道が空いている日曜にちらっと見てきましたが、濁流の上の老朽化した橋が、トラックなど通るたびにゆさゆさ揺れて、足がすくみそうでした。


 家の建築時、毎日通っていたルリンの陸橋も、よく揺れるので不安に思っていたら、その後ほんとに落ちましたし…
 某国外務省の口癖じゃあないですが、不要不急のリマック川渡橋?は、今はやめておいたほうがたしかに無難そう。


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 ルリン川のほうも、まだたっぷり水が流れていますが、これがなかなか、うちの井戸までは浸透してくれなくて…
 かてて加えて灼けつくような猛暑、わずかに出る井戸水をやりくりするだけでは焼け石に水で、そうこうするうちに芝は干し草色に変わり、丈夫そうな木々もだんだん怪しくなってきました。


 なんとかせねばと気ばかりあせりますが、今は近所じゅうで、井戸掘り職人を奪い合っているような状況です。
 うちもなかなかつかまえられず困り果てていましたが、例のオデブレヒト社汚職事件のおかげで、ついに一人呼んでくることができました。


 というのは、永吉君にはひとり井戸堀り職人の弟がいるのですが、近々プカルパに出稼ぎに行くので無理、とのことで来てもらえずにいたのです。
 ところが、オデブレヒト社汚職事件のあおりで、プカルパでの大型プロジェクトが凍結され、出稼ぎ契約もフイになってしまったとか。
 喜んではわるいようですが、私の庭にとって、これは天の救いでした。


 (この汚職事件、ペルーの存命の元大統領は、全員お縄を頂戴しかねない形勢となってきましたね。
 どうせもう牢屋もいっぱいでしょうし、彼らとは違って結局証拠なしで拘束されてる老フジモリ氏は、いいかげん出してあげることにして、一室空きを作ってはどうかと思いますけどね…)


 さてその弟君、一日でえいえいっと70センチあまり掘り足してくれたので、その後は20分ほど続けて水撒きできるようになりました。ああよかった。
 でもこれはあくまで、当座のその場しのぎです、おととしまでは軽く4時間以上、休みなく水を汲み出せる井戸でしたので。
 水不足にはこりごりですし、冬になったら内壁をきちんとセメントで固めつつ、数メートルは掘ってもらおうと思います。


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 きのうは明け方に四時間ほど小雨が降り、井戸水散布とのダブル効果で、芝生も少し息を吹き返しました。

 まあほんの小雨だったのですが、もちろん当地の新聞は「すごい大雨だった!」と大騒ぎ。
 もともと排水などいっさい考慮してない街なので、確かにちょっとの雨でも、たちまち豪雨のあとのようになるのですよね。
 上の写真はリマのセントロですが、アックア・アルタのヴェネチアみたいでちょっときれいです…


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 「恵みの小雨」のあとのゼラニウム。
 昨年、生まれて初めてタネから育てた、だいじなゼラニウム。やっと花が咲き始めました。


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 猛暑でますます元気なのは、池のパピルスです…
 2015年8月にフランクリン君が三株持ってきたときは、こんなにこじんまりしていたのですが……


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 今年1月にはこうなりました……orz

 繁茂しすぎて、もはや水面もほとんど見えません。
 pacollamaさんたちがみえる前に、せめて少し刈り込みたかったのですが、夏バテで間に合わず…
 この惨状をご覧いただくこととなりました、とほほ。


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対パピルス戦のため仕入れた戦闘服。


 自分用に、こういうものを買う日が来るとは思いませんでした。
 もちろんペルーには、女性向きサイズは存在しないので(ペルーの女性って釣りとかしないのかな?…うーんいかにもしなさそう…)、はるばる日本からの取り寄せ品です。そうです、パピルスを刈るためだけに。


 作業じたいは、かなり好きです。
 浅い池に入って、パピルスの太い茎をざくざく切っては投げ、切っては投げしていると、それが鮮やかな既視感を呼び起こし…
 たぶん古代エジプトのどっかのお屋敷で、庭師をしていた前世があるのでしょう。
 もしくはパピルス紙の工房に、原料を納品する業者だったのかな。


 それにしてもパピルスの剪定は、やはりかなりの重労働、ほんとは宿六か永吉君がやってくれれば楽なのですが…
 「うちの奥さんは、なんでも自分でやらないと気がすまないから〜」と、宿六は勝手に解釈しているようです。
 でも、ここは防水布を敷いただけの簡易池、長持ちさせるにはあまり重たい人々には入って頂きたくない、というのが私の本音です。


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 数時間の格闘で、ちょっとだけすっきりしましたが、まだ油断はできません。
 スポンジ状のものすごい根のかたまりが、すでに小島をふたつ形成しています(それはもはや除去不能)。
 たぶん今のうちにあと数回は刈り込まないと、じきに水が入るところがなくなりそうです。


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 冬のあいだ、明るい緑色に澱んで視界ゼロだった池ですが(あの緑色、アランブラ宮殿の貯水池色でちょっと好きでした)、暑さとともになぜか少し透明になってきました。
 ときどき入れている乳酸菌&納豆菌が、暑熱のおかげで勢いづいたのかも?しれません。
 ご無沙汰していたティラピアが、とても大きくなって、数も増えているのにびっくりです。


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 ティラピアは浅くてあったかい水が好きらしく、昼間はよくこうして石の上で昼寝しています。
 それを眺める永吉君は、「ぼちぼち食べごろですね」と嬉しそうです…


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「小さな家」の庭で元気に育つケール。
これを大量消費しているおかげか、永吉君の微妙な血糖値が、めでたく平常値まで降下!
モロヘイヤとオクラの苗もあげましたが、それもすくすく育っています。



 永吉君がうちに来てから、もう丸二年が経過しました。
 幸い「小さな家」のみなさんは、ここでの暮らしにいたってご満足のようすです。


 永吉君はあいかわらず、子供たちが何か悪さをするたびに、同じことを言って脅かしているそうです。

 「お前たちはあまりに悪い子なので、もうこの家に住む資格はない、だからお父さんは今日仕事を辞めることにした。
 明日にはここを出るから、荷物をまとめて覚悟していなさい。
 もとのうちに戻ったら、サッカーの国際試合見放題のケーブルなどないからな、それもきっちり心しておくように!」


 こういうときは、ハム君が車庫のところに出てきて、不安そうにじーっとうちのほうを見ているので、すぐわかります。
 それがかわいいやらおかしいやら…
 だいぶ体つきは大きくなりましたが、まだまだ小学生っぽさが抜けないハム君です。


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 私たちとしても、得がたい人材永吉君は逃がしたくありません。
 そこで今年の福利厚生第一号として、写真のなんともキッチュな二槽式洗濯機を導入しました。
 (Hiraoka電器店の自社ブランド品で、きっと中国製と思いますが、デザインと色遣いがたまらないでしょ?
 これでもパワーはけっこうあるんです)


 永吉君の奥さんの満里子さん(仮名)は、家族五人の洗濯ものを手洗いするのに、じつに多くの時間を費やしています。
 同じ女性として、私はそれがずーっと気になっていました。


 服の手洗いなどしたことのない(怒)宿六は、洗濯機の必要性がいまひとつピンと来ないようでしたが、私の鶴の一声で、急遽電器店へ物色に行くこととなりました。
 すると、古風な二槽式と、ほぼ全自動の一槽式が、なぜか同じ価格なんですね。
 これにはだいぶ迷いましたが、使い慣れない人には二槽式のほうがとっつきやすいだろう、との結論に。


 車の後ろに何とか押し込んで持ち帰ると、奥さん思いの永吉君が、すぐ「小さな家」の洗濯場に設置。
 それから満里子さんに説明を始めてみると、ほんとうに洗濯機は使ったことがないらしく、やはり二槽式で正解でした。


 (洗濯機じたいは、ペルーでも二十年以上前から一槽式が主流なので、私もやむなくドラム式全自動を使っています。
 でもほんとは二槽式のほうがずっと好きです、いつでもふたを開けしめ可能な上に、洗濯槽を使って染めものだってできますもんね)


 大いに喜んで、うっすら涙目にまでなってくれた満里子さんですが、ちょっとガンコなところもあって、その後もどうしても手洗いはやめられないそうです。
 でもすすぎと脱水機能は使ってくれているので、それだけでもどれだけ労力が省けるかわかりません(まあ試しに、バスタオルを一枚、手でしぼってみてくださいな…)
 特に湿度の高い冬には、脱水槽が威力を発揮するはずで、それが今からちょっと楽しみです。
 湿度80%以上ともなると、手でしぼっただけの洗濯ものは、もう永遠に乾きませんから。


 福利厚生第二号は、「小さな家」に離れを作ることです。
 ほんとは去年作りたかったのですが、泥棒さわぎのあとの外壁工事がたいへんで(実質もう一軒家が建つほどのたいへんさでした…)、そのままうやむやになってしまいました。
 でも末っ子の瞳ちゃんがいよいよ育ってうるさくなって、そろそろ上の子二人にも、避難所が必要そうなのです。
 これから手ごろな建材など、ゆっくり検討しようと思います。


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「流行に敏感なわたくし、さっそく自毛でトランプヘアーを試してみました」(ハシンタ猫17歳)


 猛暑にもかかわらず、おかげさまで猫たちはとても元気です。

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「美貌の維持のため、夏も毛布をかぶってたっぷり睡眠をとるよう心がけています」(ハスミン猫15歳)


 やはり猛暑だった昨夏には、かなりバテ気味だったわが家のシニア猫たち。
 でもそのさい取り入れたペット用納豆菌サプリのおかげか、今年は食欲旺盛でよく眠りよく甘え、たいへん良い感じです。
 納豆菌って、猫にも池にも効いてすごいです。
 猫用のほうは、先だってリマにみえたpacollamaさんcalleretiroさんに追加をもってきていただいたので、当分のあいだ本当に安心です。


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 今年の猛暑は、1月下旬がピークだったようです。
 その後は風の吹きぬける心地よい日が多く、助かっていますが、でもやっぱり暑いことは暑くて、クーラーなしではちときついのには変わりありません。


 しかたないので、今は果物をいろいろ凍らせてしのいでいます。
 ちょうどベリー類が出盛りで(以前はあまり見ませんでしたが、いつのまにかペルーはブルーベリー輸出国になってました、ワラスの気候が栽培に向くそうです)、これはヨーグルトにもとてもよく合います。


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 うーん、それにしてもやっぱり暑い…
 2月だからしかたないですが、まだしばらくは夏が続きそうですね。


 暑さを喜ぶ熱帯スイレンは、葉っぱのむかごで大増殖中。君は元気そうでいいねえ…

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 モナルカさま大増殖計画のほうも、少々うまくいきすぎて、現在ちょっとお休み中ですが、次回にはそのお話も。
 写真は、幼虫をカボチャで育てた中の一匹(♂)です。
 ほんとにカボチャでも大丈夫で、ちゃんとこんな美男子が羽化しました。


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 バレンタインの日の夕方、リマではめったに見られない、めずらしくきれいな虹が出ました。
 夕焼け雲や青空との組み合わせが、絶妙でした。
 みなさまにも何かいいことありますように。



2017年3月1日(火) 午後5時半の室温30.4℃ 湿度53% 外気温29.1℃ 快晴のち曇り
<ふたたび夕虹>


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 きょう三月ついたちは、「小さな家」の瞳ちゃん(仮名)の三歳の誕生日。
 昨年は小型絵本セットをあげて大好評でしたが(嬉しいことに、今なおどこに行くにも持って歩いているとか)、今年はパズルとクレヨン、紙しか切れないハサミにしてみました。
 家にひとり幼児がいると、ふだん意識したことのなかった商品がいろいろ目に留まるようになり、ちょっと楽しいです。


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 それにしても暑い!です。
 プルメリアがだいぶ立派になり、いま花盛りで、とても良い香りです(すべてのやる気をそぐタイプの香り…)。
 いずれこんもりと大きな木に育ったら、下にベンチを置いて、ぼんやり座って花の香りを楽しみたいです。


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2010年3月
息詰まるほど濃い緑に包まれたアンダワイラスにて。
いいところだったなあ、また行きたいなあ。


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 井戸水不足と炎暑のおかげで、かわいそうな草花の多くが枯れてしまいましたが、多肉植物や球根植物は元気いっぱいです。
 7年前にアンダワイラスから持ち帰ったブロメリアも、じわじわと四、五倍の大きさに育ったのちに、今年はとうとう花をつけました。


 あのときは、親切なタクシー運転手さん(右の写真)が崖の上のタンクブロメリアを取ってくれて、念のためひっくりかえして中の水を捨てたら、大きな大きなクモが這い出して、蜘蛛フォビアの宿六がまっさおになったのも楽しい思い出です(^^)

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 それにしても暑い!ので、ひきつづき目につく果物はぜんぶ凍らせておりますが、どうやらマンゴーがいちばん向いているようです。
 すじっぽさのないMango Kentを大きめの賽の目に切り、ライムをしぼって凍らせると、それだけでものすごく上等なマンゴーアイスクリームの出来上がりです。


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 おとといはまた、きれいな夕虹が東の空にかかりました。
 バレンタインの日の虹よりも色鮮やかでした。


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 まもなく夕焼けが始まると、赤一色の虹にかわり、それから夕焼雲に溶けていきました。

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三月四月は、夕焼けがとてもきれいな季節!

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 日暮れごろ音もなくやってくる、かわいらしいスズメガ。ルリマツリが大好物のようです。
 宿六はもちろんハチドリと勘違いしてました。


 毎年セイボ(トックリキワタ)のピンクの花が咲くころに、スズメガも来るようになり、夏深し、と感じます。
 この暑さも、あと少しの辛抱ですね。だといいな。



2017年6月14日(水) 午前1時半の室温22.1℃(ストーブつけてます) 湿度67% 外気温19.1℃ 曇り
<とうとう実生のアマンカイが…!>

 鉛色の冬のリマに咲く、太陽のようなアマンカイ(Hymenocallis amancaes)が、今年は少し早めに咲きはじめました。
 いつもはご近所のロマス Quebrada Verde から、「アマンカイが咲きはじめましたよ」と知らせがあって、もうそんな時期かと思うのですが、今年は庭から一歩も出ないで、それと気づくことができました。





 …そうなんです!長年うちで育てていた実生のアマンカイが、ついに開花したんです!
 長年も長年、なんとまるまる13年!かかっての開花です。


 たいていの球根植物は、実生だと開花までそうとう年数がかかる、とは聞いていましたが、まさか13年とは。
 タネを拾ったときの私ときたら、たったの40歳ですよ…
 この13年間のさまざまな出来事(大半は災難(笑))を、ついつい芋づる式に思い出してしまいます。



 三年半前にパチャカマックに越してきたときには、まだ十数本はあった実生苗ですが、アントワネットちゃんのニワトリに踏みにじられて激減…
 去年はわずか六本しか顔を出さず、それも葉っぱだけでしたので、私としてはもうほとんど花は諦めていました。
 ところが今年、その貴重な生き残りが花を咲かせてくれたのですから、嬉しさもひとしおです。


 (アマンカイのタネを入手した経緯については、下のほうに古い記事を再録しましたので、よろしかったらそちらもご覧ください)

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 霧雨の多い今年は、早々に五月からぽつぽつ芽吹き始めたアマンカイ。
 しかし、今年もやっぱり葉っぱだけみたい(生きててくれるだけで嬉しいけど、ちょっとがっかり)、と思っていた矢先…


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6月10日(土) 午後4時
 きのうまでは確かに何もなかったところに、とつぜん伸びあがったつぼみを発見!
 あまりの嬉しさに、しばらくは何も手につかず、オロオロするばかり…
 やはり13年はつくづく長く、万感胸に迫るものがございました〜


 (白い貝殻は、アマンカイの球根所在地の目印です、夏場は枯れて消えちゃいますので)

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6月11日(日) 朝8時
 つぼみがふくらみ、もの言いたげに口を少し開けていますが、まだ開花までは時間がかかりそう。
 市場への買い出しをやめて、じっとつぼみを見ていたかったですが、そういうわけにもいかず…
 やむなくこの子を残して外出。


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6月11日 午後2時45分
 できるだけ手早く買い物をすませ、急いで帰宅すると、ちゃんと満開にはならずに待っててくれました。


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6月11日 午後4時50分
 花びらも中心の副冠も開いて、アマンカイらしくなりました!
 たった一輪ですが、あたりにはアマンカイならではの強い香りが広がっています。
 早くも小さな羽虫たちが訪問中。


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6月12日(月) 朝10時半
 ミツバチもやってきました。
 そろそろ花粉も出てきたので、人工授粉しておきました。
 アマンカイは自分でしべを動かし、確実に受粉できるようになっているそうですが、念のため…


 これでいくつかタネがつけば、再び実生で育てる楽しみを味わえます。
 でもそれが咲くのにまた13年?…と思うと気が遠くなりますが(アマンカイは大丈夫でしょうが私はもたないかも)、次回はもう少し早めることができるかもしれません。


 今咲いているアマンカイは、長年アパートの吹きさらしのテラスの、乾ききった鉢の中、というたいへん厳しい環境におかれていました。
 アマンカイ関連の論文など見ると、球根の成長のためには、もう少し水を与えても良かったようです。


 今年急に咲いてくれたのも、おそらく二年続きの暑いエル・ニーニョのあいだ、ふだんより多めに水をやったのが良かったのかもしれません。

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アマンカイが咲いて、私のミニチュア・ロマスがついに完成!
(夢見ているものよりは、はるかに小規模ですが、今年のところはこれで満足)


 …でもこれ、夏はただの禿山になるんですよね。
 ほかに何か植えたいと思っても、自然のロマス環境にならって、夏場の水やりはしませんから…
 今年の夏みたいに暑いと、多肉植物ですら枯れてしまいます。


 今はためしに、てっぺんにティランジアをのせていますが、たぶんアマンカイと共存できるのはティランジアくらいかな…
 そのうち少し遠出をして、ティランジアを採取してこようと思います。
 (ペルーではティランジアは、買うのではなく取ってくるもの、です)


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6月10日(土) 午後4時
 さらに喜ばしいことには、もう一本のアマンカイにもつぼみがついていました。


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6月11日(日) 午後3時
 こちらもとつぜん、すっくと背を伸ばし始めます。一日でこんなに伸びるんですね。


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6月12日(月) 10時半
 先に咲いたアマンカイは、つぼみはひとつだけでしたが、これは二つ目のつぼみも控えています。うれし。
 アマリリスと同じで、球根がしっかり太れば、六つくらいは花をつけるそうですから、これからも毎年の成長が楽しみです。


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6月12日 午後4時
 こうべを垂れて、「もうすぐ咲きますよ」態勢に。


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6月12日 午後6時半
日暮れ後に開き始めました。


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6月12日 夜10時
 霧雨の中、懐中電灯を持って見に行くと、咲いていました!
 球根植物はどれも、とつぜん咲いてびっくりさせてくれるのが、最大の魅力ですね!


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6月13日(火) 朝
 起きたとたんアマンカイが気になって、また見物に。


 永吉君も携帯でパチパチ写していました。
 パチャカマック生まれで QuebradaVerdeには親族も大勢いるのに、なんと永吉君は一度もロマスを歩いたことがないそうです。
 アマンカイを見るのも、これが生まれて初めてだそうです。


 喜んでもらえたのは良かったですが、今年は休日にぜひ歩きに行くよう、勧めておきました。
 このぶんだと、今年はけっこうロマスの当たり年になりそうな、そんな予感もしますから。


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 きのう13日午後は久しぶりに晴れ、アマンカイも金色に輝くようでした。
 黄色の花はあまり好みではないですが、アマンカイの黄色には金属的な冷たさがあって、絶妙なんですよね。


 どこのロマスでも、アマンカイはみんな同じほうを向いて咲いています。
 一説によると、海霧が登ってくるほうに花を開いて、空気中の貴重な湿り気をできるだけとらえようとしている、のだそうです。


 うちのたった二つの花も、揃って海のほうに首をうなだれていて、なんだかけなげです。
 でもロマスより標高が低いここでは、今夜は霧雨は降りそうにないので、少し水を撒いておきました。
 来年は三つ四つと花を咲かせてくれるように、球根を太らせたいものです。



 ところで私の人生も、どうもいつまでたっても花芽がつかないのですがー、小さな球根でも13年かかるなら、ヒトの40年50年は誤差のうちかもしれませんので、も少し辛抱して修行を続けようと思いました。はい。
 そもそも魂には、年齢なんてないのですし、慌てることないですね。


★さて以下は、2004年の古い記事です。
 (さいきんはケチュア語に従って「アマンカイ」と呼んでいますが、当時はスペイン語式に「アマンカエス」と書いていました。そのままにしておきます)


2004年6月28日 一晩霧雨が降ったあとの朝 午前10時の室温19℃
<ロマスの季節到来! アマンカエスの花盛り>

 今年は、例年になく寒いリマ。
 毎日のように深い霧が出るので、このぶんだとロマス*は、今年はとても期待できるかもしれないと、ずっとそわそわしていました。

 (*ロマス:ペルー海岸部で冬季だけに見られる沙漠の花園)amancay0406-01.jpg


 5月のあいだは、さすがにまだちょっと早そうなので、出かけるのをがまんしていたのですが…
 きのう日曜日、昼をすぎても霧が晴れないのを見て、これはそろそろ若緑が芽吹いているかも…と、去年みつけた「名前不明のパチャカマックのロマス」へ出かけてみました。

 (→後年、Lomas de Jatosisaと呼ばれていると判明)

 8ヶ月ぶりのパチャカマック郊外は、去年とおなじに小鳥やオウムがたくさん群れていて、静かな田園のたたずまいに変わりはありませんが、少し別荘風の家がふえたようです。

 そして、だんだんと奥のロマスに近づいていくと、霧にかすんだ山肌に、レモンがかった黄色い花の群落がみえてきます。
 あれおかしいな、10月に満開になるオルティーガにしては、あまりに季節が早すぎるけど…


 どきどきしながら、さらに近づくと、美しい大輪の球根植物が、見わたすかぎり咲きそろっていて、そのときやっと思い当たったのです、「もしかして、これがあの有名なアマンカエスじゃないかしら?」と。

 アマンカエス(Hymenocallis amancaes)は、日本ではヒメノカリスの名前で知られている花の仲間で、かつてリマ周辺では、冬のはじめに、それはもういやというほど、いくらでも見ることができたといわれています。

 バルス**にもよく、「アマンカエスの花」とか、「アマンカエスの祭」「アマンカエスへの遠出」、といったことばが出てくるのですが、でもなぜか、リマで私が訊ねてみた人からは、みんなまったく同じ返事がかえってきました。
 (**バルス:そそくさとした早い三拍子の、ペルー独特のワルツ曲)

 「アマンカエスの名前は知っているけれど、そういえば一度も見たことないですね。
 どんな花なのかもわかりません、あれだけ有名なのだから、きっときれいな花なんでしょうけど…」



 バルスの曲が作られたころ、アマンカエスの大群落があることで知られていたという場所は、リマックのアマンカエス地区に、今でも名前だけを残しています。
 でもそこはすでに、地方出身者たちが、けわしい岩山もものともせず、質素な家々をぎっしり建てた新開地に変わっています。
 それはそれで、人々のエネルギーでいっぱいの活気ある雰囲気ですが、昔をしのばせるアマンカエスはもう一本も残っていません。


 アマンカエス地区からさほど遠くもない、ブレーニャ出身の宿六に聞いてみても、返事は同じでした。

 「♪アマンカエスの花を見に、バランコから騎上ゆたかに、ホセ・アントニオがやってくる〜」
 と、バルスの名曲「ホセ・アントニオ」の一節を、気持ち良さそうに歌ってくれましたが、やはりどんな花かは知らないそうです。


 でもきのうはとうとう、その幻のアマンカエスに、めぐりあうことができたようなのです。
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土から顔をだしてすぐのところで、大きな花を開いたアマンカエス→


 ただでさえ短いロマスの季節の、それもさいしょの数週間だけを彩る花ですから、茎や葉が伸びる間も惜しんで、大急ぎで花を咲かせるのでしょう。

 濁りのないレモン色の花は、どれも海から霧がのぼってくるほう、つまり私たちが車で入っていくほうを向いているので、まるで明るい無数の顔が、うつむきかげんにこちらを見ているようです。

 あたりには甘い香りが漂っていますが、さいしょはさほど良い匂いとは思いませんでした。
 菊の花のような、つんとくる匂いだからです。でもしばらくたつと、菊の香のまといつく粉っぽさとはまるで違う、ヒヤシンスや水仙に似た澄んだ甘さも、しだいに感じとれるようになってきます。


 まったく期待していなかったすばらしい風景に、「これアマンカエスじゃない? アマンカエスよね?」とひっきりなしにつぶやきながら、崩れやすい斜面を歩きまわり、ひとつひとつの花の顔を飽きずにのぞきこみ、1時間ほどを過ごしました。
 あんまり興奮して、しまいには頭やおなかがしくしく痛くなってきたほどでした。


 でも、ここ数週間、いろいろあって重苦しかった気もちのほうは、アマンカエスのすみきった色と香りのおかげで、すっかりきれいに消えうせてしまいました。

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 1837年?と書き込まれたRugendasの絵。
 6月24日に、リマックのアマンカエスを訪れた人々が、飲めや歌えやの楽しい一日をすごしたあと、思い思いに黄色い花で帽子をかざったり、大きな花束を作ったりして、賑やかに家に帰っていくようす。
 今ではバラックでいっぱいのリマックの岩山も、昔はパチャカマックのロマスのような風情だったのでしょう。



 家に帰ってすぐ、リマにまつわる古今のエッセイ集を探し出し、あちこち開いてみると、いろいろなことがわかってきました。
 アマンカエスは、毎年、洗礼者ヨハネの祭日、つまり6月24日ごろに咲きはじめ、花が楽しめるのはせいぜい7月なかばまで。
 ひとつひとつの花は、大輪でしっかりした姿をしていますが、わずか2,3日の命だそうです。


 きのうはまだ、たくさんの細い芽が、地面からすくすく顔を出していましたから、今しばらくは花盛りを見ることができると思います。でも、今年ご覧になりたいかたは、急がれたほうがいいかもしれません。
 ここは、リマに近いロマスの中では、自動車さえあれば、いちばんかんたんに行ける場所です。
 入場料も必要ありませんし、他と違ってほとんど歩かなくてすみます。
 また今はまだ、家畜の餌になる草は生えそろっていないため、家畜番の剣呑な犬たちも見かけませんでした。


 (残念ながらその後、ここは別荘地化が進み、夢のようにきれいだったロマスに至る道は、大きな門でふさがれ通れなくなってしまいました。
 ただ幸い、向かいのロマスQuebrada Verde(Lomas de Lucmo)では、ロマス保護と村おこしを上手に組み合わせ、現在はよく訓練されたガイドさんつきツアーで散策することができます。
 6月後半から7月はじめごろなら、みごとなアマンカイの群生も見られます)



 それにしても、知らないというのは、本当にこわいことですね…
 私は今まで、7月よりあとにしかロマスを見にいったことがなかったので、いったいいつ、有名なアマンカエスが咲くのだろうと、しんそこ不思議に思っていました。
 まさか、ロマスの季節の始まりを告げる花だったとは…


 ロマスの緑は、まだほんのわずか芽吹いただけで、それだけにいっそう、砂地にすっくと咲きそろったアマンカエスはみごとです。
 きのうは車がたったの三台ほどだけ来て、お弁当をひろげて静かに花を楽しんでいました。


 中には、腕いっぱいにアマンカエスをつみとっていく人もあり、その姿は、リマックのアマンカエスの、かつての6月24日の情景をしのばせてくれましたが、でも本当は、とってはいけないように思います。
 私もだいぶ迷いましたが、写真を写すだけにしておきました。
 昔はいくらでもあったアマンカエスも、今ではこうして辛うじて生き延びているだけ、保護活動もやっと始まったばかりだそうですので。


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 野生の花がこんなに大きく、美しいのには心を打たれます。
 一面に咲いたところは、誰かが花畑を作ろうとして、丁寧に植えたとしか思えません。
 …いえ、じっさいにこれは、パチャママ(大地母神)が植えたものなのでしょうけれど!


 太陽の色の花が、アンデスで太陽祭が開かれる6月24日に、曇り空のリマで咲き始めるというのも、偶然ではないのかもしれません。



 帰り道、すぐ近くの、パチャカマックの町外れにずらりと並ぶ園芸店で、「アマンカエスはありませんか?」と聞いてみましたが、どの店の売り子さんもまったく知らないようでした。

 撮ってきたばかりの写真をみせると、「アマリリスの仲間かしら、似たような花は知っているけれど…」と首をかしげます。

 「すぐそこのロマスに、今たくさん咲いているんですよ」
 「ロマス? ロマスってなんのこと? どこにあるの?」
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 ほんとうに、リマのほとんどの人は、ロマスを知らないようです。
 でももしかしたら、このままでいいのかもしれません。
 まさかとは思いますが、もし園芸店の人たちが、こぞって球根を掘りに行ったらたいへんですから、私も何も言わずに帰ってきました。


 明日は折よく祝日(聖ペテロの日)ですので、またどこかに行ってみようと思います。
 昔はたくさんあったという、紫や白のアマンカエスも、見つけられるといいのですが。



(白のアマンカイには、後年Atiquipa近くで出会うことができました。
でも紫のほうは、いまだに手がかりすら得ていません)


2004年7月14日 午後から快晴!(いったい何日ぶりの青空?) 夕方6時の室温20℃
<その後のアマンカエス>
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朝霧の中の、みずみずしいアマンカエス。


*6月29日(火)(聖ペテロの祝日)

 さいしょにアマンカエスをみつけた日から、二日後。
 わずか数日で、もっとたくさんのアマンカエスが花を咲かせ、また斜面の緑も、少し濃くなっていました。




 むかしアマンカエスの祭が行われていた、リマックのサン・フアン・デ・アマンカエス(アマンカエスの聖ヨハネ)地区に住む知人の話。
 彼女の家の向かいの丘に広がる、フロール・デ・アマンカエス(アマンカエスの花)地区は、今、うっすらと緑色に染まっているそうです。


 やはりこんなに霧の深い年には、リマのセントロ地区でも、昔は緑豊かなロマスだった場所が、ちゃんと息を吹き返すのですね。

 アマンカエス地区に住みながら、まだ一度もアマンカエスの花を見たことがない知人は、
 「たぶん、フロール・デ・アマンカエス地区まで行けば、今でも花が咲いているかもしれないわね。
 でもあそこは、悪い人間がたくさん隠れ住んでいる、という噂がある地区だから、こわくてちょっと行けないわ」
 と、残念そうに言っていました。


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2004年6月28日のロマス

 リマ市内から3,40分のドライブで、この景色。
 やっぱりリマの冬は美しいです!捨てたもんじゃありません。
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2004年7月11日のロマス

 これからは、アマンカエスとは入れ替わりに、緑がどんどん勢いを増してゆき、いよいよ本格的なロマスの季節の始まりです。

*7月11日(日)

 ロマスはすっかり若緑に染まり、遠目にはアマンカエスの鮮やかな黄色も、もうあまり目立たないほどです。
 上の6月28日の写真と、比べてみてください!


 花はそろそろしおれ始めていますが、地面からは、まだあちこち若芽が顔をのぞかせているので、おそらく今週いっぱいくらいまでは、黄色い花を見ることができるのではないかと思います。


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 花のあとのアマンカエス。

 球根を掘り出すのは、かわいそうでできませんが、いずれ種が熟したら、それを少し拾っていくのは許されるかな…?と思案中。
 アマンカエスは球根植物ですが、種でもふえるそうです。

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 水気たっぷりな7,8月には、かわいいキノコもたくさん顔を出します。

 と、当時は喜んでましたが、13年後の今は、芝にひっきりなしに発生する巨大キノコ群に往生してます…なんなんだこれは…

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2004年8月9日 もちろん曇ってます
<アマンカエスの実♪>
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一面のアマンカエスが、みんなころころした実をつけています。

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 アマンカエスの花どきの過ぎたロマスでは、今、アマンカエスのタネがたくさん実っています!
 きのう、そろそろ大丈夫かな…と、狙いをつけて行ってみたら、まさにタネどきでありました!


つやつやと美しいアマンカエスの実→

 文献には「アマンカエスは緑色の小さなタネをつける」とあったので、ごく小さなものを想像していました。
 だからこの存在感あるみずみずしいタネには、びっくりです。


 中には地面に落ちてすぐ、根を出しているのもあります。
 タネという以上は、来年まで地中で眠るのかと思っていましたが、ロマスはこれから水気の多い季節、もしかするとすぐに芽を出すのでしょうか???


 これは実験してみなくては…

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 みごとな黄色い花をしっかり支えていた茎が、今ではすっかり力を失い、たくさんの重い実を、そっと地面におろしてやっています。
 親心、という感じがします…



amancay0408-02.jpg ←実りの季節のアマンカエスのあいだで、楽しそうにさえずるピチタンカ。

 ピチタンカはすずめの一種で、リマ(それにアンデス地方)のどこにでもいる小鳥ですが、地味な姿からは想像できないような、きれいな歌声の持ち主。
 朝早くから夕方まで、澄みきった声で、「ピーーーーイ、ピイピイピイ!」と啼きます。


 ロマスの霧の中で聞くと、とりわけ神秘的でうっとりしますが、リマの騒々しい街中にいても、早朝ピチタンカの声が響いてくるだけで、どこか静かな農園にでもいるような気持ちになれます。
 あわただしい毎朝の、大きななぐさめです。
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きのうのデザート… ではなく、アマンカエスの実→

 本日より、わたくしめはアマンカエス鉢植え栽培計画に着手します。
 また追々ご報告いたします。


2004年9月28日
<アマンカエスの実、その後>
2004年10月25日
<アマンカエスの実、その後のその後>
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 8月9日に集めた、アマンカエスの実。
 台所の薄暗いところに、お皿に入れたままおいておいたら、1週間たらずで、みごとに全部、白い根が出てしまいました。
 なんという生命力でしょう! あわてて、ありったけの空鉢や、植木の根元にまいておきました。


 それから2ヶ月ほどが過ぎましたが、今のところ、ひたすら地中にむかって根を伸ばしているもようです。
 上の写真は、8月の終り、リマ近郊のロマスで写したものですが、今のうちのアマンカエスも同じような状態です。


 球根のタネというのは、アマリリスの場合のように、たとえタネが実っても、そこからはめったに芽が出ないことも多いとか。
 また出るにしても、数週間から一年はかかるらしいので、気長に待ってみようと思います。


 もっかの私の夢は、パチャカマックあたりに土地を入手し、ロマスからアマンカエスの実をたくさん拾ってきて、一面に植える、ということ…
 (一面に、とはいかなかったけど、この夢、小規模に実現してますね(^^))

 すっかり春めいてきたリマ、うちのテラスでは、ただいま赤いアマリリスと、薄いピンクのフクシアが満開です。
 ときどきハチドリもやってきて、緑と茶色の羽をきらめかせていきます。
 でも、なーんにも顔を出していない、たくさんのアマンカエスの鉢が、いちばん場所をとってます…


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 アマンカエスの実から出た根は、ひたすら地中にむかって伸びているようで、みるたびに実がしぼんでいくほかは、外からみえる変化はありません。

 でも、さきほど雑草とりをしていて、うっかりひとつ、ひっこぬいてしまったところ、根がだいぶ太くなっていることがわかりました。
 もしかすると来年の冬にここから葉を出し、少しずつ球根らしく太っていくのでしょうか?


 ごめんね不運なアマンカエス君。もうだめかもしれないけど、いちおう埋め戻しておきます。

2005年5月17日(火) 夜10時の室温21.5℃ 湿度77%
<実生のアマンカエス、ついに発芽♪>
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先週、うちの植木鉢からひょろりと芽をだした、きれいな黄緑色の葉っぱ。
…もしかしてこれ、アマンカエス?



 去年8月に、リマ郊外のロマス(もちろん自然保護区ではないところ)で、たくさん拾ってきたアマンカエスの実。

 あのときは、持って帰るとすぐ根が出はじめたので、大慌てでありったけの空鉢に埋め、それでも残ったのは、先住者のある鉢でもおかまいなしに、根元に数個ずつ落としておきました。

 さて、アマンカエスの実を埋めた鉢は、こういうふうに世話をしました(世話ともいえない世話ですが)。

@アマンカエス専用鉢に埋めたほうは、ロマスに近い環境を作るため、去年10月はじめに水遣りを停止。
 
(これ本当は、葉が枯れたあとも、1月ごろまでは少し水を与えたほうが、球根の成長には良いらしいです、次回はそうします!)
 夏のあいだはからからに乾かしておき、今年5月になってから、水遣りを再開しました。
 霧雨ていどの水、と考え、ごく控えめにやっています。


Aほかの植木に同居させたほうは、乾かしたら鉢の主が枯れちゃいますから、夏のあいだもごくふつうに水遣り続行。

 そして、まずはAのほうに、アマンカエスらしき芽が二本出てきたしだいです。
 夏じゅう水をやっていたら、くさってしまうかと思ったのですが、大丈夫だったみたい。

 (…でもその後、いつのまにか消滅しました…(-_-))

 しかし、私が使っている土は、蒔いた覚えのない植物がよく生えて来る、なんともあやしい素性の土…
 (リマで売ってるのは、今でもそういうのが大半です…)

 ですからこの芽も、ほんとうにアマンカエスかどうか半信半疑でしたが、今週になってアマンカエス専用鉢からも、そっくりな芽が出始めました。
 これはとりあえず、アマンカエスの芽と信じてまちがいなさそうです。


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 ついにアマンカエス専用鉢からも芽が!

 9ヶ月ものあいだ、こうしてなんにも生えていない鉢を、合計6個もテラスに置いていたので、かなり場所ふさぎでしたが、やっと注目を集めるときがやってまいりました。
 落ちている白い花は、たまたま隣に鉢があるジャスミン。
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 改めて去年ロマスで撮った写真を見ると、アマンカエスの群生の中には、このように細くて花をつけていないものもありました。

 実生2年めとか、球根が新たにわかれて育ちはじめたばかり、とか、そういう初々しい株だったのかも。

 アマンカエスは、葉っぱの明るい緑色も、魅力のひとつですね。

 球根植物を実生で育てるときは、花を咲かせる充実した球根になるまで、数年から長いものでは10年以上もかかるようです。
 だからたぶん今年は、葉っぱだけがぐんぐん伸びるのでは、と思います。気長に育てていこうと思います。


 今後もやはりロマスと同じに、水遣りと肥料は控えめに、というのが基本でしょうか。
 なにも資料が見あたらないので、手探りです。
 でもなんといっても同じリマの気候下ですから、水さえ気をつければ、あとは基本的にほったらかしで良さそうですね。


 (で、結局、このあとに続く11回の冬も、とうとう葉っぱしか出なかったのでした。我ながらよくあきらめなかったと思います)

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来月(六月)後半にはまた、こんな満開のアマンカエスに再会できるでしょうか。

 ちりちりと顔にふりかかる霧雨の冷たい感触と、アマンカエスの強い芳香は、この一年忘れることができず、おりにふれて思い出していました。

 日に日にお天気がわるくなり、憂鬱に感じていらっしゃるリマ在住者さんも多いかと思いますが、ロマス好きな私は、もう毎日嬉しくてなりません。
 やっぱりリマは、冬にかぎります!


 …という思いは、十数年後の今もまったく同じです。
 以上、2004年と2005年のアマンカイの記録でした。



2017年6月15日(木) 午前10時の室温21.1℃ 湿度66% 外気温19.3℃ 霧雨のち明るい曇り
<夏のおさらい>

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まだ暑かった4月。彩雲にふちどられた満月。



 先日は、実生のアマンカイ開花のあまりのうれしさに、ご無沙汰のご挨拶もなしに更新をいたしました。

 いえほんと、たいへんすぎるエル・ニーニョの夏でした。
 それが5月半ばを境に、今度はとつぜん真冬!になってしまい、体調もめちゃくちゃでご無沙汰とあいなりました。


 さて本日は過ぎし夏のおさらいということで、エル・ニーニョの猛暑の中、とても元気だった方々をご紹介します。

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 まずなんといってもルリン川!
 ルリン河口の3月の情景ですが、このみごとな濁流っぷり、沙漠が広がるペルー海岸部の川とは思えませんね!
 雨季のビルカノータ?…という感じです。空までリマには珍しい青さです。


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 ルリン河口。
 川も荒々しいですが、海も負けてません。


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 いろんなものを取り込みながら、アンデスから流れ下ってくる水は、栄養豊富で魚をひきつけるのでしょうね。
 ちょうど川水と海水が混ざるあたりに、無数の海鳥がむらがっていました。


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 いっぽう、わが家でいちばんお元気そうだったのは、熱帯睡蓮の皆さん。
 猛暑がたいへんお気に召したようで、フィルター池からこぼれんばかりの成長ぶりです。


 ちょっと前までは小さい写真のように、浮き葉も小さくかわいらしかったのですが、いまやちと憎々しいほど。

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 一輪咲くごとに大喜びしていた日も、すっかり遠くなりました……
 下からいくらでもつぼみが上がってきます。
 やはり温帯睡蓮の清楚さとはべつものですねえ…


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 この熱帯睡蓮はむかご種なので、葉っぱで増やすことができます。
 切り取った浮き葉を、こうして裏返しに水に浮かべておくと…


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 早くも二日くらいで、葉の中心のむかごが育ち始めます。

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 しかしこの夏は、もうその手間すら不要で、池の中で好き勝手に増殖してました。

 この枯れた浮き葉も、捨てようと思ってすくいあげたら、立派な子株がくっついていました。
 今にも咲きそうな紫のつぼみを、もう二つもつけています(矢印のところ)。おそるべき早熟睡蓮。


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 こういった子株が殖えすぎて、小さなフィルター池にはもう入れるところがありません。なんと贅沢な悩み。
 (残念ながら広いティラピア池はだめで、試しに三株沈めたら、即日食い尽くされました…)


 こうなったら新しいミニ・スイレン池、作りたいです。
 水タンクでも地面に埋めこんで、かんたんにできないか検討中です。


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 前に水槽で余ったキンギョモを、何の気なしにフィルター池に数本放り込んだら、それも大増殖してしまいました。
 おかげで水中がよく見えませんが、たまにチラリ…と姿を現すコメット君、小さなコイなみに育ったようです。
 ほんとになんでも大きくなりますね、ペルーでは。


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 ティラピアたちも、言うまでもないですがよく育っています。
 この夏、「水中用ソーラー照明」なる便利なものを見つけ(@米国amazon)、いくつか取り付けてみました。
 水中の葉っぱのように見えるのが、大小さまざまなティラピアです。やはり勝手に殖えてます。


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糸杉も、配線不要でお手ごろなソーラーライトで照らしています。
最近のはだいぶ長持ちするようになって、わるくないです。



 ティラピアは気が小さいくせに、明かりが好きらしく…
 夜中にそっと見に行くと、大きな魚たちが明るいところに集まって、ヒレと口をぱくぱくさせながら、音もなく水中ホバリングしています。


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かなりシュールな光景です…
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 昼間はこんな感じ。
 エサ兼同居人のプラティたちも、負けずに殖えています。


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 二年続きのエル・ニーニョの猛暑を、猫たちもけっこう元気に乗り切ってくれました。
 ご高齢なので(ヒトなら80代)、小さな心配事はちょいちょいありますが、いつも食い気旺盛なのが心強いです。


 今はぐっと寒くなり、毎日じめじめしているので、数日おきに猫乾燥機…じゃなくて布団乾燥機で乾かしてやっています。
 特にお世話係が外出する日は、早朝から布団をしっかり乾かして、猫たちが余熱でくつろげるようにしています(笑)


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 猛暑に加えて井戸水不足で、この夏、丹精の芝をあやうく枯らすところでした。

 (各地で洪水が起きる中、井戸水不足というのも変ですが、パチャカマック界隈の地下水位が急に下がったのには、理由があったらしく…
 近所にできたテレビ会社の巨大撮影センターで、大量の地下水を違法に汲み上げ、そのまま捨てているせい、とのもっぱらの噂です)


 でも木々は意外に大丈夫でした。
 むしろ糸杉やオリーブ、ナツメヤシ、ローズマリーなどの地中海組は、例年より元気そうでしたし、中国出身のビワ君もひとまわり大きくなって、今は良い香りの花が満開です。


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 まるっきりダメだったのは、輸入タネから育てた草花です。
 春先にあんなにがんばって発芽させたのに、猛暑でほとんど消滅… 裏の小山にあれこれ植えた苗も、すべて夢と消えました。


 今度ばかりは懲りたので、これからは球根植物とサボテン、ティランジアだけにしようと思います。
 ありふれたゼフィランサスだって、元をたどれば堂々たるペルー原産種。
 一面に咲いたら、アマンカイに負けないくらいきれいですもんね。


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 気絶しそうな陽射しの下、例外的にしぶとかった草花は、セリンセ(現在こぼれ種で大復活中)と、銀色のセントリナ。
 やはりどちらも地中海組ですね。
 セントリナは、昨冬いいかげんに挿したのがみな根づき、猛暑も悠々と乗り切ってくれました。もっとふやそっと。


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 マンゴーも暑さが幸いしたのか、今年は例年より、出回る季節が長かったような気がします。
 底値はキロ2、3ソル(100円以下)だったので、山のように食べましたが、そのつど冗談でタネを水栽培していたら、すべて育ってしまって少し困っています。


 マンゴーのタネは、白いカラのふちをハサミで切って、中の子葉を取り出してやると、かんたんに発芽します。

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こんな感じにすぐ葉が出てきます。

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 そして数週後には、ミニ観葉植物のできあがり。
 これから夏を迎える日本のみなさま、ぜひお試しを。


 しかし考えてみると、今年の猛暑の中、いちばん元気で殖えまくっていたのはモナルカ蝶でした。
 お話が長くなりすぎるので、それは後日、別のページにまとめます。



2017年6月23日(金) 午後8時の室温24.7℃(ストーブついてます) 湿度64% 外気温19.2℃ 久しぶりの快晴のち曇り
<その後のアマンカイ>


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 先週、十三年目にして開花した実生のアマンカイ(Hymenocallis amancaes)。
 今は花も終って、タネが太り始めています。


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 三つめの花が開花した日…
 例の干物かごのモナルカ蝶(オオカバマダラ)も、一頭羽化してくれました!!
 それも落ちついたメスだったので、ちょっと花の上でポーズをとってもらいました。


 (羽化後のオスは、外に出してやるとじきにそわそわ飛び去りますが、メスはみんな半日以上、同じ場所でじっとしています。
 メスは慎重なのでしょうね。人類と同じですね)


 今年、わが「パール金属干物かご」で羽化したモナルカ蝶は、このメスを入れてなんと65頭。うーん、なかなかのものじゃないでしょうか?
 モナルカ蝶が殖え、アマンカイとマグノリアが咲く庭…というのが私の夢でしたが、とりあえず前の二つは実現してしまいました。


 とはいえ夏のモナルカ蝶と、冬のアマンカイの花を、まさかいっしょに写せるとは!
 そこまでは期待していませんでした。思いがけない天からのプレゼント。


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記念撮影のあと、トウワタの茂みで解放された第65番。
翌朝までここにいました。



 今年はモナルカ蝶がほんとによく殖えて、夏のあいだずっと、いつ窓外に目をやっても必ず一匹は飛んでいる、という風でした。

 すっかり寒くなった今も、ちょっとでも空が明るむと、どこからともなく現れます。
 いまだに幼虫も庭のあちこちで見つかりますし、干物かごにも、羽化待ちのさなぎ二つと幼虫一匹が残っています。


 果たして何月までこの調子で庭にいてくれるのか、あるいは卵か蛹で越冬するのか…
 よく見ておこうと思います。


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 今うちにいるモナルカ蝶の多くは、夏中飛び古してぼろぼろになったもの。
 それでもメスは、まだせっせと産卵しています。


 右が羽化したての、つやっつやの65号。
 左と比べると、同じ地味なメスでも、ずいぶん色の彩度がちがいます。…うっ、身につまされる。


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 この春夏、モナルカ蝶の食草のトウワタ不足には、だいぶヒヤヒヤしました。
 そこで今、次の夏のためにせっせと苗を作っています。
 (でもきっと、食料を増やした分だけきっちり幼虫も殖え、結局トウワタは不足するんですよね、世の中ってそういうものですよね)


 黄色や赤のトウワタは、リマの公園で拾ったタネ。
 左の大きなのは、南アジア原産のトウワタ(Calotropis gigantea)です。
 タネをまいてもなかなか育たず、かろうじて一本だけ生き残ってくれました。


 末は4、5メートルほどになって、紫の花をつけるそうで、とても期待しています!
 大きな葉は食べでがありそうですし、厚みがあるので幼虫がぶらさがって蛹化もできるとか。
 モナルカ・レストランには理想的です。
 このへんの幼虫も食べてくれるのは確認済みですから、あとは花が咲くのを待つばかり。


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しーんとした曇天の毎日、寂しいので庭先のウェルカム鉢を模様替え。


 霧雨でいつもしっとりと土が柔らかく、日焼けの心配もなく、庭仕事にはもってこいのリマの冬。なのですが…
 要注意なのがヒアリ(火蟻)です。


 先日NHKで、「日本にヒアリ初上陸か?!さあ大変、困った、怖い!」…というニュースを見ましたが、そんなんうちの庭にはいくらでもいます!と威張ってどうする。
 (もちろんアマゾン方面の殺人的ヒアリではなく、も少しおとなしい小型種と思いますが、写真を見たくないので調べてません)


 ヒアリの一刺しは強烈で、すぐ真赤に腫れあがり、イラクサのような痛みが何日も続きます。
 また運悪く巣のあたりをつつきでもしたら、うわ〜っと無数に湧き出してきたのが足を伝って這い上り、ところかまわず刺し始めます。
 完全に恐怖映画状態です。


 そうなったらシャワーに飛び込むしかありませんが、私たちはもう慣れっこで、気付いたらすぐ一目散に逃げますので、数か所刺される程度で済んでいます。

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 昨年から作り始めてみた野菜は、ケールがうまくいって味をしめたので、この冬はもう少し手を広げてみるつもりです。
 いま新しいミニ菜園の開墾?中。


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 霧雨を利用して、いろんな苗を育てています。
 ケールのほかに、ブロッコリー、ロマネスコ、ホウレンソウ、アスパラガス、芽キャベツなど。
 (シロチョウたちがさぞ喜んでおることでしょう…)


 アスパラガスは収穫まで三年計画ですが、ペルーの特産品だし、ご近所の農家でも作っているので、たぶんうまくいくことでしょう。

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 さいきん新しく植えたのは、モリンガの木。
 インド方面原産で、乾いた土地に向く、とても成長の早い木だそうです。


 ということなら、内門の外の、いつもカラカラで殺風景な通路にぴったりかも?と、ワラルの農家から仕入れてきました。
 たっぷり水を含んだ太い根がついています。


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それにしてもこんな荒地で、この棒切れ群が育つのでしょうか…少し不安…

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心配するほどもなく、葉が出はじめました。
(井戸から出た石を、きちっと並べてくれたのは永吉君。
何かの遺跡みたい…)


 さっそく、血糖値高めの永吉君夫妻がグリーンジュースに使いはじめ、なかなかいい感じだそうです。
 血糖値やや低すぎのわが家でも、葉をオムレツなどに入れています。
 くせのない味で、じゅうぶん野菜として使えます。


 スーパーフードだそうですけど、少なくとも目の疲れへの即効性は私も実感しています、貧血にも良さそうです。

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 モリンガも熱帯スイレンに負けずに早熟で、もう花が咲き始めました。
 かすかに甘い香りがします。


 この木々がここでフサってくれたら、かなり通路の印象が変わりそうです。楽しみ!

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 リマの冬はいくらじめじめ寒くても、気温の上ではやっぱり春ですね。
 「ペルーナイト洋梨」など、早くも満開となりましたよ!秘密結社ペルーナイトのみなさん!


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「さ〜て、味見、味見…」
…と嬉しそうな、指先ほどの小さな黄蝶。



 花と緑でいっぱいで、蝶も飛びかう静かなリマの冬を、おかげさまで今年も楽しんでおります。
 ときどきヒアリに刺されつつ……(-_-)



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