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2014年1月2月の「一服いかが?」



2014年1月2日(木) <お正月は終った…>

2014年1月11日(土) <2時間 & 13時間45分の停電>

2014年1月18日(土) <トラブル多発日記@パチャカマック>

2014年2月1日(土) <「すぐやる課」暴走事件>

2014年2月20日(木) <とどめの一撃…(-_-)>


2014年1月2日(木) 午後10時半の室温25℃ 湿度73% 曇り
<お正月は終った…>


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 パチャカマックは大晦日も快晴でした。

 日が陰ると外に出て、裏庭の瓦礫の山に少しずつ植物を植えています。
 でもまだぜんぜん足りません。


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 そこで近所の園芸店へ。
 大晦日の夕方、さすがに開いている店は少なかったです。


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 お店の人いわく、
 「どうせ植物の世話をしないといけないので、ついでに店を開けていますが、仕入れ先が休みであまり種類は揃ってません。
 多肉植物も、年明けにもっといろいろ持ってきますから」とのこと。
 いえ、けっこう揃ってると思うんですけど。


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 2013年さいごのお買い物。
 右の灰青色のイチュの一種(イネ科)は、あと2ダース注文してきました。
 パチャカマックは緑が多すぎて、ときどき頭がくらくらするので、灰青色の草をたくさん植えて、目の休まる空間を作ろうという考えです。


 同じ理由で、青など寒色系の花をだんだんに植えていきたいのですが、無精な私には手のかかるものは無理。
 薬草園?もすでにジャングル化、勝手に枯れたり増えたりして、手に負えなくなってるくらいですから…


 そこで、手入れは花がら摘み程度ですみそうな、ルリマツリを二株購入。
 あちこちに水色の茂みを作れたらいいなと思うのですが、どうなるかな…


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 松葉のリースは、あっというまにカラカラに。
 強烈な日光のせいで、青いボールも数日で色を失いました、びっくり!
 (ひとつだけ青いのは、裏返したからです…)


 これだからいやなのよ、夏のクリスマスは。

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 一昨年、東京から持ってきた小さなお飾りは、玄関先はやめて、日の当らないところに…
 次はいつ購入できるかわからない貴重品ゆえ、リースみたいにあっさり褪色させるわけにはいきません。


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 ペルーではみなさん、クリスマス前夜と大晦日は深夜に重い食事をとりますが、うちは大晦日は夕方5時にワインをあけました。
 これなら酔いが醒めてから休むことになるので、身体に良さそうです。来年からもそうしようっと。


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 今年のパネトン、もといパネトーネはミラノ産なので、料理もいちおうミラノ風に…
 オッソブーコを古風に煮込み、つけあわせはリゾットだと暑いので、お米型パスタをサフラン風味で。
 あとは水牛チーズ入りサラダとプロシュート(…うーんやっぱり生ハムはスペインのほうが好き)と、オリーブ、パン。
 簡単で楽をしましたが、宿六はじゅうぶん喜んでいました。



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 大晦日はクリスマスよりは賑やかでしたが、リマ市内とは比べものになりません。
 (写真の花火は数枚を合成)。
 おおむね静かな夜でした。


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 それでも花火のあとの煙は、まるで戦場みたい…
 ふだん9時10時には寝静まる小さな家も、この晩は明け方1時ごろまで灯りがついていました。


BEFORE
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2013年1月のわが家…


 昨年1月には、恐ろしいような荒れ地だったところに、自分でテキトーに線を引いた通りに家が建ち…

 2013年はまさに「女は度胸と決断力!」の一年でした、われながらけっこうがんばったのかな…と思います。
 なので、少しは嬉しいお正月になるかと思いきや…


 どういうわけか、達成感がまったくありません。
 家もすでに五、六年は住んでいるような気分で、新鮮味もふしぎなほどありません。


 しょせん家なんて、人と家具と猫の入れものにすぎないから、なんでしょうね。
 人生の目的ではなく、ただの人生の入れもの。
 すべては、これからその中で何をしていくかにかかっている、ということなんだと思います。


AFTER
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2014年1月のわが家。
スーツケース二個でやってきたペルーに、とうとう門を構えました。
なんて言ったら亡き祖父は喜んでくれそうだなあ…


 さて、ひとり反省会です。2013年の目標、その結果は…
  1)家を建てる→○
  2)ペルー国内旅行→×(そんな時間なかったす)
  3)宿六の再教育(質問に質問でこたえる癖を矯正する)→×××
  4)今年も逃げ切るカラスのあしあと→○


 宿六については諦めました、男性は(世間の男性は知りませんが少なくともうちのは)結局どこまで行ってもコドモ、お母さんにぜんぶ決めてもらわないとだめなのね…
 手がかかるのは一生変わりそうにないですが、鋏となんとかはなんとやらで、使えるところだけ使いこなし、うまく自分の時間を作っていくほかないと悟りました。


<2014年の目標>
  1)しっかり身体を休める。これ急務のようです〜
  2)雑念を捨てて絵を描く。
  3)草木を植える。猫をかわいがる。


 半隠居ですな。
 カラスのあしあと(目じりのしわ)は、どうも出にくい骨格?らしいので(こうまで丸いとね…(-_-))、これからは気にしないことに決めました。


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 新年早々の気がかりは、ルリン川の水がなかなか増えないこと。
 こんなふうに、ただの水たまり状態が続いています。
 今週末、ねんのため井戸をあと50センチ、掘ってもらうことにしました。


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 日本のみなさまは、どうぞ五日まで楽しいお正月をお楽しみください…(T_T)

 私もせめて二日までのんびりするつもりでしたが、アントワネットちゃんがどうしても掃除したいと言うので、お正月気分はあっけなく一日でおしまいです… あー今からでも東京行きたい。


2014年1月11日(土) 午後1時の室温26℃ 湿度74% 雲の多い晴れ
<2時間 & 13時間45分の停電>


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 お正月が終ってもまだクリスマスが続くこの感じ、いまだになじめません。
 でも、パチャカマックあたりではあまり飾り付けをしないので、リマ市内のイルミネーションが例年よりもきれいに思われました。


 それにしてもつまらない年末年始でした。
 宿六はクリスマスに引き続き、新年3日の結婚記念日もきれいさっぱり忘れていたため、私の不興を大いに買うことに。
 それでこのところ妙〜に良い子ぶって、引越し以来ずっと聞き流しにしていた雑用を、急にばたばたと片付けています、どうせ長続きしないだろうけど。


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 良い子ぶりっこの一環で、とつぜん修理が始まった古家具。

 ペンキをはがしてニスを塗るだけの単純作業、遠方のエステバン師匠にわざわざ来てもらうのも気の毒なので、徒歩3分のところに店を構える家具職人、ペドロさんに依頼してみました。

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 仕事はてきぱき進んで、木目がきれいに見えるようになりました。
 ペルー人って、どうしてこんなに働き者が多いのでしょう…


 このところ私めはお年頃なのか去年の疲れなのか、座っているのも辛いような日が多く、へこんでおりますが、まわりの人たちがあまりにせっせとよく働くので、いよいよ罪悪感が募って困るのであります。


 ところでこのペドロさん、思わぬ大役を果たしてくれました。

 先おとといの1月8日、夕方ちょっと停電がありました。
 幸い2時間ほどで回復しましたが、そのときペドロさんがふと言ったのです、
 「そういえば明日も、このへんは半日電気ないですよね?」


 ええっ、ほんと?! 電力会社にすぐ問い合わせると、今夜(明け方2時)から明日の午後3時まで、施設の点検のため13時間も停電になるのだとか!
 な、なんで真夏の昼間にそんなことするの〜っ?!


 小さな家のアントワネットちゃんは、「ちょうど最後のお肉を解凍したところだから、うちはぜんぜんオッケー」と余裕ですが、私は前の日曜に2か月分のお肉を購入、猫用シチューも大量に作って、ぜんぶ冷凍したばかりなのです。
 しかもすでに停電7時間前…


 しかたないので、停電中の朝・昼は、小さな冷蔵庫だけ開ければ料理できるように準備し、また温度設定をカンカンに低くして、できるだけ冷やしておくようにしました。
 あとは、ありったけの保冷剤を凍らせておくくらいしか、打つ手はありません。


 さて翌日は、家じゅうの家電が止まって、し〜んと静まり返っていました。
 実に田舎らしい良い雰囲気ですが、私は冷蔵庫が心配でいらいらいらいら…
 こういうとき、あわてず騒がず穏やかに笑っていられるペルーの人たちがうらやましいです、この手の小さな災難や不便には本当に強い人たちです。


 待ちかねた停電終了は午後3時の予定でしたが、3時45分には電気が戻ってきましたから、まあ上等ですね。
 すぐ冷凍庫を開けてみると、保冷剤が威力を発揮し、食品はすべてカチカチに凍ったまま。助かりました…
 知らせてくれたペドロさまさまです。


 電力会社の話では、「計画停電の48時間前までに各戸に通知を配っております」というのですが、うちはまだ門に郵便受けも呼び鈴もないものだから、素通りされてしまったようです。
 急遽ペドロさんに、郵便受けも作ってもらうことにしました。


 そのうち発電機や太陽電池板も、ちょっと調べてみようと思います…

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 かくして停電騒ぎはぶじ終りましたが、水道サービスにも問題が。

 夏になって以来、パチャカマックでは朝8時から夜8時までしか水道水が届きません。
 うちは地下水槽があるので気づきもしなかったのですが、小さな家では夜間はバケツに溜めた水でしのいでいたそうです(それ早く知らせてよ!…不便に強い人たちだから、黙ってがまんしちゃうんですよね)
 そこで本格的な暑熱が始まる前に、急ぎ水タンクを設置することになりました。


 写真は小さな家の横に、今週猫番君と井戸君が作った水タンク用の柱です。
 来週中には完成の見込みです(たぶん)。


 (…猫番君、こんなジュースの空き瓶までしまいこんでるのね…
 本当は処分してほしいけど、目隠しの生垣が大きくなったから、まあいいとしますか…)


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 さてお次は、水タンク工事を優先したため後回しになった、井戸の掘りなおしです。

 井戸君によると、さいきん水の出が悪かったのは、ちょっと前にあった地震で土の内壁が崩れたせいかもしれない、とのこと。
 そこで今回は、掘り起こすと同時に、もう少し下までセメントで内壁を塗ることになりました。


 昨晩は、井戸君と弟君、夜中すぎまで仕事していました。
 宿六はさっさと寝てしまいましたが、私から見ればほんの子供にすぎない二人が、真夜中に深い井戸で働いているわけで…
 何かあったら大変なので、なんとなく起きて気にしていました。


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 ところで、この年末年始、宿六は奥さんへの気配りのみならず、草刈りもさぼり勝ちでした。
 おかげで手に負えない草丈になってしまい(芝って自然状態では何センチまで育つのでしょう…?)、フランクリン君のところの「ジャッカル君」にまた来てもらう羽目に。
 これも二日がかりの大仕事、今週は人だらけでにゃんとも落ち着きません。


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 草刈りのあとを見回る、アントワネットちゃんが娘より大事にしているニワトリたち。
 (あ、その娘のヨシコちゃんですが、このたびめでたくオールAの成績で小学校を卒業しました)


 小さな家のおんどりは、来るなり主人顔で、めんどり二羽を引き連れご満悦のようす。
 ほんとにいや〜ね、オスという生き物って。


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 アパートから持ってきたサボテン「サン・ペドロ」に、さいしょの花が咲きました。
 こんなに切り詰めちゃったのに、よくまあ花をつけてくれたものです。


 (日本語で「サボテン、サンペドロ」と検索すると、幻覚を見たがってる方々のページばかりヒットしてちょっと笑えます…当地ではほとんど雑草なんですけど…)

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 じわじわと這い上がりつつあるオオイタビ。ひと夏でどこまで育つかな。

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 草刈りに来てもらうついでに、1メートルくらいのプルメリアも持ってきてもらいました。
 もうつぼみがついているので楽しみです。
 中が黄色く、ふちがピンクの品種のはずです。


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 いまだに目覚めないハカランダは、あとしばらく様子を見ることにして、別にもう一本植えました。

 このプルメリアもハカランダも、私がちょっとつぶやいたら、宿六が速攻で注文。
 でも今さらいくら機嫌をとってもムダ、今年からはクリスマスは廃止と、もうはっきり決めました。
 毎年12月24日は私の台所休みの日とし、宿六には実家にでも行ってもらいます。以上おわり。


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 藪と化してしまった元・薬草園。

 バジル(左下)などは、食べるひまもないうちに、花だらけにしてしまいました…
 いまさら手遅れと思われますので、タネで勝手に増えるのを期待して、ほうっておきます。
 私に畑仕事が向いていないことは、よーくわかりました。


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 きのう1月10日、夕日に染まるロマスの上に、きれいな虹がかかりました。
 あまり雲はなかったのですが、夕方から夜にかけてばらばらと大粒の雨が降りました。
 アンデスの雨のおこぼれです。


 さてきょう土曜も、井戸掘りと草刈りは続行、また年末から水漏れしているお風呂場もどうにかしないとなりません。
 思い返すに、都会のアパート暮らしは、やっぱりとても楽でしたわ!!


 …と、書いているあいだにも、新たな問題発生。
 井戸のモーターが動かなくなり(従って今日は井戸掘りはできません…orz)、小さな家のコンセントも今朝から使えないとのこと。
 おそらくは電力会社が配電盤をいじって、まちがった接続をした模様。
 夕方R君が見に来ることになりました、これでまた一日終りそうです、やれやれ。


 このように、たいへん落ちつかない新年第二週でありました…
 でも問題が起きるたびに、ご近所の顔見知りが増えていくのはありがたいことです。



2014年1月18日(土) 午後10時の室温27℃ 湿度73% 大粒の雨が降っています〜変だ〜
<トラブル多発日記@パチャカマック>

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 「おっかしいなあ、なんでモーター動かないのかな?電気は来てるのに…」
 鳩首凝議するアントワネットちゃん、井戸君、R君弟(ニューフェイス)。
 (まだ会ったことのなかったR君弟、またひとりクリアしました!)



1月11日(土)

 なぜかとつぜん、井戸のモーターと小さな家のコンセントのみ使えない、という状況に陥りました。
 わが家のほうはまったく問題ないのに、いったい何が起きているのでしょう?


 午後R君が来て点検するも、
 「これは電力会社(Luz del Sur)の問題です、必要なだけの電圧が来ていないので、僕には何もできません。電力会社に直してもらってください」
 と言って、さっさと帰ってしまいました。


 そこで午後6時、Luz del Sur に連絡。
 「5時間以内に担当者を派遣します」というので、じ〜っと待っていましたが、夜11時過ぎても誰も現れません。
 再度電話すると、「点検作業が多く遅れていますが、あと3時間以内に行きます」とのこと。


 もう夜中ですし、これはもう来ないね〜と眠りかけたところ、びっくり!本当にやってきました。
 時計を見ると零時半。
 ところがなんとも腹立たしいことに、Luz del Surのせいじゃないことが、判明したのです。
 内部の配線に何か問題があるのでしょうと、指摘だけされてこの日は終りました。R君〜〜〜っ!


1月12日(日)

 早朝からR君に電話でやいのやいの言ってみたものの、どうしても今日は来れないとのこと…
 井戸の水が撒けず、芝がだんだん乾いていくので、気が気ではありません。
 かわりにひさびさのel Che君を捕まえ、談判の末、夕方5時にやっと来てもらえました。


 しかしそれからが長かったのなんの…なんと午前1時前までかかりました。
 さいごには el Che君の彼女(アルゼンチンから来秘中)が、やきもち焼いて様子を探りに来たりもしました(笑)


 でもこれで何とか、井戸のモーターと小さな家のコンセント(の一部)は使えるようになり、芝は緑を取り戻したのですが…
 臨時の配線がそこらじゅうにのたくった危ない状態のまま、18日(土)まで放置されることに。


 R君、次回のパチャマンカには、もう呼ばないからねっ

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 「うーん、おかしい、本当に動かないなあ…」
 友人といっしょにやってきた、ひさびさ登場のel Che君(右)。


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「うーんわからない…」

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「うーんわからない……」

この調子で7、8時間が経過…


1月13日(月)

 疲労困憊のところ、午後1時間ほどまた停電…
 El Che君が何かやらかしたか?!と慌てましたが、近所でも騒いでいたのでふつうの停電?だったようです。
 ああよかった、と喜ぶのも変ですが。


 ペルーに来ていらい、こんなに停電ばかりなのは初めてかも。大丈夫かペルー?
 度重なる停電のせいで、この日、ついに衛星テレビのモデムがこわれました。
 おかげで宿六が好きなオイコノミア、一回見逃しました。


1月14日(火)

 一難去ってまた一難、朝11時に今度はとつぜんの断水!
 結局このときから17日(金)の朝まで、小さな家ではバケツに溜めた水だけで暮らすことになります…
 宿六は、ひまさえあれば水道会社SEDAPALに電話し続けていましたが、どうにも埒があきません。


 午後、小さな家のヨシコちゃんが「夏休み教室に行きたくない」とゴネている、というので、母娘をうちに呼んでしばらく世間話。
 人には干渉されたくないけどかまってほしい、という微妙なお年頃のようです。
 いろいろ話してあげると、数日は上機嫌らしいので、かわいいものです。


 そのあとDIRECTV来訪、壊れたモデムを新型にかえてくれました。
 Luz del Sur と DIRECTV は、けっこうちゃんと働きますね。
 しかし水道のSEDAPALは…… 回答すらないまま、この日は暮れてゆきました。


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 猫番君の甥っ子軍団の中で、いちばんの優等生は井戸君(左端)。
 井戸はあと50センチほど深くして、内壁もセメントで塗り直して、たっぷり水がたまるようになりました。
 ついでに果樹の剪定も、ちょっとしていってくれました。良い子だなあ…


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世間は夏休みのようなので、朝顔を植えてみました。


1月15日(水)

 小さな家の水は、まだ戻ってきません。
 午後、SEDAPALに何十回目かの電話をすると、
 「昼ごろ検査に行きましたが、どこも問題ありませんでした、水道水は供給されています」
 などとぬかすのですが、でも現に水はないのです!


 呆れかえって、「検査に来たとき、なんで本当に水が出るかどうか確認しなかったんですか?」と問いただすと、
 「当社の検査係には、顧客への連絡義務はありません」…
 な、なんなのそれ?それじゃ検査の意味ないじゃない?!


 やむなく苦情を入れ直しましたが、
 「何時頃行けるかわかりませんし、係員がそちらに伺うとき、事前に知らせることもできません」
 との返答。ここはもしやスペインですか〜っ?


 結局、とっぷり暮れても水は出ず、SEDAPALからは音沙汰もなく…
 しかし夜7時にしつこく電話して、新事実発覚。
 「大通りの水道管が破裂して、ただいまパチャカマック一帯は断水中です」
 ああそうなのかと一瞬納得しかけましたが、でもでもそれって今日起きたことで、きのうからの断水とは関係ないですよね???…どうもおかしい…何かがおかしい…


 夜10時、またSEDAPALに電話。
 「水道管破裂は順調に修復が進んでおります、まもなく全面復旧の見通しです。
 しかしご存じの通り、パチャカマックでは配水は朝8時〜夜8時のみですから、本当に水が戻ったかどうかは、明朝までご確認いただけません、ハイさようなら」
 ……orz



1月16日(木)

 朝のうち、30分ごとに小さな家に確認しつづけましたが、いつまでたっても水は出ません。
 うちの地下水槽だって、せいぜい4,5日しかもちませんから、私もバケツに水を溜め始めます…


 もちろんこの日も、何度も何度もSEDAPALに電話しましたが、何度聞いても「現時点では通常通り配水が行われております」との回答。
 でも水は確かに来ていません。おかしい…何かがおかしい…


 午前10時、ふとひらめいて、宿六を門外に派遣(日焼けするので私は家から遠隔操作)。
 そして、SEDAPALからの水の取り込み口の、重いセメント板をえいやっと開けてもらうと…
 …にゃんと!!うちに水が入らないようにバルブがきっちり閉められていたそうです!
 それをちょいとひねったら、たちまちわが家に流れ込む水道水…


 やっとわかりました、火曜に水道管掃除かなにかにやって来たSEDAPAL社員、いったんバルブを閉めて掃除して、でも再び開けるのを忘れて帰ってしまったようです。
 しかもそこに水道管破裂という本当の断水騒ぎが重なったせいで、係員はそのあと何度見に来ても、初歩的なバルブのチェックを思いつかなかった、ということのようです、嗚呼。


 水撒きをしていたアントワネットちゃんを、シャワーを浴びにただちに帰宅させます。
 …しかしわずか二時間後、また断水!!
 今度はまずバルブを見に行きましたが、異変なし。近所の人も騒いでいたので、本当の断水のようです。
 ああそれならよかった、って喜ぶところじゃないですが、こういうときはみんな一緒のほうが、まだ安心ですね…


 結局この日は二時間水が届いただけで、すべてが平常に戻ったのは、やっと17日(金)の朝でした。
 これだから、早く水タンクを仕上げないと困るのですが、猫番君も忙しくてなかなか手がまわらないようです。
 小さな家の人たちが、アンデス式に大らかに構えてあまり気にしてないのが、まあ救いではあります。


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 猛烈な陽ざしの下でも元気なルリマツリ。

 でもこの夏は、なんだかお天気とっても悪いですね。
 今年はアンデスの雨が一か月は遅れ、いまごろになって突然猛烈に降リ始めているそうです。
 その影響がリマにも及んでいるのかもしれません。
 曇ってじめじめした毎日で、どうもおかしいです。


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 ブッドレアはあっというまに私の背丈くらいに育ち、ヘリオトロープを薄めたような、粉っぽい香りの花を咲かせています。
 でもチョウチョはまだ来てません。



 先週はずっとこんなで、プリミティブな心配で神経すりへらしていましたので、発展途上国向け「インフラのいらない家」なるものをNHKで紹介したときは、つい見入ってしまいました。
 うちも少し、自衛策を考えたほうがいいかもしれません。


 とりあえず、ガソリン式発電機は遠からず入手したいです。
 SODIMACで見たら、HONDAの発電機を4〜5000ソルで売ってました。
 8時間ほど使えるそうなので、携帯やパソコンを充電したり、ちょっと料理したりにはじゅうぶんでしょうね。
 また将来的には、太陽電池板や、緊急時に井戸水が使える浄水システムなどを、少しずつ調べて揃えていきたいです。



 ところで。
 きょう17日(土)もまた、配線工事のやりなおしで、外ではいろいろバカなことやっています。
 (R君〜〜〜〜っ!)
 でももう本当に疲れはてましたので、このお話は次回に譲るといたします…


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 園芸店のフランクリン君のところには、夏休みなので14歳の甥っ子が、ワンカベリカからアルバイトに来ています。
 学校を出たら警察官をめざしたいと言っていました。


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 刈った芝は、あっというまにこんな量に…
 フランクリン君が堆肥用に引き取ってくれるので助かってます、そうでなければお手上げです。


 今までは、芝を袋に詰めて保管、ときどき取りに来てもらっていましたが、どうも袋の中で発酵したり、野ネズミが棲みついたりするようなので、次回からはうちでよく天日干ししてから渡すことになりました。

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 芝は伸びすぎると、根元が黄色くなってしまうので、かなり短く維持しなくてはなりません。
 理論上、毎日休みなしに刈り続けないとおっつかない計算で、どうやら宿六はたいへんなライフワークを抱えてしまったようです。
 でもいいんです、少しは雑用ってものも引き受けないと、人間ものの考えかたが歪んできますから!
 (家での雑用を一切しない、当地の白人たちを長年見てきて思うこと……)


 ジャッカル君に刈ってもらった翌日、草の山をどけると、こんなふうになっていました。
 刈ってすぐは黄色かった芝が、日を浴びて一日で緑に変わったのですね。


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 きのうは、オールAで卒業したヨシコちゃんに、動物図鑑セットをプレゼントしました。
 買ったもののついに見る暇がなかった本、小さな家で楽しんでもらったほうが良さそうですから。


 お母さんに言わせると、何に対しても熱のない子…ということなんですけど、ヨシコちゃん立ったまま夢中で図鑑を見始め、1ページずつ開けては写真をあれこれ指さし、話しかけてきます。
 あんまりかわいいので、私たちも一時間半ほどつきあいましたが、4,5冊ていねいに見終わってもまだ飽きない様子… このままでは日が暮れそうなので、あとは家に持って帰ってもらいました。


 お母さんも動物が大好きで、掃除の途中、のぞきこんでは目を輝かせていましたから、これが母子の会話のきっかけになってくれるといいな…


2014年2月1日(土) 午後4時半の室温26.5℃ 湿度63% 高曇り、涼風が吹いて天国状態…
<「すぐやる課」暴走事件>

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 右に書ききれなかった別のトラブル。
 外回りの電気配線を、やりなおす羽目となりました。
 写真は、見当違いのところを掘りかえす人々… ああ丹精の芝が……


 R君がずっと電力会社のせいにしていた諸問題、本当はすべて配線じたいに問題があったのでした。
 R君〜〜っ!!



 まず、この二週間を手短かにまとめます。

*宿六の親族入院。幸い経過順調でまもなく退院。

*玄関ホールの高窓(いまだガラスが入っていないさいごの窓)の枠を注文した、近所のペドロ氏。
 みごとサイズをまちがえ、作り直し中… 窓がぜんぶ塞がるのは、いったいいつ?


*納豆製造、立て続けに失敗!
 温度設定を40℃まで下げたら、やっとうまくいきました。
 失敗納豆利用のオムレツにはもう飽き飽きですが、なぜか宿六は喜びます…


*西洋朝顔(Heavenly Blue)全滅。
 アパートではうまく育ったのですが、芝生の湿気がいけなかったのかも。
 しかもあろうことか、貴重な残りのタネをエプロンに入れたまま、洗濯して乾燥機にまでかけてしまい…
 水に漬けてみましたが、さすがにだめでした。


*小さな家の水タンクを設置していた猫番君が、屋根から転落。
 念のため宿六がすぐ病院へ連れていき、レントゲンを撮ってもらい、どこも骨折していないことを確認。
 数日はびっこをひいていましたが、打ちどころが良くてやれやれです。


*小さな家のおんどり君、やってきてわずか一カ月でお亡くなりになりました。
 そういえばさいきん、明け方が静かだなあと思ってました。
 悲しみにくれるアントワネットちゃんに、「ヨシコちゃんはどうしてる?」とたずねると、
 「はい、悲しんでます。こんなことなら早く食べればよかった、と……」


*次いで小さな家のめんどり一羽も、急に餌を受け付けなくなりました。
 「もう三羽とも死んでしまうにきまってる…」と、アントワネットちゃんが暗くて弱っております。
 がんばれめんどり!



 この節分は、忘れずPago a la Tierra(地母神への支払い)をしなければ。
 この状況、どう考えてもpagoが足りてないようです。



 まあこんな具合でして、電気水道問題が片付いたあともゴタゴタが続き、また梅雨時みたいにじめじめする日が多かったこともあり、私めはもうぼろぼろです。
 特に左肩から左腕にかけてが異様に重く、でも関節はなんともないので四九.六肩(←ぎりぎり五十肩ではないと言いたい)でもなさそうだし…
 たぶんストレスですね。


 それである暑い午後、もう何もする気になれず、ぼんやりとルリマツリの花がら摘みをしておりましたら…
 突然、知らない人々が段ボール箱を抱え、どかどかと庭に入ってきました。
 え、なに?今日だれか来るなんて聞いてないよ?


 「こんにちは〜、ご注文の孔雀、お届けにあがりました!」

 一瞬は喜んだわたくし。
 …先日、なんとなくまたクリスマスや結婚記念日の恨みを思い出し、「そういえばほんとは去年は、孔雀贈ってくれるって約束だったよね」と、宿六にいやみを言ったのですよね。
 さいきん一時的に「すぐやる課」課長になっている宿六が、それを聞いてただちに注文したのでしょう。


 ふーん、ソルプレッサ!(サプライズ・プレゼント)とは珍しいことを…
 でももうちょっと疲れてないときなら、もっと良かったんだけど。
 などと思いながら様子を見ていたのですが…


 すぐに雲行きがあやしくなります。
 箱の中から出てきたのは、妙に大きすぎる鉤爪…
 私は当然、ひなから始めて、放し飼いでも逃げないように、じっくり馴らしたいと思っているのですが…


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その大きな脚はなに…?!

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小さな箱から、手品のようにぞくぞくと出てくる成鳥…
いったい何羽持ってきたの?!



 そして箱から引きずりだされた孔雀を見て、唖然……

 ちょ、ちょっとまった〜!それって完全に育った孔雀じゃないの!
 それも計三羽(メス二羽とオス一羽)、初心者には無理でしょう、いくらなんでも!


 目を白黒させている私に、さらに追い打ちをかける孔雀屋さん。
 大きな白い卵を私に渡すと、こう言うのです。


 「メスは年二回卵を生みますが、ちょうどこのメスはきのうから卵を生み始めました。140131-07.jpg
 これから毎日ひとつずつ、合計三個〜八個の卵を生みますから、ぜんぶ集めておいて抱卵させてください。

 万一にもメスが抱卵しないときは、ラ・モリーナ農科大学へ持っていくと、一個につき1ソル(36円ほど)の手数料で孵卵器に入れてくれて、だいたい三十日で孵ります。
 そしてひなは、二年で卵を生むようになります」


 (@_@;)…な、なにそれ、孔雀のネズミ算?!
 いえ、それ、ぜったい無茶ですってば、初心者には!

(左が孔雀卵、右が鶏卵)

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 しかしそれ以前に問題なのが、孔雀屋さんが捕まえているのも精一杯な、見るからに足腰の強そうなこの孔雀たち…
 うちの塀など、ぜったい軽く飛びこえると思うのですが、孔雀屋さんは、
 「あ〜大丈夫、大丈夫、こうして風切り羽根さえ切れば…」
 と、羽根の一部をざくざく切り始めます。


 (あっこら!なぜ私の植木鋏を使う?!)

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ばさばさばさっ…

そののち、このメス孔雀を二度と再び見た者はないという…
(石坂浩二の声でお願いします)



 ごく大ざっぱに羽根を切りおえた孔雀屋さん、「さ、もうこれで大丈夫、ぜ〜ったい逃げません!」と安請け合いしながら、一羽のメスをぱっと放したとたん…

 ……ばさばさばさっと宙に飛びあがったメス孔雀、悠々と隣家の屋根に降り立つと、やがてどこかへ消えてゆきました、ほ〜ら言わんこっちゃない!


 ここでやめておけば、被害も少なかったでしょうに、さらに続きが。

 孔雀屋さんはその後も、阻止を試みる私を完全無視。
 「あのメスはじきに戻ってきますから〜」(うそつけ!)とか言いながら、残りのメスとオスの風切り羽根もざくざく切って、庭に放してしまいます。


 結果は予想通りで、ただちにオスが塀を乗りこえ逃亡…
 幸いこれはすぐ孔雀屋さんが捕獲、やめればいいのに再度放すと、日の傾いてきた庭の隅に残ったメスと一緒に逃げ込みます。
 そこでうずくまって、朝まで隠れているつもりのようです。


 ついで逃亡メスを探しに行った孔雀屋さん、隣家の屋根から落ちたりいろいろ大変だったようですが、結局は手ぶらで戻ってきました。
 そして、「あれはほっといても、オスがいるところに戻ります」というのですが…
 この状況下で、そんなの信じられるわけありません!


 私は当然ながら怒り心頭(孔雀屋に対しても宿六に対しても)、「逃げないという話とぜんぜん違ったのだから、残った二羽だけでも持って帰ってください!」と騒いだのですが、さっきまで感じよかった孔雀屋の奥さん、突如聞く耳もたぬモードに突入、自分の都合だけを言い募り始めます。

 やれ、「ほかにも希望者がいたのを優先してあげたというのに」だの、「もう羽根を切ってしまった孔雀をどうして持って帰れるものか」だの、「うちにはひなはいないから交換もできない、そもそもひなはすぐ病気になるから売らないことになっている」だの…

 このタイプのペルー人に会うのも、ずいぶん久しぶりです、さいきんずっと対人運良好でしたものね。
 こういう人には、この場で何を言っても無駄なので、ともかくこの日は庭にいる二羽の代金だけ支払い、逃亡メスについては明日以降に戻ってきたら(戻ってくるはずないと思うけど)改めて相談、ということになりました。


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うちに一泊だけして去って行った、一歳半のオス孔雀。
若いのでまだ立派な尾羽根はありません。


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同じきらきらした鳥でも、今の私には窓辺の蜂鳥観察くらいがちょうどいいような…


 さて翌朝。
 驚いたことに、一応まだ二羽は庭に残っていました。
 しかしお天道様が上り始めると、突如メスが大きく羽ばたいて逃亡!
 すぐにヨシコちゃんが、張り切って捕まえてきてくれたので、かわいそうだけれど脚を縛って座らせておきます。


 そうこうしているあいだに、今度はオスが行方不明に。
 またヨシコちゃんが一所懸命探してくれます。
 私はどうせ二羽とも逃げると踏んでいたので、きのうからできるだけ孔雀たちを見ないように、情が移らないようにしていましたが(それでも孔雀が心配で眠れませんでしたが…)、アントワネットちゃんとヨシコちゃんはすっかり気に入ってしまったようです。


 やがて孔雀屋さんがやってきましたが、今度はもう少し話のわかるおじさんが同行。
 縛られているメスと、小さな家のトウモロコシ畑に潜んでいたオスを見るとすぐ、「これじゃあ飛んで逃げるわけだ、羽根の切り方がぜんぜんなってません」と非を認めました。
 そして、二羽をまた箱詰めにして持ち帰ってくれました。


 でもできれば返金はしたくないらしく、「数か月のひなと鳥小屋設置をセットで提供、ということで手を打てないだろうか」ともちかけてきています、うーん……
 私はあまりにトサカに来ていて判断不能だったため、今のところこの話は保留になっています。


 その後も数日間はカンカンに怒っていましたが(だって振り回された孔雀もかわいそうだし!)、でもまあ宿六も考えが足りなかったとはいえ、良かれと思ってしたことでしょうし、またアントワネットちゃん母子が、「孔雀のひなはいつくるの?」と大いに期待しているようなので、それにほだされそうになっています。
 もうしばらく考えてみます。


 とうとう見つからなかったメスの孔雀のことは、心配はしていません。
 このへんには古代ローマ人はいませんし、また孔雀を飼いたがる野外レストランと別荘だらけですから、誰か要領のよい人がすぐ孔雀を捕まえて、どこかに転売したに決まってますから。
 そうでなくても、草や虫、サソリなど、孔雀の無料餌はじゅうぶんあるので、野良孔雀になってもパチャカマックでならやっていけることでしょう。


 今回悟ったこと。
 映画などによく出てくる、すてきなサプライズ・プレゼント。
 あれはたぶん、めったに成功しないからこそ、映画の題材になるんですね…


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 庭の草木が少しずつ育って、やってくる小鳥の種類もだんだん増えてきました。
 これは大きな喜びです!


 写真は、ミチカ桜で一休みする、オウギオハチドリ(扇尾蜂鳥)。
 Estrellita de collar purpura (Myrtis fanny) ♀
 飛翔中のぴりっとした姿とは違う、まるまると毛羽立った姿がかわいらしいですね。


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 ありふれた種類の蜂鳥ですが、リマ市内では見たことなかったので、嬉しいです。
 体長6.5〜7センチ、体重わずか2.2〜2.5グラム!ほどだそうで、ペルーの蜂鳥の中でも特に小さいほうだとか。
 それでも存在感たっぷりで、チチチチチ…という声と羽音で、窓辺にやって来るとすぐわかります。


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飛び出す3D猫化して、熱心に蜂鳥を観察するハシンタ猫。

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 蝶のために植えたブッドレアですけど、今のところもっぱら蜂鳥専用になっています。
 蜂鳥は赤い花好きと思っていましたが、水色のルリマツリにもよく立ち寄っています。
 この常連さんはメスですが、オスは喉元が鮮やかな紫色なので、そのうち来てくれるといいな。
 ブッドレアの花とよく似あいそうです。


 …ここでひとつ吉報!
 小さな家のめんどりさん、獣医にアンプルを二本も打ってもらった甲斐あって、完全に立ち直りました!
 あ〜良かった、これでアントワネットちゃんの憂い顔、来週は見ないで済みそうです。



2014年2月20日(木) 午後4時の室温27℃ 湿度62% 爽やかな晴れ
<とどめの一撃…(-_-)>


 節分前日に、降ってわいた次なる災難…

 ご存じのとおりの無数のトラブルも、やっと一段落しましたので、今月はじめ、うっかり忘れていたハシンタ猫の予防注射をすることになりました。
 かかりつけの獣医さんは、息子さんがパチャカマック在住ゆえ、日曜にそちらを訪ねがてら、うちにも寄って下さいました(先生がご来診なんて、雑種なのにどこまでお嬢さま猫なんでしょ…)


 ハシンタ猫は、いつもどおり注射も触診も問題なく終りました。
 しかし、ついでにみてもらったハスミン猫の、背中と脚に小さなしこり発見。大ショック。
 何の心の準備もなかったので、ぐらっとめまいがしました。


 猫の場合、いろいろな理由から生検はむずかしいので、「健康状態が許す限り、腫瘍はすぐとったほうがいい」というのが先生の持論です。
 けれどハスミン猫は、短い猫人生のあいだに、もう三回も全身麻酔手術を受けています。


 そのためすでに腎臓がだめになっている可能性もあるので、血液検査をしたところ、12歳(人なら70歳以上)にしてはとても良い結果、手術にはじゅうぶん耐えられるはず…とのこと。
 もちろん嬉しかったですが、でもそうなると手術するか否かは、飼い主が決断しなくてはなりません…
 どちらに決めても後悔しそうで、数日のあいだ眠れないほど迷った末、先生に任せることにしました。


 いちばんの心配は、小さなハスミン猫がちゃんと麻酔から覚めるかどうか、です。
 手術が無事に終って、猫が回復して食事をとれるようになるまでは、もう頭の中がハスミン猫一色(正確には三色の縞模様)となってしまい、何も手につきませんでした。


 術後は三泊入院しましたが、病院といっても先生の自宅兼です。
 きちんと閉鎖された猫病棟があるわけでもなく、うっかりハスミン猫を外に出してしまうのではないか…ほかの入院犬と不幸な遭遇があるのではないか…等々、あらん限りのヒサンな妄想が頭に浮かび、七転八倒の苦しみでした(あとになると笑い話ですけれど)。


 しまいには宿六にまで、「少しは楽天的になれないものだろうか…?」と意見されてしまいましたが、ったくこんな亭主(人質1リストラ2)に恵まれて、どしたら楽天的になれるのよ…と、むだに藪から大蛇をつつき出しただけの宿六でした。はい。

 入院中、悲しくなるほど良い子にしていたハスミン猫は、帰宅するなり「やっぱわが家に限るわ!」と言わんばかりに伸びをして、意気揚々とソファで爪とぎを始めました、もうソファなんか破壊し尽してもいいからね。
 そして一週間後、腫瘍の分析結果が出ました。
 二つとも良性でした!


 四年前、ハスミン猫は乳腺腫瘍で二回の大手術を受けています。
 こういう場合の平均余命は、だいたい三年だそうです(日本の猫の場合)。


 しかしこの四年間、ハスミン猫は風邪ひとつひかずに元気に暮らし、しかも五年目に入ってみつかったしこりは良性だった…
 ということはつまり、四年前の手術がいかに有効だったか、それが今回証明されたようなものです。
 四年というと短いようですが、人の寿命に置き換えれば、ざっと十六年の長さですから。


 私は医者も病院も大の苦手で、今までずっと代替医療にばかり興味を持っていました。
 でも、時と場合によっては外科的な思い切った施術がどんなに大切か、それに気づかされたような気がします。


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退院して一週間めの、前の日曜日。
早々に完全復活を宣言するハスミン猫。
まだ抜糸も済んでないのに、きゃーやめて〜っ!


 あ、でももちろん代替医療も忘れてはいません。

 前回の手術以来ずっと、猫たちには微量のウニャ・デ・ガト(キャッツクロー)と活性炭を飲ませていますが、たぶんそれも効果があったと思います。
 まだ手術からわずか二週間、今後どうなるかはまったくわかりませんが、ハスミン猫の寿命がつづく限り、今までと同じように大事にしてやります。


 それにしても、やっぱり地の果てに住んでいるなあと実感させられるのは、手術後の縫合が、それはそれは大ざっぱなこと…
 まるでジャガイモの収穫袋を縫い閉じたようで、正視に耐えないありさまなのですが、それでも日に日につややかな毛皮に戻りつつあります。


 動物の生命力、再生力というものに、私はなんだか今、とても感動しております。

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 節分の翌日(こちらでは立秋)、おもにハスミン猫を思って用意した、「地母神と山の神のための支払い品」。
 コカの葉やいろいろな穀類、お豆、パスタ、お砂糖、甘いお菓子、ブッドレアの花などなど。
 欠かせないお酒は、シェリーの La Ina を奮発。
 地母神のほかに呼びかけるApu(聖山・聖地のあるじ)は、パチャカマック、パリアカカ、そして富士山と決めています。


 これからは毎年2月と8月に、忘れず「支払い」をしようと思います。
 今回もまた、祈りに応えてハスミン猫を返してくれたのですから。


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だいじな家族が退院し、嬉しく眺めたおぼろ月。

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 先週は中庭の高窓にガラスが入り、やっとすべての窓がふさがりました〜
 (夏の暮れ方の納戸色の空、いいですね)


 ハスミン猫の生還を祝し、ここを「二姉妹(ハシンタ&ハスミン)の中庭」と命名。
 その二姉妹は、出してもらえない中庭ではありますが。
 (ぜったいハスミン猫、一飛びで屋根に登るので…)


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玄関からみるとこんな感じです。
ちょっとメルヒェン調になりすぎたか…?


 うちは中庭のまわりをぐるぐる回れる作りですが、この窓がなかったがために、長らく扉を開け放しにできませんでした。
 一度ためしにハスミン猫を玄関ホールに出したら、すぐ窓の穴に目をつけて、どこから飛びつこうかと思案し始めたからです。あぶないあぶない…
 おかげで長いこと、風通しもわるく、猫も回遊散歩ができませんでしたが、とうとうその不便もなくなりました。


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旧居のアパート上階、増築部分。
一軒家風にしたかったので、テラスでまわりを囲いました。
屋根は片流れで、飾りの瓦も載せてあります。


 ハスミン猫の入院で、ありがたさを感じるひまもなかったのですが…
 この節分前に、元のアパートの賃借人が決まりました。


 とても感じの良さそうなご家族で(私はまだ会ってませんが)、入居後すぐ、「ここはテラスからの夕焼けがすばらしいですね!前に好きだったカメラ、再開しようかと思ってます」というメールが届きました。
 私も大好きだったあの夕焼け、楽しんで下さる人たちなのが嬉しいです。


 テラスのある上階は、むかしむかしアパートの売り主に、「ここの屋上はなにを建ててもぜんぜんオッケー!」と騙され?増築してしまったものです。
 おかげで何年も違法建築状態でしたが、その後めでたく法律が変わって合法となりました(当地ではよくあることです…)。


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旧居のアパート、下の階。


 いわばお仕着せの間取りだった下の階も、十余年のあいだにだいぶ姿を変えました。
 居間と食堂がとても小さかったので、左にあった寝室との境界壁を壊してしまったのです。
 またその元・寝室のクローゼットも、つぶしてそのぶん浴室を広げました。


 いっぽう台所は、上階への階段を通したせいで、だいぶ手狭でした。
 そこで、台所と隣の寝室をくっつけて、ダイニングキッチンにしてしまおうか…とも考えていたのですが、そこまではやらなくて正解でした。
 個性的すぎても借り手がつきませんから…


 でもこういう風に自分でいろいろやってみて、居心地良くなって味をしめたのが、たぶん今度の家につながっていると思います。
 ペルーは日本と比べてしまうと無いものばかり、でもそのかわり日本より家は建てやすいですから、あと一回くらいは住まいのデザインやってみたいですねえ。


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 アパートを貸してしまってひとつ困るのは、今後の郵便物の扱いです。
 リマ市内と日本とは妙に近くて、なんでも早く確実に届いてほんと便利でしたが、パチャカマックの場合どうなるかわかりません。
 今度なにか取り寄せて、どこの郵便局に届くか実験してみなくては(という口実で買い物を…♪)


 写真の小包は、日本からアパート宛に取り寄せた1.5キロの紅茶の山。
 船便なのに、わずか一ヵ月ちょいで届きました。
 リマではまともな紅茶は買えないため(紅茶文化圏ならぬ砂糖水文化圏なので仕方ないです)、1、2年分を目安にときどき船便で購入しています。


 インド方面原産・イギリスで加工された茶葉を日本から購入、というのもちょっとばかみたいですが…
 でも日本の海外転送サービス会社は年中キャンペーンをやってくれるので、それを利用するとかえって割安になったりいたします。


 私が贔屓にしている会社は、小さなものをEMSで急ぎ取り寄せたいときは「転送コム」、複数のお店の荷物をまとめて船便で送ってもらいたいときは「御用聞キ屋」です。

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 例年ならいちばん暑いはずの二月ですが、今年は一月のほうがよっぽど暑かったです。
 いまは空気がさらりと爽やかで、朝晩など少しうすら寒いほど…まるで高原暮らしです。
 ハスミン猫を心配する日々も、この涼しさのおかげで乗り切れました。


 しかし日射しはまだ真夏そのもので、庭の緑もどんどん育ち、ジャングル化した薬草園はいま花盛り。
 こんなにハーブに花を咲かせちゃったら、ほんとはだめなんですけど…
 でも、ちょっと小花を摘んで飾ると香りがすばらしく、晩夏らしさにうっとりです。


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 プルメリアも咲き始めました。
 やる気をことごとく抹殺してくれる、リゾート風の甘い香りを漂わせています。


 でも色は、いちばん単純な白でした…
 せっかく「すぐやる課」がすぐ入手してくれたので文句は申しませんが、次は私がほしいピンク色のを探します。


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毎日ブッドレアにやってくるウラギンドクチョウ。


 蜂鳥専用だったブッドレアに、少しずつ蝶もやってくるようになりました。
 パチャカマックの蝶々、あまり種類は多くなさそうですが、追い追いご紹介します。


 ハスミン猫が退院したあと、しばらくは全身から力が抜けて、打ち伏しておりました。
 でもきのうきょうと、ハスミン猫の旺盛な食欲にほっとして、サイト更新するだけの元気が戻ってきました。


 …と思っていたところに、例のお騒がせ孔雀屋さんから、とつぜんの電話。

 「雛がちょうどいい大きさに育ったので、明日持っていきま〜す!」…ぎゃ〜〜〜っ!
 か、かんべんして…… たのむから一息つかせて…………


 孔雀屋さん不満そうでしたが、なんとか来週以降にしてもらいました。
 まったくペルーのみなさんも、けっこう義理がたいですよね。
 雛の件は、数カ月は忘れててくれないかなと、期待してたのですが……



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