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2013年6月の「一服いかが?」その1




2013年6月3日(月) <わが家での第一回パチャマンカ>

2013年6月5日(水) <ペンキ選びはむずかしい>

2013年6月6日(木) <リマのぞろ目自動車>

2013年6月8日(土) <屋根のお守り>

2013年6月12日(水) <ペルーVS.コロンビア、現場はもぬけのカラ(笑)>

2013年6月14日(金) <アルパカ、やっぱり庭にほしいかも…>

2013年6月15日(土) <暗雲がひとつふたつ>


2013年6月3日(月) 午後10時半の室温22℃ 湿度64%(ストーブついてます) 晴れ
<わが家での第一回パチャマンカ>


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 6月1日(土)は、夏が戻ってきたかのような上天気。
 午後2時前に私たちが現場に着くとすぐ、パチャマンカ…

 (地面に穴を掘ってよく焼いた石を入れ、そこに下味をつけた食材をのせて全体を布等で包み、さいごに土で覆って蒸し焼きにする古来の料理法)
 …の、土の山を崩し始めました。

 布代わりに使ったのは、現場ですからもちろんセメントの空き袋!(笑)

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まずウミータが、次いでお肉が出て来ます。

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 とそのとき、ふわ〜っと足もとに舞い降りた、年増芸者風のこの蝶々。
 私は声が出ないくらいびっくり!


 と申しますのは、金曜に更新した際「ごらん下さいね」とお勧めした過去記事。
 
<pacollamaさんとの楽しい3日間>
 そのさいごに同じ蝶の写真が載せてあり、私もひさしぶりに見て、そういえばきれいな蝶だったなあと思い起こしておりました。

 それが翌日、ピンポイントで私の足もとを狙って飛来したのですから、もしかしてこれって一種の超能力?!
 だって私がこの蝶を見るのは、人生でこれが二回目なんです!


 …とかいって、ルリン川沿いでは、ものすごくありふれた蝶なのだったりして。
 もしそうなら可笑しいですが、超能力なのか蝶が多いだけなのかは、ここに住み始めてみないとわかりませんね。


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 真夏のような日射しと、よく焼けた石と、上下からじりじり焙られて、あまりの熱さにたじろぐ若者たち。

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 棟梁Gさんの奥さんが、そこにすかさず参戦。
 てきぱきと指示を出して、若者たちを動かします。
 さすが、大勢の若者を束ねる棟梁のおかみさんです。


 ところで、ここの隣人Aさんは、20歳以上も若い奥さんと結婚したばかり。
 それを知った棟梁Gさん、胸の奥からしぼりだすような声で Que suerte...(なんて運がいいんだ…)と言うので、笑ってしまいましたが、なーんだ自分の奥さんも若いじゃないの!


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穴のまわりは崩れないように、煉瓦で押さえてあります。
セメント袋といい、煉瓦といい、まさに現場式パチャマンカ。


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 総勢二十数名だったので、とりあえずビールは3ケース。
 栓抜きを忘れましたが、棟梁Gさんがケースの角で器用にぽんぽんあけて配ります。


 (Gさんのお腹と並ぶと、ビールの小壜みたいに見えるんですけど……これ大壜です)

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 …ところが、ご列席の皆々様のご様子はといえば、完全に借りてきた大人しい雌にゃんこ状態。
 なぜか互いに、視線が合わないようにしているし(笑)


 こういうふうに、とつぜん人見知りして静かになってしまったりするところに、私はモンゴロイドの血を感じます。
 たぶんペルーと他のラテン系諸国とは、そのへんがだいぶ違うのではないかと想像しています。


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 われわれモンゴロイド系を盛りあがらせるには、お酒しかないですよね。
 そこで、「一人につき大壜一本が義務!」と定め、どんどんあけては強制配給することに。


 棟梁Gさんが言うには、
 「ここでは毎日ジュースとクラッカーが配られ、またこういうご馳走の日もあって、そんな現場は初めてですよ。中には水すら飲ませてくれないところもあるくらいだから。
 それで若者たち(muchachos)から、『棟梁、またおんなじ条件の仕事探してきてくれ!』って言われてるんです」


 日本人としてはあたりまえと思ってしたことですが、それを喜んでもらえたのならほんと良かったです。
 (…って、まだ工事終ってないけど!)


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 次いで料理が配られ、だんだん雰囲気もなごんできました。

 これはパチャマンカの一人前。
 鶏、牛、仔羊、三種のお肉と、ウミータ(トウモロコシの蒸しパン風)二個、ジャガイモ大1、サツマイモ大1、ソラマメたくさん。


 ちょっと表面は焦げ気味でしたが(…それは「どうせペルー時間だから」と遅刻した私たちが悪かった)、さすがパチャマンカ、少しもパサつかずおいしいです。

 自分の庭での、初めてのパチャマンカ、とりあえず成功ですね。
 次回はミト村のパチャマンカのように、いっしょに蒸し上げる薬草類を忘れず用意しようと思います。


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 よーし、みなさん表情が明るくなってきましたね。アルコールの力はすごい。
 L君も、もっと飲め!


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 この、ちょっと日本にもいそうなお兄さんも、棟梁Gさんの甥っ子だそうです。
 二年前にワヌコから出てきたばかりだとか。


 この人は、たまたま写真の端っこに写りこんでいるときも、ばっちりカメラ目線&笑顔!ということが多くて楽しいです。
 そういうのも一種の才能ですよね〜


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 大量のパチャマンカも、若者たちの手にかかるとあっというまに消えていきます。
 きょうも午前いっぱい現場仕事をしていたのですから、当然ですね。


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 真ん中の帽子を被っているのが、「ご心配なく、必ず解決法はあります!」が口癖のR君。
 途中で立ち上がって、「僕たち全員を、つねに敬意をもって扱って下さったことに、とても感謝しています」と短いスピーチ。


 まだまだペルーはあからさまな階層社会なので、誰かに働いてもらうとき、こちらがどういう態度をとるべきか、それがほんっとうに難しいです。
 すべての人と対等なおつきあいを心がけると、かえって騙されたりして、哀しい思いをすることもあったりしますし。
 でもこの人たちは、こちらの敬意に正しく丁寧な仕事で応えてくれて、それは実にすがすがしい経験でした。


 で、私たちもR君へのお礼のつもりで、彼の口癖「ご心配なく、必ず解決法はあります!」がどんなに心強いか、という話をしたところ、すかさす棟梁G夫人が茶々を入れました。

 「それってさ、自分で施工をまちがえたってわかってるもんだから、先回りのフォローをしてるだけなんじゃないの〜?」
 なるほど、そういう見方もできるか〜


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 こちらは家具職人グループ。左はパブロさんと孝行息子二人。

 今日パチャマンカがあることを、エステバン師匠は内緒にしていたそうで、みなさん思いがけないご馳走にもうニッコニコ!
 特にパブロさんたちは、本格的に土に埋めるパチャマンカは初めてだったそうで、大満足のご様子でした。


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 エステバン師匠も、ごっきげん。
 左のコカコーラのおじさん(やはり家具職人仲間)は、前は立派なヒゲをはやしていたので「タリバン」というあだ名でしたが、しばらく会わないうちに剃ってしまったようです。


 …タリバンをun tal Ivan(イバンとかいう奴)と聞きまちがえ、タリバン掃討作戦のニュースに全国のイバンさんが震えあがった、という小話が昔ありましたね、そういえば…

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 家具職人班は、食後はまた仕事に戻らないとなりません。

 「一杯機嫌で、ドアや窓を逆さにつけちゃうんじゃないかあ?!」と、ガテン班から冷やかしの声が飛びます。

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 玄関扉と窓枠の取りつけ中。

 窓枠は北アフリカ趣味の星型にした…つもりだったのですが、焦茶だとちょっと中華風にも見えちゃうなあ…
 ガラスを入れたらまた雰囲気変わるかな…


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 いっぽう半ドンで業務終了のガテン班は、腰を据えて飲み続けています。130601-25.jpg
 だんだん日陰が寒くなり、日向に移動してじ〜っと座っている姿は、まるでビスカチャのよう。
 (写真右…アレキーパのビスカチャ)


 すると、副棟梁Zさんいわく、
 「ビスカチャというより、われわれの体型は、妊娠したねずみ、というところだな」
 (妊娠したねずみの写真は手元にありません、すみません)


 …うーん、どっちも腰回りが丸々としてるから、どっちでもいいかも。


 そうそう、先日現場で見つけたラム酒の空壜ですが、その身元が判明しました。

 もともとはI君(現在はワヌコでトウモロコシの収穫中)の所有物だったそうで、ものすごく冷え込んだある晩、小さな家に泊り込んでいた数人が、
 「寒さ対策で一口ずつ飲もうじゃないか」
 ということになり、しかしその一口が次の一口を呼び、それがまた次の一口を呼び…


 調子が出たのでもう一本蒸留酒を買いに走り、それも一口から始めて全部やっつけ、そうして全員暖かく熟睡できたとのことです。めでたしめでたし。

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 さいごまで飲み続けた人々。

 うしろの黒ジャケットのお兄さん(37歳アヤクーチョ出身、特技ギター、故郷に3ヘクタールのアボカド林を所有!)が楽しい人で、残っているビールの本数を、こうして日向から常にチェック。
 そしてときどきやってきては、「二本確保しとこ…」「もう二本確保…」「さいごの一本ゲット〜!」等々つぶやきながら、すばやく壜をさらっていくのです。


 それにしても、あと2ケースくらいはいくかな、と思ってたのですが、意外に少なかったですね。
 ちょっと遠慮もあったのかな。


 ビール壜の片づけは、左端のA君(棟梁Gさんの息子)が手伝ってくれました。
 二本ほどヒビが入ったのがあるのに気付くと、A君それを持って、なぜか小さな家のほうに向かいます。
 「お店で文句言われないように、割れてない壜と替えてきます」
 「え?…なんで小さな家で?」
 「……実はあそこに、大量の空き壜のストックがあるので〜す!」


 なるほどねー。けっこう楽しい合宿生活だったようですね。

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 帰り際に小さな家を覗くと、壁を塗り始めていました。
 淡いテラコッタ色。
 これなら寒々しくなくていいかな?


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 噴泉も削りなおしたのが届きました。
 う〜〜〜ん、ちょっと考えてたのとは違うけど、要は水音がすればいいので、もうこれでいいか〜。


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 パチャマンカの日は、もちろん朝と晩は自宅でしっかり野菜補給…

 東京にいたころは知らなかったのですが、リマに来てからよく食べているのが、カイラン菜。
 葉や茎に厚みがあって、味わいも深く、これをたくさん食べると「ぜったい今日の野菜は足りている!」と安心できます。


 また、花芽がたくさんついているときは、迷わずヨーグルト漬けにします。
 そうすると、大好きな菜の花漬けそっくりになるんですよね!
 リマで菜の花漬けというのは、かなりの贅沢かと。


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 Carazの球根は、アパートのテラスで「ささやかに咲き誇って」います。
 花芽の出た二鉢は、それぞれ六輪と七輪のつぼみをつけました。
 この球根には、ぜひパチャカマックでうんと増えてもらいましょう!



2013年6月5日(水) 午後1時の室温21℃ 湿度66% 真白な明るい曇り→午後から晴れてきました
<ペンキ選びはむずかしい>


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 曇って寒かった月曜日。
 「本宅」の天井を塗るペンキを持って現場へ。20リットルの大バケツが三つです。
 アラフィフの腰にはきついので、帰りかけていた現場の人に助けてもらいました、すみません。


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 先日プクサーナ近くで見かけた、イスラムスペインぽい壁の飾りがいい感じだったので、まねしてみることに。
 煉瓦も余っていることですし。


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 土曜日は(ビールのせいで?)仕事が終らなかった家具職人班、きょうも出頭していました。

 これは洗面所の、押し上げ式の窓。
 格子は猫の脱走予防です。
 外に向かって開くので、窓掃除のときも困りません。


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 小さな家の、照明とりつけ。

 きれいだけど、いつも点けてたら電気料金がたいへんでしょうね…
 (憂鬱な光の蛍光灯やLEDは、ほかの選択肢があるかぎり絶対に使いたくないし…)


 できるだけ早く太陽発電パネルを導入したいですが、ペルーでは中国製ばかりで、あまり効率の良いものは市販されていないようです。
 個人輸入という手もありますが、どっちにしても技術はどんどん進むでしょうから、あと数年は待ったほうがいいかな…


 日本やヨーロッパだと、発電パネルを仕込んだ瓦(なんて良いアイデア!)も販売されているそうですね。
 まさかアンデス瓦型のはないでしょうけど、うらやましいなあ〜


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 火曜日はきれいに晴れたので、壁の色を確認するため、明るいうちに急いで現場へ。
 小さな家の濃いめのテラコッタ色、上天気だとなかなかいいですね。


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 でも曇り日には、こんなに重く鈍い色に見えてしまいます。
 ただひと夏も過ぎれば、だいぶ色褪せて明るくなるはずです。うーんむずかしい…


 ものすごく迷いましたが、やはり本宅のほうは、これより一段淡いテラコッタ色にすることに決めました。

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 小さな家と同じに本宅の天井も、傾斜を強調し、また光を反射しやすくするため、白いペンキで仕上げます。
 壁は、外壁と同じ淡いテラコッタ色にする予定。


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いいお天気で気分がいいなあ。

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 もう一カ月以上前から、「そろそろお別れですね、寂しいですね」と言い続けているチームGですが(笑)、家の仕上げってキリがないもので、なかなか終りが見えません。
 でも今度こそ本当に終り近くの作業、中庭の水盤工事が、とうとう始まりました。


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 ポーチのテラコッタ・タイルを一心に貼る、副棟梁Zさん。
 今日はセメント袋のゲートル?はなしです。
 たぶんコンクリートを扱う作業をするときだけ、脚の保護のため巻いているのではないか、というのが私たちの仮説。


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 内装が進んでいる洗面所。
 この壁と床は、飽きがこなくて良さそうだなあ。


 窓は、琥珀(黄色)と赤みの強い紫(ambar y uva)の色ガラスを入れてもらいます。
 薄暗い冬のあいだ、色ガラスの窓があるとだいぶ気分が明るくなるのは、アパートで実証済みなので。


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 猫番君が、ためつすがめつ載せてくれた壁の飾り。
 無愛想な煉瓦の壁が、ちょっとかわいくなりました。現場の人たちにも好評です。


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 チスピータ君とアボカド林の所有者Aさんは、通路の壁の補修中。

 この壁は以前、別の人(土地ころがし屋のPさん)に作ってもらったのですが、柱を一切入れずに煉瓦だけどんどん積むという荒業で…
 気付いたときには柱なしで完成しており、直す予算もなく、そのままになっていました。
 これではいつ倒れるかわからず、ずっと気がかりでした。


 でも今回こうして、壁をところどころ切り取って十本の柱を入れますから、それが終ったらやっと安心できます。
 (どっちにしても大地震が来たら崩れるだろうとは思いますが……)


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 門柱の飾りタイルを、ていねいに並べていく猫番君。
 「これ、明日には終る?」とせっかちに聞いた宿六は、「こういうものはね、急ぐときれいに仕上がらないよ」と猫番君に説教されてました。


 本当にいいお天気ですねえ。
 気分がいいので、もうしばらく現場でふらふらしていたかったですが、ペンキを急いで買い足す必要があったので、やむなくリマへ戻りました。



2013年6月6日(木) 午後11時半の室温24℃ 湿度65%(ストーブついてます) 曇り
<リマのぞろ目自動車>


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 毎日のパチャカマック往復。
 行き帰りの車中があんまり退屈なので、(寝てないときは)ぞろ目車を蒐集することにしました。


 誕生日には000番に会い、なんか嬉しい〜と思いましたが…

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 数日後にまた遭遇。な〜んだ。

 下三ケタが揃った車は、999台中10台もあるわけで、自動車が爆発的に増えているリマでは珍しくもなく、毎日数台は見かけます。
 それでもなんとなく、見ると得したような気がするのは不思議ですね。


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 希望番号制ではないので、たとえば666はちょっと…と思っても、避けるすべはありません。
 私は666、きれいで好きですけど。


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 000〜888まではすぐ揃い、その後も何度も見かけるのですが、999だけはなかなかありませんでした。
 でも本日とうとう、パンアメリカン道で遭遇!


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 写真を撮ってたいへん満足し、二台ほど追い抜いたら、あらあら、また999が!
 あとで撮影時刻を見たら、6月6日午後6時ジャストでした〜(笑)


 大して珍しくないリマのぞろ目車ではありますが、こうしていちどきに全部ご覧になったあなたには、きっといいことありますよ!


2013年6月8日(土) 午後7時半の室温22℃ 湿度66%(ストーブついてます) ものすごい霧
<屋根のお守り>


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小さな家の屋根のお守りは、緑のオウムと白い花。


 calleretiroさんからご下問を賜りましたので、屋根のお守りのことを。
 これ、ほんとは屋根の高いところに載せるべきところ、棟梁Gさんがまちがって軒先にくっつけてしまいました。
 それを直してからお話ししようと思っていたのですが、さすが細部まで見逃さないcalleretiroさん!


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本宅のほうは、ハチドリと赤い花。
あ、これ裏返しですね、だから数字が読めません。


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 2010年、アンダワイラスで調達してきました。
 民家の屋根で錆びている風情がなんとも良くて、仲良くなったタクシー運転手のホルヘ君(元気にしてるかなー)に聞いたら、そのへんの荒物屋で売ってますよ、とのこと。


 本当に、どの店でもたくさんぶらさげていました。
 真ん中のはコンドルですね、これも買えばよかったなあ。


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 十字架は、ペルー国旗色のリボンつきで10ソル、でした。
 本来は、家を建てる若夫婦に、代父・代母が贈るものなのだそうです。


 私は、「早くこれを載せる屋根を作れますように…」と祈りながら、自分で自分に購入。
 それから三年… ああほんとうに長かったです。途中でリストラまでされてるし。


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この青い目の小鳥(チワコ?)、いいなあ。
次回はぜひ写真を持って行って、注文制作してもらいます。



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たぶんうちの十字架も、冬のあいだに霧雨で良いぐあいに錆びることでしょう。


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木曜日。甥っ子N君が、中庭にコンクリートを流しています。
枠のかわりに使っているのは、テラコッタタイルが入っていた紙箱(笑)。


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金曜日。甥っ子L君が、水盤の煉瓦を積み始めました。

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壁塗りも進んでいます。

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 やはり小さな家のほうは、色がちょっとくどすぎました。
 本宅も、もう一段、薄い色にしても良さそうですが、どうせすぐ色あせるので、これくらいでいいかな…


 棟梁Gさんは、この色がめちゃくちゃ気に入ったみたいです。

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 同じ色でも、室内はこれくらい濃く見えます。

 壁をすべて淡い黄色(クリーム色)で塗ると、ふわっと金色の光で包まれたようになって、とてもいいのですが、今回はそれは選べなくてざんねん。
 窓枠の薄青緑、タイルや煉瓦の赤と組み合わせたら、信号になっちゃいますから…


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 ペンキの色は、日中と夕方とではまた違って見えますし(昼光ではピンク寄り、でも夕方になると本来のテラコッタに近くなります)、ほんとむずかしいです。
 ただ経験上、内壁は、「わずかに彩度が強すぎるかな、迷うなあ…」くらいの色にしておくと、家具をぜんぶ入れたときうまく落ち着くようですね。


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 今までペンキの色の調合では、いつもひどいめに遭ってきました。
 配合リストがある場合はまだいいのですが、種類によっては(たとえば木を塗るためのペンキ)、にゃんと職人が目分量で配合するんですよね。
 それも ACE HOMECENTER やSODIMACでは、蛍光灯下で混ぜるんですから、いい色が出るはずがありません。


 もうちょっとましな店はないものかと、トマス・マルサノ通りでふと目についたペンキ屋さんに入ってみました。
 今年はこういうカンが当たるので、もしかしたら良い出会いがあるかも…


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 今回ほしいのは窓枠を塗るための、少し緑に寄った灰水色…というか、納戸色のうんと薄いの、というか、リマの冬の海の色、というか…
だいたいこんな色かな?



 さほど混ぜ方の難しい色ではないはずですが、ACE HOMECENTER や SODIMACでやってもらうと、何十回にも分けて少しずつ色を足すので、見ているだけで気が狂いそうになります…
 (絵具類は、混ぜれば混ぜるほど汚れた色になるのが基本ゆえ)


 さて、この店で「化学者」というあだ名呼ばれているお兄さんの、お手並みを拝見。
 ちゃんとお店の外に、作業場が作ってあり、自然光下で混ぜられるようになっています。
 そして期待通り、白いペンキにほんの数回色を混ぜただけで、ぴったりな色を出したので、なかなかの腕のようです。


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 お店のワヌコ出身のNortonさん(あなたウィルスソフト?)も、
 「うちはプロのペンキ職人が来る店。で、あっちは主に素人さんが行く店ね」
 と、向かいのSODIMACのほうを顎でしゃくってみせました。


 配達も早くて、一時間後には作りたてのペンキその他、すべてまとめてエステバン師匠宅宛、送り出されました。

 時間帯によっては少々物騒な地区ですが、正面にOPEN PLAZAができて、だいぶ安全になったようです。
 色にはうるさい私も、ここならお勧めできます。ペンキを買うならVIANNY!
 Av.Tomas Marzano 870, Surquilloです。


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 もうひとつ、探していたものを発見。

 セメント壁のぺた〜っとした平坦さが、どうしても気に入らず…
 アドべかキンチャ壁のような仕上げにできないものかと相談したところ、メキシコ製のこのペンキを勧めてくれました。
 コテでさっと塗るだけで、こういうざらついた仕上げにできるそうです。
 またどんな色にでも調色できる由。


 ああまた、よぶんな出費のタネを見つけてしまった…

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 ほんとペンキ代も、ばかにならないんですよね。
 リマでは、せめて4,5年に一度は塗り替えないと、きれいに保てないですし。


 このバランコのお宅は、塗り替え途中で予算が尽きた?のでしょうか…
 けっこうよく見かける情景です。


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 ペンキ塗りとなると欠かせないのが、この「ワイペ」。

 guaipe,huaipe, waype等々、いろんなつづりがあって、なんだかケチュア語みたい。
 でも「ペンキをぬぐう」という用途からして、まちがいなく英語のwipeから来ているのでしょうね…
 ダっさ〜。でもかわいい。


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 ひさしぶりにMI PERUへ。
 なぜか蟹の本体部分が入っていなかったので、あとで請求しました。
 顔なし蟹では、日本人は怒っちゃいますよね(笑)


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 魚の卵の鶏卵焼き。
 おいしかったですが、でも少しボリュームが減りましたね、量を減らして実質値上げ、なのかも。


 いろいろ試してみましたが、この店でおいしいのはこの二点。
 ほかは、はっきり言ってさほどのことはないです。


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 現場へまわります。

 門柱を仕上げる猫番君。
 「さあこれで煉瓦もきれいになくなったし、いよいよ工事も終りだなっ!」と嬉しそう。
 (早く小さな家からおっさんたちを追い出し、奥さんと落ちつきたい模様)


 …あーごめんごめん、駐車場忘れてた。
 同じような柱を、あと三本、作ってもらわないとなりませーん。来週もまたよろしく!


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井戸も門柱も暖炉も、ぜんぶ思っていたより大きくなりました……

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先週せっかく大掃除をしたばかりなのに、また地面でセメント練っているし…
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 さて次は、セルカード方面のエステバン師匠の家へ。リマ大縦断です。

 このところしょっちゅう、パチャカマック遺跡の前で、警察が検問をやっています。
 それも交通警察じゃなくて、赤ベレーの特殊部隊なんですから、明らかに父の日のためのお小遣い稼ぎですね。ひどいなあ…


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 途中で見た広告。
 この服を、おなかがぷくっとしたリマの女の子たちが着たら、ヒョウの顔が立体的になって、なんかかわいいでしょうね〜^_^
 見たいような見たくないような??


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 師匠の工房。
 裏にリマック川が流れていて(今の季節は流れてはないけど)、なかなか味のあるところです。
 扉をニスで塗ったり、窓枠を組んだりの作業中。


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 ドン・パブロの工房も訪問。
 ここ1、2か月で一気に仕上げてもらい、8月の引越しを目指したい!…ところなのですが、この期に及んで材木が全然足りないことが判明〜〜
 (注文時に師匠の計算まちがいがあったようです……とほほ)


 「こ、この12個の窓は、いったいいつ完成するんですか?」と、ちょっと震え声で(笑)問いただす宿六の手が、右に写っております…
 「材木さえあれば、あっという間ですよ」と、余裕しゃくしゃくなのはドン・パブロ。


 しかし今から大手に材木を注文すると、日数がかかりすぎます。
 そこで師匠が土曜に近所へ探しに行き、そのまま乾燥所に持ち込んで乾かしてもらうことに。


 現場でもここでも、みなさん材料が足りないことは、こちらの顔を見るまで言わない、という不思議な共通点がありますねえ。どうしてなのか謎です。

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 あとは塗るばかりという、猫ドアつきの扉。

 ドン・パブロ工房の作ですが、さすがエステバン師匠監修だけあって、私が思った通りに仕上がっています。
 さっき調達した、薄い青緑色のペンキで塗ってもらう予定です。



 この日、帰路は大渋滞にまきこまれ、疲れ果てました…
 毎日、プエンテピエドラ(リマ北部)から南のパチャカマックまで、全リマを横切って(それも文句ひとつ言わずに)通う棟梁Gさんの偉さが、身にしみてわかりました。



2013年6月12日(水) 午後7時半の室温22℃ 湿度66% 上空は晴れてますがミラフローレス方面は霧の中
<ペルーVS.コロンビア、現場はもぬけのカラ(笑)>

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まだ四時なのに、静寂に包まれた現場…

 棟梁Gさんとは、火曜日の午後、残っている支払いについてきちんと詰める約束でした。
 そこで宿六は前の晩に、夜更かしして計算を終えました。
 私も当日は、家事雑用を急いで済ませ、いつもより良いおみやげを持って、いつもより早く現場へ。


 ところが現場は、もぬけのカラ……

 あ〜っ、今日って、ペルーがどっかと試合する日なんじゃなかったっけ? しまった!

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 棟梁Gさん一行を、向かいの定食屋で発見!
 (←テレビ画面に見入る赤チョッキのGさん)



 3時すぎから始まるペルー・コロンビア戦に合わせ、この日の現場は昼抜き行軍。 そして試合開始とともに、みんなでお店にやってきたのだとか…

 Gさんは、「かまいません、これから打ち合わせしましょう」と、一応は言いました。
 でも、なんだか目が虚ろで別人のようだったので(すでにそのころ、ペルーの敗色は濃かった模様…)、後日に改めることに。


 まったくもう。
 試合の日に、知らずに打ち合わせの約束を入れた私たちも大馬鹿でしたが、GさんもGさんです。
 朝も電話で話したんですから、そのとき一言知らせてくれれば、無駄足を踏まずに済んだのに。

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 しかたないので、しばらく誰もいない現場を見て、それから帰ろうとしたところに、猫番君だけがふらっと戻ってきました。

「やってらんないや」とぼやく猫番君→


 猫番君は、以前うちのアパートで働いていたころから、サッカー観戦があまり好きではないようでした。 (これも、私たちが猫番君を高く買っている理由のひとつ)

 「まだ終ってないでしょう? なんでみんなと見ないの?」
 「後半に入って、いま0−2だから… いつものパターンで、こうなるとペルーはもうだめ。
 負けるのを座って見ててもしかたない。
 今日はみんなに合わせて昼食を遅らせて、結局ばかみたいだった、もっと早く食べればよかった!!」


 穏やかな猫番君には珍しく、かなりご機嫌ななめでした。

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 現場には、いろいろな工具が散乱しています。
 私も頭に来てたので、ひとつふたつ隠しておこうかしらと、一瞬思いました。
 でも試合結果にガックリし、現場に戻って今度は盗難騒ぎ…では、あまりにかわいそうなので、やめておきました。

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 水盤に合わせて切った煉瓦。おいしそうに見える…

 いろいろな作業が中途半端なところで放り出され、そのまま時が止まっていて、きのうの現場はポンペイ遺跡のようでした。

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パチャカマックのカフェ店頭で、ビール並べてコロンビア戦に見入る人々。
平日午後4時でーす。



 まったくもってカラスの勝手ではあるのですが…
 ゲームを楽しむというより、サッカーの国際試合が自分の現実生活とごっちゃになってしまっているペルーの人、けっこう多いですよね。


 棟梁Gさんのように、試合のある日は大切な約束を忘れてしまうとか、負けたあとの落ち込みぐあいが尋常ではないとか…
 コロンビアに負けた昨晩は(負けた負けたと連呼してすみません、ペルーを応援している方がもしいらしたら…)、街中し〜〜〜ん…としていましたし、今日もせっかくの快晴なのに、気のせいか世間の空気が重いです。


 そういえばきのうは、配達を頼んだミネラル水も届きませんでした。
 アパートの門番さんは「配達が来なかった」と言い、配達の人は「門番さんがどこにもいなかった」と主張…


 ここまでくると、やはりとっても幼稚な態度と言わざるをえません。
 でも、作りものではない、ある種の純な幼さというのが、ペルーの人々の最大の魅力でもあるのですよね。


 いずれにしても、スポーツには賭けごとのにおいがあるので、私はだめです。
 「大きな賭け」は、ペルーに来たこの人生だけで、もうたくさんですから〜 なはははは。


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 月曜日の水盤。
 「このややこしい形を作るのは、えっらい大変だった!」と、自慢顔の副棟梁Zさん。


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 火曜日の水盤。
 試合が始まるまで、作業はほんとにしてたらしく、セメント塗りが進んでいます。


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 Casa Roselloには、タイルをものすごく余分に買わされていたことが、最近になって判明……
 たまに気を抜いて数量をお店任せにすると、こういうことがあるので、やっぱりいつもしっかりしてないといけませんね。しんどいわ。


 もったいないので、玄関先にも貼ってもらうことにしました。
 セメント色は好きじゃないので、ちょうどいいです。なので結果的には良かったです。


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青空に映え?る、猫番君苦心の門柱。


 この6月1日から、ペルー在住19年目に入りました。
 18年かけて、まがりなりにもリマに(…だいぶはずれだけど)門を構えるところまで、やっと辿り着きました…


 18年は、赤子でも大人になってしまう年数ですが、それにしてはペルーについて知らないことが、にゃんと多いことか!
 でもこれからは、無理して手を広げるよりも、自分がこれと思うものをいかに掘り下げていくか、ですね。


 次いで6月10日には、宿六が某社をへんな形でリストラされてから、丸2年が経過。
 もしまだ某社に勤務していたら、ぜったい家は建てられなかったので(経済的にも時間的にも)、首を切ってくださってありがとうと言うべきなのでしょうね…おそらく。


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 クスコの陶芸家Taterさんからタイルの見本が届いたので、帰路、妹さんのアンティーク店へ受け取りに。

 たいへん楽しいご夫婦で、初対面ですが二時間ほど話し込んでしまいました。
 蒐集品のシロアリ被害に困ってらしたので、リマでも手に入るニームオイル情報を教えてさしあげました。
 くさいけどすっごい効くので。


 …中央の箱がどうも気になるなあ。中に彩色された引き出しがついていて、錠前もたいへんよろしい。
 宿六さん、私のクリスマスプレゼントにどうでしょう?


 古い陶器や家具も魅力的で、じつに危険な店です。http://irazemavv.wix.com/elfrailero

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 タイルは、緑色が濃すぎたので、見本を作りなおしてもらうことにしました。
 白い部分も、クリーム色ではなくて、もっと冷たい白がいいな。


 ただこれもかわいいので、鍋敷きとしてありがたく使わせていただくつもり…

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 4月にまいた、pacollamaさんの野尻湖どんぐり。
 ついに小さな葉が開き始めました!


 ほかのどんぐりも、大半が根を伸ばしていますが、芽が出たのはまだ数個。
 もうしばらく様子を見て、うまく育つようなら、苗用のビニールポットに植え替えます。


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 同時期にまいた白樺、赤松、菫は、今のところ変化なし。
 山桜も、三本芽吹いたのですが、すぐに枯れてしまいました。ざんねん。


 ところが、タネを預けた園芸店ではうまくいき、なんと60本も芽吹いて育っているとか!
 なんて良いニュース!
 小さな桜の園の実現へ、ちょっと近づいたかな?



2013年6月14日(金) 夜中零時半の室温22℃ 湿度71% 曇り
<アルパカ、やっぱり庭にほしいかも…>


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誘惑的なまなざしのアルパカ。


 きょうは、パチャカマックの道端のアルパカ屋さんに寄ってみました。
 リマ在住、クスコのカンチス出身のフレディさんは実家がアルパカ牧場で、ときどき里帰りしては仕入れてくるとのこと。


 この白アルパカは八カ月くらいだそうで、お値段は350ソル(約1万2000円)。
 なめらかな長毛をもつスリ種も扱っていて、そちらは450ソル(約1万6000円)。


 売れ行きは上々で、先週は四頭がMala(リマの南85、6キロくらい)の別荘地にお嫁入りしたそうです。
 週末ごとに、ぜんぜん違う色柄のアルパカがつないであるので、きっとよく売れるのだろうなあと思っていました。


 ……あ〜いかん! 冷やかしのつもりだったのですが、近くで見たら、私もほしくなってしまいました!!
 みるからに健康そうで、かわいいアルパカたちです。


 でもそれだけじゃないのですよね。
 みなさまご存じの通り、アルパカは草の根を引っこ抜かず、上のおいしいところだけを食べるので、芝刈り要員としても役立ちます。
 しかも、お上品に一か所にするフンは、良い肥料になるそうです。


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 日本では真白なクラレちゃんタイプが人気のようですが、私は断然ブチがひいき。
 手前の大きいブチアルパカは、一歳だそうです。


 伺ったお話によると、アルパカの寿命は10年〜12年ほど。
 必要な世話は、毎日のブラシ(鉄の歯の特製櫛を使用)、年一回の予防注射、年一回の毛刈り(夏季に暑さ対策を兼ねて)。


 えさは、パチャカマックならどこでも売っているアルファルファ、および総合飼料(牛用とかかな?)
 冬場は外で飼えば問題なく、夏も日かげさえ作ってやれば、大丈夫だそうです。
 寂しがるのでオス・メス二頭で飼うのが望ましく、またアルパカ夫妻にとって必要最低限の広さは、16uほど。


 毛刈りの時期や、またもしアルパカの様子がおかしいときには、電話一本で、アルパカ屋のフレディさんみずから面倒をみに来て下さるそうです。
 それはいいですよね、パチャカマックの近所の獣医さんが、必ずしもアルパカに詳しいとは限らないですし。


 またアルパカのほかに、孔雀(アレキーパ産)や灰色鹿(アヤクーチョ産)も扱っているそうです。

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ナスカの孔雀。

孔雀だけは庭への導入、確定しております。
フレディさんのところでは、大人の立派な雄は500ソル(約1万7000円)。
尾羽根のない雌は200ソル(約7000円)。なんなのこの差は…


 アルパカほしくなっちゃったなあ、…うーんでも、うちはできるだけスペイン風にしたいから…
 孔雀ならぴったりですが、アルパカが芝の上を歩いていたら、妙な感じになるでしょうか…
 でもぜったいかわいいだろうなあ、それに少なくとも、日本からみえるお友達にはうけるだろうなあ…


 かなり心がアルパカによろめいております、どなたか背中押して〜(笑)

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カハマルカの灰色鹿。

 …ああそれに、灰色鹿も小さくて、とてもかわいいんですよね。
 カハマルカで餌をやったことがありますが、とても人に懐いていました。
 だいたいアルパカ・スリくらいの値段だそうです。
 寿命はアルパカと同じか若干長く、うまくすると15年ほど生きるとか。


 いかんいかん、いか〜〜〜ん! 全部ほしくなってしまった!!

 …子供のころ住んでいた代官山の同潤会老朽アパート(一階で小さな庭がついてました)では、
  ・白うさぎ二羽
  ・コッカースパニエルのエリー
  ・陸ガメのオットー(父が米国から濡れタオルに包んで持ち帰ったもの。のんきな時代だったのですね)
  ・金魚類
 を飼っており、近所の人から「飯尾動物園」とわる口を言われていました。


 もしパチャカマックで、孔雀、アルパカ、灰色鹿、それに犬、猫と揃えたら…
 せめて動物園度だけは、親を超えられるかなっ?(笑)


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 さて現場では、細かな仕上げの作業が続いています。
 今日は甥っ子N君が屋根にあがり、マフラー姿で煙突を作っていました。


 先日このN君(30歳)を車で送ったとき、ご家族の話をいろいろ聞きました。
 やっぱり「なんにでも解決策はあります」のR君のお兄さんでした、似ているなあと思ってたんですよね。


 で、そのN君R君のところは、なんと12人きょうだいだそうです!
 まず長男(31歳)から六男(22歳)まで、ずらっと男性ばかり6人。
 次いで、長女(20歳)から六女(8歳)まで、ずらっと女性ばかり6人。
 見事ですねえ!


 思わず、「…お母さんは同じ人?」と失礼なことを聞いてしまいましたが、同じ人だそうです。
 そして年齢をたずねて絶句…
 お父さんが52歳で、お母さんは45歳。
 私たちとほぼ同世代のご夫婦ですが、本当に人生はさまざまですねえ!
 49歳の私は、いまでも子供気分で(アルパカも鹿もほちいとかバカ言って)生きているのに、N君のお母さんは14歳からお母さんだったのですね。


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 家が平たいので、この煙突は、微妙〜に高すぎるような気もするのですが…
 いまさら直してとは、ちょっと言いがたく…


 きっとそのうち目が慣れますね、高いほうが煙はよく吸い出されますし。たぶん…

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 テラコッタ・タイルで仕上げ中の、台所の作業台。
 側面のタイルが落ちないようにしてあるつっかい棒、あいかわらず良い味出していますね。


 「テラコッタはぜったいここには合わない!と思ってたけど、やってみたら意外や意外、すごく良くなりましたね!」
 と嬉しそうな棟梁Gさん。おいおい……
 まあ確かに、いまどきのおしゃれなリマの家なら、ふつう台所には御影石(グラニート)の板を使うと思います。


 グラニートは見た目が豪華で、大人気ですが、でもアパートの台所に小さいのを貼ってみて、私は後悔しました。
 へたってくると、作業台に寄りかかって料理する癖があるので(ということは大抵いつも寄りかかっているので)、御影石ではおなかが冷えてしまうのですよね…墓石と同じ素材ですもんね…


 テラコッタなら、御影石よりは温かみがありますし、手入れも楽そうで満足です。

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 ただ、高温焼成のタイルはとても硬いので、切り貼り作業は大変そうです。

 副棟梁Zさんが、火花を散らしながら細かく切っていました。
 今日はBGMはなし。騒音で聞こえないからだと思います。


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 今日はサッカーの国際試合はなかったので、棟梁GさんもいつものGさんに戻っていました、良かった。
 息子のA君と、噴泉の高さを決めているところです。
 A君はあまりGさんに似てないな、と思っていたのですが、笑うとそっくりですね!
 にじみでる愛敬があるところも、よく似ています。


 中庭の水盤の形は、よく見るとちょっと角が尖りすぎで、私が考えたのとは違ったものになっています…
 でも、これ作り直してとは、ちょっと言いがたく…


 四か月間、毎日のように会ってすっかり親しくなってしまったので、いまさら急に、うるさい施主に戻るわけにもいかなくて…
 ま、いっか。これもじきに目が慣れるでしょう。


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 駐車場の柱は、猫番君の担当です。
 今はとりあえず柱だけ立てておき、夏が来るまでに、板かなにかで屋根をのせるつもりです。


 猫番君はこの現場で、たくさんの新知識を得たそうで、「たぶんもう自分の家くらいなら建てられる!」と豪語しています。
 将来、小さな家の増築が必要になったときは、ぜひ自分の気に入るようにやってもらいましょう!


 …自分で家をまるごと作れるって、本当にすごいことですよね。
 ペルーで今までいろんな人に出会ってきましたが、やはり何か地に足のついた「もの作り」を生業にしている人たちが、お話もおもしろく、おつきあいしていちばん楽しいですね。


 それにしても、リマで家を建てて、友だちが増えるとは思っていませんでした。
 現場の作業は(順調にいけば)来週中にほぼ終るはずですが、たぶんGさん一族とは、これからも末長いおつきあいになりそうです。



2013年6月15日(土) 深夜1時半の室温22℃ 湿度72% 曇り
<暗雲がひとつふたつ>



 だまそ氏事件を除けば、たいへんな順風に恵まれたわが家の建築でありますが、いまちょっと雨雲の下に入っております。
 通り雨ですむか、引越し時期にまで影響してくるかは、まだわかりません。


 と言いますのは、エステバン師匠の助っ人として、扉制作をしていた職人さんたちから、とつぜん法外な労賃を請求されてしまったのです。とほほ。
 エステバン師匠とはこの18年、つねに口約束だけで一切問題なかったので、つい油断してしまいました。
 事前にきちっと文書化しておくべきでした。


 また最近その職人さんたちは、
 「パチャカマックまでの道が覚えられないので、扉の取りつけの日は車で送り迎えしてください」
 などと、どうにも納得いかない要求までしてくるようになっていました。
 (すでに二回も、師匠に連れられて往復したパチャカマックに、自分ひとりでは行けないなんて、そんなリマっ子がいるはずありません)


 要するに先方は、こちらが急いでいるのをみてとって、状況を最大限利用しようと思いついた模様です。
 こういうことが起きると、同じ人間として悲しくてやりきれませんが、仕方ありません。
 ともかく今日できる手だけは打ったので、あとはマチスタ社会のやりかたに従って、師匠と宿六の男性陣に解決してもらいます。


 でもいちばん困るのは、今後はもう、この助っ人をあてにできないことです。
 たとえ妥当な労賃で合意に至ったとしても、こちらがもう彼らを信頼できませんから。


 しかしR君が言う通り、必ずどこかに解決法はあるはず…
 来週は、扉と窓の制作順を、徹底的に考えなおしてみます。
 生活を始めるために、最低限必要なものだけ作ってもらい、残りは引越してから、という方法もありますから。


☆ ☆ ☆

 きょうはこの問題でげっそりし、重〜い気持ちで現場へ向かうと、そこではいつも通り淡々と作業が進んでおり、大いに心を慰められました…
 (棟梁Gさんへのお支払いは、すでにきちっと文書化された明朗会計なので、心配ないですし…)


 リマでの家の建設って、まず絶対に、こんな順調に運ぶはずがないんですよ!
 私たちは日に一回、ちょろっと顔を出すだけですが、ふつうは誰かが一日現場で見張っていないと、誰も働かなかったり、建材がどんどん消えていったり、いろいろ起こってあたりまえ、というのがリマの常識です。


 だから、助っ人事件くらいでへこんじゃだめですね。
 棟梁Gさんに出会った幸運に比べたら、ぜんぜん大したことない災難ですから。


 (…ただ今日はほかに、洗濯機の様子もおかしくて、それもちょっと参っております。
 頼むから今は壊れないで〜(T_T)
 現場にかまけてほったらかしのアパートは、修理の人を入れられる状況じゃないのよ〜!)


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 さて本日の現場。
 駐車場の柱の枠に、甥っ子L君がコンクリートを流しています。
 今日も現場中に響き渡る明るい声で、キャハハハハッと笑っていました。


 棟梁Gさんは、差し入れのエンパナーダとパステル・デ・アセルガ(ミートパイと青菜のキッシュ)を両手に持ち、なんだかふしぎな腕つきで?ぱくついています。
 タイルの仕上げに熱が入って、今日は昼食を忘れたそうで、一瞬で三個が消えました。


 そして右は、いつも黒のランニングを着ているので、副棟梁Zさんから「ランボイ」(Rambo+boy?)と呼ばれている若者。

 本人いわく、前にジャングル地方で蛇料理を食べたところ、以来まったく寒さというものを感じなくなった、のだとか。
 そして、チスピータ君が井戸で凍え&溺れそうになったあと、引き継いで掘り終えてくれたのが、ぜったい寒くないランボイ君だったのでした。
 たしかにチスピータ(火花)なら水に負けますが、蛇は水の神様ですもんね。巳年だけに蛇さまさま?


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 水盤のちょ〜っと妙な形は、まわりに同色のタイルを貼ったら、目立たなくなってきたようです。

 うしろの壁の白い斑点は、コンクリート壁の小さなへこみや穴を、石膏ペーストで埋めた跡です。
 下地だけ塗って真白な状態では、光が乱反射してへこみが見えないので、必ず色ペンキを下塗りしてから直すことになっているそうです。


 このあともう一回、仕上げのペンキを塗りますが、それはたぶん窓や扉の取りつけ後です。
 エステバン師匠は、作業中にトンカチをすべらせ、壁に穴をあける名人なので〜


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ちょっと大きすぎる煙突も、すでに見慣れてきました。
あとで白っぽく塗ってもらえば、もっと落ち着くでしょうね。


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 石の食器洗い槽は、うまくおさまるべきところにおさまりました。
 これはまちがいなく、一生ものですね、ここで洗うお皿のほうは、どんどん割れちゃいそうですけど。


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 甥っ子N君は、玄関のタイルに取りかかりました。
 夏の日射しの下では、ぎょっとするほど赤かったタイルも、寒々しい曇り日にはあったかく見えて、なかなかよろしいようです。



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