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2013年3月の「一服いかが?」



2013年3月8日(金)
<二代目棟梁、猛然と仕事中!……で、それはそれでやっぱり困ったことに…>
<バレンタイン小包>


2013年3月12日(火)
<私的計画断水の破綻>
<荒れ地における家の建て方>

2013年3月14日(木)
<荒れ地における家の建て方・その2>


2013年3月17日(日)
<金曜のパチャカマック>
<うそつきペルー人?(^。^)>


2013年3月26日(火)
<去りゆく夏>
<先週の現場>

2013年3月28日(木)
<隣人決定…やれくたびれた…>


2013年3月8日(金) 午後10時の室温26℃ 湿度67% たぶん晴れ
<二代目棟梁、猛然と仕事中!……で、それはそれでやっぱり困ったことに…>


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すっかり形のできた番人?小屋。
手違いで、ちょっとご立派に作りすぎてしまい…
それが予算全体に響いて、少々困ったことに…


 …だまそ氏が逃げた二日後、さっそく工事に着手した二代目棟梁のGさん(爺さんではなく40代)、どうやら大当たりです。
 ワヌコ出身の猫番君のお兄さんで、てきぱきしていて話が阿吽の呼吸で通じ、かといって不安になるほど調子良すぎたりはせず、いろいろ助かっています。


 ただ、ワーカホリックなGさんは工事を複数抱えているため、ふだんは雇われ棟梁氏が現場に詰めています。
 で、いろいろ話をしているうちに、その雇われ棟梁氏の身元がわかりました。
 にゃんと、むかしうちのアパート屋上に増築したとき、工事を途中でほっぽりだして逃げた棟梁Z氏の息子さんなんだそうで… 世間の狭さに驚愕!


 まあお父さんと息子さんは、まったくの別人格ですからね…
 今のところ何も問題は起きてませんし、私たちもむかしの話は持ち出さないように気をつけています。
 全部事情を知ってる猫番君だけが、にやにやしています。



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本宅?のほうも予想外の早さで進行中。
うしろの山は、冬になると緑に染まるQuebradaVerdeのロマス。



 当初の予定はこうでした。
 とりあえずありったけの貯金をはたいて、建てられるところまで建てて…
 でもペルーだから、どうせいろんな問題が起きて、ものすごく時間…いえ歳月がかかるに決まっているので、そのあいだにゆっくり土地の一部を売って、建築継続資金を調達すればいいや…


 ところがです〜〜〜
 このところ、かっ、加速度的に工事が進んでおり…(((゜д゜;)))(ここほんとにペルー?!)
 ちょっと目を離したすきに、窓のあるべきところが壁になってたりするので、連日通わないとならなくなってきました。
 と同時に、資金のほうも、あっというまに底が見えてきて… これは困った…ほんとに困った…


 いま、大あわてで土地を買って下さる方(つまり未来の隣人)を探しているところです。
 なんたる泥縄…私もすっかりペルー人。


 パチャカマックは近年妙に人気があるので、おおぜい見物にみえてますが、とりあえずみなさん、この山の眺めはお気に召すようです。

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私も二つのロマスが見えるのが気に入っています。
こちらは夕日に染まるJatocisaのロマス。


 夕方になって、「今日もそろそろパチャカマックに行かなくちゃ」と考えるとき(昼間は丸焼けになるので行けません)、なぜかしょっちゅう「小淵沢に行かなくちゃ」と言いまちがえてしまいます。

 写真を見ていて、その理由がわかりました。
 北東に見えるJatocisaのロマスが、小淵沢からやはり北東に見える八ヶ岳の形に、ちょっぴり似てるんですね。


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小淵沢からの八ヶ岳(左)。
八ヶ岳らしい長い山並みではなく、長いへびを真正面から見た、という感じの眺めです。


 父が亡くなったあと、哀しくて小淵沢には寄りついていないので、もう二十二年は行ってないのですねえ。
 この写真もすでに十年ほど前のもの。
 私の好みで植えてもらった、桜や枝垂れ桜のひょろっとした苗が、今ではたいへんみごとなことになっているそうです。
 いつの日か、花ざかりに行くことがあるかしら??


 八ヶ岳の雪渓もいいですね、あ〜本当は、これくらい寒い気候のほうが、私は好きです!
 でもがんばって、パチャカマックを好きになって、根をおろさなくては。



<バレンタイン小包>


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バレンタイン小包。にしては渋い味わい。

 十二月に成田で出した船便が、バレンタインに届きました♪
 東京出発前夜、スーパーで欲張りすぎて入りきらなくなったものを、空港の郵便局(とても親切)で箱詰めにしてもらったのです。


 pacollamaさんたちに頂いたこんにゃくごはんと大根おろし器も、この船便で到着!
 こんにゃくごはん、これはすごくいいですね(宿六など、お米にまざっていることにまったく気づかず)。
 そのうち船便でたっぷり取り寄せようと思います。


 大根おろし器は、当地でやむなく中国製を買ったら、それはそれはすばらしい代物で、野菜をおろし終えるより先に、刃がはずれて落ちるという…
 使いやすいのが届いたので、ストレス源だった中国製はただちに廃棄。


 空港で買った虎屋の羊羹は、これだけで3キロもあります、船便に限りますね。
 インスタントラーメンは、好きでもないのになんでこんなに買ったのかな?(記憶なし)
 お味噌はたっぷりストックができて一安心。
 八丁味噌だけが本当のお味噌、と私は思うので、宿六も同じ嗜好になるよう鋭意教育中です。


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 三月に入り、柱サボテンのサン・ペドロ君開花。
 今年は大サービスで、十ほどつぼみがついたので、当分楽しみが続きます。


 今年のつぼみ群の下に、去年のつぼみが落ちた跡が残っていますが、一年でこれだけ伸びたということですね。

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 小さな鉢でもここまで育ったんですから、地面におろしてやったらさぞはびこることでしょうね。
 しかし2メートル以上に伸びた柱サボテン、どうやって引っ越せばいいのでしょう?…
 折れても土にさしておけばすぐ復活しますが、でもできれば無傷で運びたいですものねえ。


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夏の食卓。
オクラ入りカレー(ごはんはこんにゃく米とキウィチャ、麦入り)。
枝豆。蕪ときゅうりのお漬物(ヨーグルト利用の自家製)。
冷たい温泉卵のサラダ、黒ゴマドレッシング。そしてビールはドイツ製に限る。



 料理も毎日三食、地道に地道にがんばりつづけております……
 あまりにもいやでいやで、最近はかえって無感覚になっているかも。



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日曜日、市場めぐりのあとの昼食。

 あさり、えび、いか、lapa貝(写真を見る限りヨメガカサの仲間)のスパゲッティ。
 焼き茄子のサラダ。
 robalo(ニベの仲間)の卵のオリーブオイル焼き(ものすごくおいしい!)
 ワイン(アルバリーニョ)に入っているのは凍らせた葡萄です。


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 二月はへんに涼しかったリマ。
 きのうきょうはうってかわって、30℃を超える暑さ(リマの感覚では酷暑!)でした。
 それでも家の中にいれば、冷房なしでも汗ひとつかきません。そういうところはリマって最高!


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暑さのせいではないでしょうが…
Weather Undergroundさまご乱心。


真昼にマイナス9999℃の嵐とはいったい…


2013年3月12日(火) 午後7時の室温24℃ 湿度69% 晴れのち曇り
<私的計画断水の破綻>


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台所の一角を占める大きなゴミバケツ。
中に入っているのはぜんぶ、ただの水道水。


 いま住んでいるところは、2000年ごろ建てられた古いアパートで、水道メーターが棟ごとにしかついていません。
 なので毎月、管理人(住人のまわりもち)が集金して水道会社に払う、というめんどくさいシステムです。


 さらに運のわるいことには、同じ棟に入っている十軒のうち四軒がだらしのない人たちで、合計で20万円ほどの水道料金を滞納しています。
 毎月平然と、「お金がないから払えませ〜ん」と支払いを拒否するのです。
 (ものすごく差別的発言かもしれませんが、真実と思うので言ってしまいますが、「あまりお金持ちではない白人系リマっ子」には、おつきあいするのがむずかしい方が多いですね…)


 今までは、善意の数軒で不足分を負担しあって、なんとかやってきました。
 しかし先日の住民会議で、とうとう善意のみなさんがぶち切れました。


 水道代未払い組は、だれも出席していなかったので、
 「これはちょうどいい! 次の月曜、連中には予告しないで水道を止めることにしよう!なんてグッドアイデア!」
 …ということになってしまったのです。


 前に水を汲み上げるモーターが故障、断水したときは、未払い組もみなすぐ修理費を出したので、その手を使って少なくとも1,2万円ずつは徴収しようじゃないか、というわけです。
 もし彼らがすぐ払えば円満解決。しかし払わないときには、火曜まで断水を続けて圧力をかけるそうです。
 うちはもちろん大反対しましたが、5対1でどうしようもありませんでした。えーん…



 さて運命の月曜を前に、土曜には早々に地下水槽のモーターが切られました。
 たぶん日曜いっぱいは屋上タンクの水がもつはず、というのですが、ペルーで予定通りにことが運ぶはずがありません、私のカンでは、日曜の午後までもてば上出来です。


 そこで土曜日に、大きなゴミバケツ六個、ふつうのバケツ五個、水差し多数を買いこみ、台所やバストイレ・テラスなどの戦略ポイントに配置、水道水をいっぱいに入れました。
 さらに、ミネラルウォーターの空きポリタンク(21リットル入り)3個と、ふだんあまり使っていない浴槽も水で満たしました。


 そして市場へ行く日曜は、水がなくならないうちに…と朝からせっせと野菜を洗い、ごはんも余分に洗って炊いて冷凍、ついでに日持ちする煮物も製造…、調子が出て止まらなくなったので、猫餌の作りおきや、できるかぎりの洗濯も済ませ、これで一安心と思ったところで、ぴたっ!と水が出なくなりました。

 まだ午後5時でした。やれやれ、悪い予感だけはいつも当たりますわねえ。
 私の大奮闘のせいで、若干水の減りが早まった、というのもあるかもしれませんが…



 ややあって、終日海で遊んで帰宅した水道料金未払い組が、「水がない!」と絶叫する声が聞こえてきました。  ……高まる期待。この機会に、ぜひぜひお支払いくださいね!

 その晩、宿六はサウナへ行き、私は溜めた水を使って、シャワーブースでばしゃばしゃしてから休みました。
 涼しい一日で幸いでした。猫は水なしで身体を洗えるからいいなあ。


 さて翌朝。驚いたことに9時には水が出始めました。
 おお、さっそく未払い組が支払いましたか、意外に素直じゃん、と思いましたがぬかよろこび。
 実は裏切り者がひとり出ただけでした。
 自分が水を使いたくなったものだから、外回り掃除の人を脅迫し、モーターのスイッチを入れさせたそうで…


 でもじゃあ先週の、一時間以上かかった話し合いは、いったいなんだったのでしょう?!
 この日に合わせて、わざわざ親戚に避難したお年寄りだっているんです。
 そういう努力が、ひとりのわがままでぜんぶパーになりました。
 そうだそうだ、ゴミバケツ代もかえせ〜(笑)(まあこれは現場で使うからいいけど…)


 さいしょ冗談じゃあない!と思った断水作戦でしたが、途中からけっこう楽しくなってきて、いそいそ籠城準備をしただけに、もうガックリです。あ〜あ、溜めた水どうしよう。
 じぶんの労力がもったいなくて、火曜現在まだ捨てておりません。


 今後の水道料金問題については、あす水曜にもう一回協議するんだそうです。
 でも「びっくり断水作戦」は、未払い組にも手の内が見えてしまったでしょうから、再びやっても無駄と思います。
 ああもうどうでもいいわ、勝手にみんなのいいようにしてちょうだい…


 これだからやっぱり、リマのアパート暮らしはたくさんです。
 いえね、隣人にさえ恵まれれば、こんなアホな事態にいちいち陥らなくても済むのですが、うちの棟は問題児そろいすぎ。



 …長年ペルーで家を借り歩くうちに、リマの賃貸アパート暮らしの悲哀は味わいつくしました。
 それでがんばって自分のアパートを買って、でもそれにも懲りて今度は家を建てているわけですが、たぶん一軒家にうんざりする日も、必ずやってくるに違いありません。
 そのときはもう、お墓にでも入居するほかなさそうですね〜


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お風呂にもたっぷり水が溜めてあります…猫が泳ぎませんように。


(この写真はだいぶ昔の、新築当時のもの。
ハスミン猫、今よりだいぶ色が濃いですね。
犬猫も年齢とともに、だんだんパステル調になっていくんですよね)

<荒れ地における家の建て方>


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荒物屋さん通いの日々です…
心底興味が持てず、宿六まかせですが、このスペインカラーはちょっと気に入りました。


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 そんな私でも門前の小僧で、だいぶペルー式の家の建て方がわかってきたので、少しご説明します。
 まず柱を建てる場所に深い穴を掘り、鉄筋をさしこみます。


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 次いで大量のコンクリートを流し込み、大きめの石をどぶんどぶんと投げ込みます(セメント節約のため)。

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 しっかりかき混ぜて隙間がなくなったら、固まるまで待ちます。

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本日のお料理には「セメント・アンディーノ」を使っております。
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 壁を立てるところは、やはり溝を掘ってコンクリートを流して基礎を作り、そこに煉瓦を積んでいきます。
 次いで、柱になる鉄筋のまわりにこうして木枠をとりつけ、水溶きセメントと小石を流し込みます。


 そのあとは、
 配管配線の下準備、床にコンクリートを流す、屋根の枠を組んでコンクリートを流す、それがぜんぶ乾いたら壁にモルタルを塗る
 …という手順です。


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玄関先になるはずのところ。


 当地の中流以下のアパートは、玄関ドアをあけるとすぐ居間、という作りが多いです。
 とても落ち着かなくて、それが長年とっても不満でした。
 来客側から見れば、散らかった室内が一望のもとで、それはもうたまりません。


 そこで今回はがんばって、小じんまりした玄関ホールのスペースを確保しました。
 ある意味むだなスペースですが、そこだけ片付けておけばなんとか恰好がつく、という意味で、私の夢のお部屋です。

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 代理棟梁Z氏がちょろっと口走ったのですが、棟梁G氏からは、「今度の家、ずいぶんややっこしい作りなので、協力頼む」という理由でかりだされたそうです。
 たしかにわれながら迷路のようなうちです。その奇妙な構造がだんだんはっきり見えてきました。


 写真は、居間から小さな中庭を見たところ。
 マラケシュで泊った部屋の、中庭のまわりをぐるぐるエンドレスで歩ける作りが好きだったので、それも参考にしました。猫たちのかけっこにも都合がよさそうです。


 奥には、だいぶモルタル塗りが進んだ番人小屋が見えています。
 瓦を載せて、壁を石膏仕上げにしたら、アンデスのかわいいおうちみたいになりそうなんですが、そのへんの予算のめどはまだまったく立っておりません……


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 きのうは、しんどかったけどまた現場に行って良かったです。
 本棚になるはずのところが、窓になってるのを発見しましたので。あぶないあぶない…


 もっとまちがいがありそうなので、メジャーを持って現場を歩きまわっていたら、とつぜん代理棟梁Z氏の叫び声が。はっと足元を見ると、Z氏の携帯、地べたで充電中でした。

 携帯にちょっとビニール袋をかぶせて、飛ばないように石をおいておく、というこの感じ…
 どう説明したらいいかわかりませんが、ものすごくペルー人的!です。
 実にいろんな場面で、「ビニール袋でちょっと隠して、石ころでおさえる」的行動をとるんですよね、ペルーの皆さんは。


 こういうことをしておけば、誰かが踏んだり、お砂糖たっぷりの炭酸ジュースをこぼしたり、強風が吹いてビニール袋が飛んで携帯が砂だらけになったり、等々の各種災難がじゅうぶんに想定できます。
 また実際そういう災難が起きるのですが、それでもまた次の機会には、「今度は大丈夫だろう」とビニール袋をかぶせて石ころで押さえておく…
 なんというか、人生全般で、似たような発想の行動をなさるのです、親愛なるペルーの人々は。


 でも人生って、いかに熟考してあらゆる災難予防策をめぐらせておいても、必ずどこかで一度はこけるので、どうせ同じこけるんだったら必死に予防した上で無残にこけるより、気楽にしておいて大方の予想通りこけるほうが、むしろ傷は浅くてすむような気もしますね。
 少なくとも、そういうふうに人生を考えるようになったら、さっさとペルーに引越したほうが楽に暮らせると思います。


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パチャカマックの夕焼け。
アパートからの夕景には未練たらたらですが、パチャカマックにも夕焼けがないわけではなく…



 あすは、土地購入希望者・第一号さまご夫妻と会合の予定です。どうか良い具合に運びますように。
 アーメンソーメン冷そうめん。


 そうそうきのうは、S家のK子様から養々麺(インスタントの超おいしいおそうめん)を頂き、それから今日はデビッド・ボウイの新作CDが出ました♪
 明日も良い日にな〜れ!




 (…人生初の洋楽は、10歳ごろにはまったボウイのDiamond Dogsでしたが、そういう古なじみのお爺さんが今なお、「聞いたことない感」あふれる新作を出すのは、喜ばしい限りです。
 さいきんの若いもんの、どっかで聞いたようなコピペ音楽とは、風格が違いますね)



2013年3月14日(木) 午前11時半の室温25℃ 湿度66% 晴れ
<荒れ地における家の建て方・その2>


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 きょうは壁の作り方をご説明します。
 (さいきん、ひどく埃っぽい写真ばかりですみません)
 まず地面に溝を掘ってコンクリートを流します。


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 コンクリートが固まったら、その上に壁の厚みに合わせた木枠を組みます。

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 その木枠にコンクリートを流し込み(いれものはお手近の灯油缶などを利用してください^_^)、完全に固まったら木枠をはずし、上に煉瓦を積んでいきます。
 以上。おわり。


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配管の準備。


 …これ、どこに埋めたか覚えておかないと、あとでなんかやっちゃいそうです…
 アパートの屋上で工事していて、水道管に穴をあけた前科もあるので…


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 小さな家は、かなり完成に近づいてきました。
 壁塗りと瓦は、予算がもうぜんぜんないので(ああどうしよう…)あとまわし。


 私がちゃんと設計図を確認しなかったせいで、この家は天井が必要以上に高くなってしまいました。
 いちばん高いところは3メートル、ここに住む人は豪勢なクリスマスツリーが飾れます…


 これが当然お財布に響いて、それでいま苦しいわけですが、冷静に考えると、家を建てたあとの経済的完全疲弊状況において、そもそも人なんか雇えるのか?…という疑問にぶちあたります。

 小さな家はあとまわしにすべきでした…いまさら仕方ないですけれど。

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 小さな家の内部。
 手前が食堂兼居間。
 左のドアがトイレとシャワー室で、右手が天井のあいた洗濯場。
 あいだの短い廊下の先が寝室です。


 アンデス出身の若い夫婦者に来てもらって、将来的に家族が増えたら(きっと増えます)、奥の窓の向こうに一部屋足して…みたいな未来を思い描いています。

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 大きな家のほうは、正面の柱がだいぶ進んでいました。
 ほんとちゃんと働くんですよね、この人たち…
 きのうなんか現場監督いなかったんですけど、みなさん黙々と作業していました。
 これはリマではなかなか恵まれない幸運です、本当にありがたいです。



 きのうは土地購入希望者・第一号さんにもお目にかかってきました。
 たいへん感じのいいご夫婦で、「とにかく静かな隣人を…緑の多い空間を…」ということで、ここが大いにお気に召したようです。


 両家を仕切る内部のレンガ壁はやめにして、生垣にしてはどうか、という良いアイデアも頂いてきました。
 気の合う、信用のできる隣人なら、そういうことも可能なんですよね。
 高めの生垣で仕切れば、見た目が広々する上に、予算的にもだいぶ助かります。


 いまはご家族や銀行と資金交渉中で、週明けに結論が出るそうなので、それまではほかのお客さんにも当たりつつ、楽しみに待とうと思います。
 ああでも、できればあの人たちが買って下さるといいんだけどなあ。


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 書庫になるはずの小部屋。
 ここはまだ、本棚スペースが窓になったままなので、あすまたチェックしてきます。
 さすがに毎日通うのはたいへんなので、大工のエステバンさん(名誉総監督)とできるだけ交代で行くようにしています。




 あっ、それから水道代金の件ですが、昨晩の再度の話し合いでは、断水の話はもうぜんぜんなかったことになってました…
 もう一度断水するかも?と、いまだにとってある汲みおき水は、できるだけ植木や水槽などに使おうと思います… あ〜あ。
 青い新品のゴミバケツ、どうしよう。白菜でも漬けますか…




2013年3月17日(日) 午前11時半の室温26℃ 湿度65% 晴れ
<金曜のパチャカマック >
…話題がこれしかなくて申し訳ないです


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 今日17日はせっかくの日曜なのに、リマ市長のリコール選挙(ああなんたる時間の無駄…)のせいであちこち混雑し、うちにいても外から騒然とした雰囲気が伝わってきます。
 これじゃお昼寝もできないので、サイト更新でもいたしましょう。


 金曜は、急遽配管部品が必要となり、荒物屋さんへ走りました。
 ふだん「雑然としたペルー」「ばっちい(失礼)ペルー」には、極力目を向けないようにしているので、なんだか目新しくて写真撮ってしまった。
 こういうお店では、どんな細かな商品でもしっかり店員さんの頭に入っていて、POSシステムなんかなくても有無を即答するので、感心してしまいます。


 それにしても、ペンキは売るほどあるでしょうに、お店もたまには塗りかえればいいのにねえ。
 …リマの人ってなぜか、このどたっとした黄色、好きですよね。山吹色…黄金色?だからでしょうか?


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 この長いの(正式名称知りません)、フロントガラスにくっつくまで押し込んでも、やっぱりはみだすので、リアハッチは半開きのまま、そ〜っと走って現場へ。

 リマでは半開き走行車、ねんじゅう見かけますが、はみだしたものには必ず赤いぼろ布が結び付けてあります、そういう法律でもあるんでしょうか?
 いずれにしてもみなさん、赤ぼろ布を常備してるのかなと長年の謎でしたが、何も言わなくても荒物屋さんが括りつけてくれました。にゃるほど。


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 金曜日の現場。
 壁がだいぶ背丈を伸ばしています。


 うわっと思ったのは、煉瓦を積んで板を渡したのを踏み台代わりに、高いところを積むんですね。危ないですよねこれ…
 道理でときどき、高所から落ちて粉砕したとおぼしき煉瓦をみかけるわけです…

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 平屋根ばかりのリマで、長年あこがれていた三角屋根。
 壁の形から、少しずつその様子が想像できるようになってきました。


 資金不足(T_T)等の心配が多く、せっかくの家の建築もすなおに喜べずにおりますが、これだけ形が見えてくると、如何な心配症の私もちょっと嬉しい…
 (…家なんていくらペルーでもそうたびたびは建てられないんだから、もっとちゃんと楽しまなくては。でもいろいろ心配がありすぎるのよ…)


 じゅうぶんな雨が降らないので、のちのち屋根に埃がたまり、掃除に困るのは覚悟の上です。
 でも三角屋根にしたおかげで、クローゼット上にも大きな収納がとれそうだとわかってきました。
 そういったあたりは「さすがのペルー式」。途中まで建ててから棟梁が気づいて、教えてくれました(笑)


 いちおう設計図はありますが、ぜんぜんあてにならないので、窓の高さ、屋根の勾配、仕切り壁の位置…、なんでもじわじわ建て進めながら、ひとつひとつ決めていく、という風です。
 わるく言えば計画性ゼロですが、そのぶん融通がきくのは助かります。


 もちろん、平屋だからそんなのんきなことができる、というのもあります。

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 小さい家は、来週配線を終えて床にコンクリートを流したら、ほぼ完成。
 みなさんジュースで一服しているところ。
 (棟梁Zさんのファッションが、なかなか斬新〜)


 広角レンズなので大いに強調されていますが、それにしてもちょっと広すぎました、将来アンデスからうちに働きに来る人は、少なくとも家だけは気に入ってくれることでしょう…

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日はとっぷり暮れましたが、明りをつけて残業中。
ここは夜になると、ちょっと不安なほど静かです。
アンデスにでも来たようです。


 そういえば先日はなぜか日曜も工事してましたし、ほんとやる気いっぱいの人たちです。

 現場関係者は、
 ・できるだけひとつの工事を長引かせ、日当を余分に稼ごうとするタイプ(^_^;)
 ・できるだけ早く手持ちの工事を片付け、どんどん新しい仕事を確保して稼ごうとするタイプ
 の二種に大別できますが、この人たちは明らかに後者。


 「今週は小さい家の仕上げがあったので、大きい家がはかどらなかったっ!」とZ氏が悔しそうに言っていました。
 こういう雰囲気のほうが絶対ありがたいですが、しかし行きすぎると手抜き等の危険も出てくるので、つねに施主側では(できれば憎さげな顔つきの男性が)現場に顔を出し、「しっかり見てますよ」アピールをする必要があります。


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 し〜〜〜んとした現場から、1ブロック歩いて外に出ると、こんな感じで騒々しいです。
 このギャップがけっこう好き。私はやはり都会のスズメ、真の田園地帯には住めません。


 パチャカマックは、ペルー海岸部のどこにでもありそうな活気に満ちた小さな町で、最低限の日用品店と、無数の郊外レストランがあります。
 また車で少し走ったところには、スーパーマーケットのPlazaVeaもでき、以前よりはずいぶん便利になってきました。


 それでも引越し後は、どうしても週一回はリマへ買い出しに行かないとならないでしょうね、和食の材料等はこのへんでは手に入りませんから。
 まあ空いていれば片道30分だから、70歳くらいまではなんとかなるかな?(宿六の父親は、80代でもまだ運転しているようですし…)


 先々のことは、またそのときになったら考えましょう。
 ペルーに骨を埋めよう、というまでの気持は、まだないので。


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 金曜夜にパチャカマックからリマに戻ると、右の上り車線はがらがらです。
 そのかわり、南へ下る左の車線は、自家用車で大混雑。


 残り少ない夏をぎりぎりまで楽しむため、みなさん海辺の家にいそいそ向かっているのですね。
 あーでも日曜には投票だから、今週はすぐまた戻ってこないとなりませんね。

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わずか三日半で飛んできたホワイトデー小包。
私がリマで受け取ったEMS小包の、最短記録かも!



 先日、画材や靴、DVDを東京から取り寄せたのですが、あまりにも早く届いて腰を抜かしたので、そのお話。

 3月11日夕刻、東京の郵便局に持ち込まれた荷物が、左記の通り14日10時20分にお届け済み…というのはさすがにちょっとウソですけど、それでも14日午後早くには我が家に到着。

 つまり時差を考えても、正味三日半!でリマのうちまで届いたことになります。
 きっとたまたま飛行機便との接続が良く、リマでもたまたま通関の人のご機嫌が良かったのでしょう。


 リマで郵便物が通関に引っかかるとめんどうですから、まっすぐうちまで届くと、たいへん得した気分になりますね!
 通関に引っかからないコツとしては、


・小さな箱なら1キロ程度、大きめの箱でも2キロ半くらい?までの、要するに「持ったときあまりずしっと来ない重さ」であること。
・内容物の金額が、送料こみで200ドル以下であること。
・中身が主に加工食品であること。


 というのが大切で、これらの条件を満たしていると、まっすぐ家まで配達されることが多い…ような気がします。
 でも、物事がうまくいっていない年には、どんな小さな荷物でも厄介に巻き込まれるので、ほんとは「受取人の年運しだい」なのかな…


 惨憺たる日々がつづいた過去数年ですが、今年はひさしぶりにけっこう順調な気がします。
 (棟梁に一回逃げられたくらいは、ペルー的にはどうってことないです、翌日には代わりのもっと良い人が見つかりましたし)
 どうかこの幸運が、とりあえず明日月曜までは続きますように……合掌。





2013年3月17日(日) 午後5時半の室温26℃ 湿度60% 雲の多い晴れ
<うそつきペルー人?(^。^) > 
…選挙があんまりつまらんのでまた更新


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ペルー人はプライドが高くうそつき?なの??
(ワンカベリカの新年のお祭りに登場する、Waqrasenqa(大鼻))



 JCASTニュースというサイトで、たまたま見かけた話題。
 クレタ人は嘘をつかないとクレタ人が言いました、的なお話なんですが、以下同サイトから。


 「2013年3月15日に日本テレビ系で放送された「ネプ&イモトの世界番付!」のランキングに納得できないと疑問の声があがっている。
 同番組が発表した「嘘つきな国ランキング」は、「あなたは嘘をよくつきますか?」という質問に「はい」と答えた人の割合から算出。世界39か国3900人以上からアンケートを取ったものだ。1つの国で100人程度のサンプルなので、そう厳密なものではない。
 嘘つきな国の上位は1位ペルー(39.1%)、2位アルゼンチン(33.6%)、3位メキシコ(32.7%)の中南米勢が独占。嘘を気にしない大らかさとプライドが高く言い訳が多い国民性が原因かと番組は分析している。
 続いて4位に日本(31.8%)がランクイン。スタジオでは出演者も驚いたような表情を浮かべた。」


 (以下は例によってはやりのつまらん韓国批判なので略)

 なんでここに我がペルーが出てくるのよ〜と笑いましたが、それにしても意味のない分析してますね。
 大らかさとプライドの高さ、両立しませんってば。(だいたいがアルゼンチンといっしょにされたらかなわない(笑))


 これは単に中南米勢が正直なだけでしょう、人間として。
 むしろ、プライドが高すぎて、こみいった言い訳がむやみに多いのは、日本人ではなかろうか…と。


 私の印象では、ペルー人は日本人同様に(そしてたぶん世界中のあらゆる国の人と同じに)よく嘘をつきますが、単にそれが下手ですぐバレて大騒ぎになるので、「またつまらぬ嘘をついてしまった…」という実感が強いのかもしれませんね。

 私だったら、嘘が必要な状況になったら、詳細に状況設定して、決して破綻がないようにきちんと嘘をつこうと努力しますけど(嘘をつかれる相手のためにも)、ペルー人の嘘は、大抵がその場しのぎタイプで、さいしょから辻褄合わせなど考慮していないような気がいたします、嘘をつかれた数十回程度の経験からは。

 あと、もしこんな質問されたら、大半がノリで「はいはい、私は嘘つきですよ!」と嬉しく答えちゃいますよね、いまどきの都会の日本人やペルー人だったら。

 意味のない話題ですが、リマ市長リコール選挙よりはおもしろいのでちょっとご紹介。



2013年3月26日(火) 午前10時の室温23℃ 湿度68% 晴れてきました、午後は暑くなりそう
<去りゆく夏>

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 初秋の空によく似合う、西洋朝顔(ほんとは新大陸朝顔とでも呼ぶべきですよね)
 小さな鉢に植えたのはいまひとつで、余ってほかの植木の根元に捨てたのが繁茂しています。


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 夏ごとに、パンアメリカン道のリマ・アシア間をうめつくす巨大看板。
 今季の新作中では、これがちょっと好き。麦畑の中のビールびん。
 でも、こうして青空を背に引き立って見える日々も、あとわずかでしょうね。

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 雨季のアンデスのおいしいものも、今のうちです。
 マンタロ渓谷からはるかに見えるHuaytapallanaの、湿地や湖でとれたcushuro(クシューロ)。
 ネンジュモ(念珠藻)の一種で、学名はNostoc sphaericumだそうです。


 小粒のぶどうほどの大きさに、寒天を丸く固めたような歯ごたえです(成分はまさに寒天そのものなんですが)。
 例のしょうもないNovoandina系カリスマ料理人たちが、アンデスのキャビア、などとばかなことを言って(大きさといい味といい、どこがキャビアよ…)変な使い方をしていますが、冷やして酢醤油と辛子で、というのがいちばんです〜
 サラダに入れるのもおいしいです。栄養価は意外なほど高いそうです。


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 雨季といえばこれも。つやつやしたカプリの実。
 背の高い木に鈴なりになって、アンデスの雨にしっとり濡れたところが目に浮かびます…


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 街路樹の暑苦しい花。
 蜜が豊富で、蜂が無数にたかるので、これが窓の近くで咲くと険呑です。


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 ひさしぶりのミラフローレス。
 こんなに晴れても、やっぱり水平線はかすんでいます。リマですねえ。


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 焼けつく浜で、よくじっと座っていられるなあと思うのですが…
 点景としては、そこにいて下さって嬉しい。


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 海辺のアパート群、新しいヨットハーバー、「アランの聖母」(ガルシア前大統領の迷惑な置き土産)…と、少々バブリーなリマの眺め。
 海がひときわ青く見えた日に。



<先週の現場>


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ワンカベリカの馬。
ぜんぜん関係ないですが、馬の話になったので。
あ〜アンデスに行きたいなあ、久しぶりに。



 「土地の一部を転売して工事費にあてよう」という、水も漏らさぬ計画の水漏れだらけのその後ですが…

 土地購入希望者・第一号さんは、家庭内会議で合意に至らず、いま現在商談からは脱落中。

 次いで、土地を買ってレストランを開きたいという女性と、「Caballo de paso用の馬を飼って、馬場のあるMamacona(パチャカマック遺跡の近く)に通いたい」という男性が登場。
 これは残念ながら、こちらからお断りしました。


 昨年やはりパチャカマックで、馬を数頭飼っているおうちを拝見したことがあります。
 金満家〜♪(いいねえそういうのになりたいねえ)という雰囲気は特にないお宅でしたが、ペルーは広くて土地もまだまだ安いから、個人で馬を飼っちゃったりする愛好家も別に珍しくないのでしょうね。意外に優雅なものですよね。


 とはいえ隣家に馬、というのは困ります。
 馬のいななきで目を覚ますなんて風情はありそうですが、散文的なハエも来ますから…


 以前みえたおもしろい購入希望者といえば、「土地をぜんぶ買って高級犬?の飼育所にしたい」なんてのもありました。犬牧場?なんでしょうか…
 ご近所中から恨まれそうなお話だったので、詳しく伺いもしなかったのですが。



 そんなしだいで、引き続きパチャカマックの荒れ地でじっと獲物を待ちうける、クモかアリジゴクみたいな心持ちの日々です。

 ただ幸いにも、聖週間に入ったリマは空気が澄みわたって美しく(場所にもよりますが)、パチャカマックの売り地もふだんより見栄えがするようです。
 おかげでここ数日、有望な購入希望者さんが次々蜘蛛の巣にかか…いえ訪問してくださり、かなり具体的な話も出始めています。


 近年のパチャカマックといえば、「傍若無人なお金持ちが、むだに大きな車を駆って、Don Cuchoの大盛りレストランへいざいざ〜」というイメージですが、うちを訪問して乗り気になってくださるのは、不思議なほど人品いやしからぬ方々ばかり。
 驚きとともに、ちょっとリマを見直しております。



 工事のほうは、屋根をかけるところまでは、財政的に綱渡りですがなんとかなりそうです。
 なのでもし、数週間のうちに隣人が決まれば超幸運です、そしたら仕上げまで一気にやっつけられます。
 でも決まらないときは、しばらく工事を中断するのも、いかにもペルーらしい興味深い経験になるだろうと達観してます。ほんとはやだけど。


 現場監督Gさんは、「きりのいいところまで片付けないと気もちわるいので、お金貸してもいいです」なんて言うのですが(おおぜい雇っていて責任があるので、たとえ支払いが少々遅れようと、全員の仕事があるほうが望ましい由)、まさかそういうわけにもいきません。

 このGさん、仕事に対して大きな感謝の念を持っている人で、「仕事がある」ということ自体を天の恵みのように喜び、ダマソさんみたいに細部にいちいち文句を言ったりしません。
 90年前後の経済危機を今でも忘れない、働き者ペルー人の一典型です。
 で、そういう人のところには、ますます仕事が集まるんですよね。見習いたいです。


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 小さい家は床ができました。
 磨いたコンクリートの状態で、とりあえず完成。
 ゆくゆく余裕があれば、床板なりタイルなり敷きますが、アンデスから来る人は普通そんなことは気にしません。


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本宅?では、屋根をかける準備が進んでいます。
この木枠の上に煉瓦を載せ、セメントを流すわけです。


 屋根は、私がややこしい組み方を思いついたせいで、材料費がたいへんそうです…
 でもちょっと助かったのは、配線工事のため地面を掘っていたら、ここほれワンワンで大量の鉄骨が出土したこと!(笑)


 ダマソ氏が、夜間の盗難予防のため埋めておいたのを、みんな忘れ果てていたのでした。
 (日本で鉄を埋めたら錆びちゃうと思いますが、ペルー海岸沙漠ならではのおもしろい隠しかたですよね)


 おかげで鋼材はほぼ足りそうで、これはほんと助かります…

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 小さな中庭スペースも、それらしくなってきました。
 ここにごく小さな水盤を据えて、水音をたてさせたいなあ…
 (妄想の世界。実際にはそんなことしたら冬が寒すぎると思います)


 なお、柱が曲がってるぽいのは広角レンズのせいです、G棟梁の名誉のために書き添えます。
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丸い柱の作り方。
あふれる手作り感がたまりません…


 先日NHKで、大正時代の地下鉄工事の映像を見ました。
 すべて手作業で、なんかうちの現場そっくりの雰囲気でした。


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 まだ昼間は暑いので、コンクリートがよく乾きます。
 丸い柱もあっというまに出来上がり。
 多角形に見えますが、たぶんモルタルを塗って丸く仕上げるのでしょう。たぶん。


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 屋根の木枠は、下からこういう棒杭で支えています。

 何度も再利用する棒杭なので、うちにちょうどいい長さの棒など、一本もありません。
 そこで発揮されるのが、ペルー人ならではの創意工夫です!


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 日本人だったら、材料が足りないから無理、と最初からあきらめるような場面でも、ペルー人は忍耐強くありあわせのものを使い、きっちり結果を出すのであります!

 ここでは二本の棒を針金で結び、さらに煉瓦と木切れで高さを微調整しています。
 ちょっとすごくない?^_^


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 こちらも煉瓦二種と木切れを使って、絶妙のバランスを実現!
 …まあその平屋ですから、余裕で笑っておりますが、私もペルーで複数階の家を建てる勇気は、ちょっとないかも。

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 おっと、これは失敗! 棒杭が宙に浮いてます。
 煉瓦三個と木切れ三枚という複雑すぎる積み木には、無理があったようです。


 作業の人がここに屈みこみ、三途の川の石ころ、もしくは峠のアパチェタみたいにひとつひとつ慎重に積んでゆくところが、目に見えるようです。
 ああたまりません、ペルーの人って(たまに耐え難いこともあるけど)好きだわやっぱり。


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 気分をかえてちょっと付近をドライブ。
 パチャカマックは畑や家畜の多いところなので、こういうアンデス的情景によく出会います。
 緑の山の両わきに、サイドミラーが生えてます。のどかですねえ。


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ややっ、鄙にはまれな美男猫!

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 声をかけあって、三々五々、夕方の集会に出かける野良犬たち。

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 リマへの帰路、見かけたバス。
 エンジンの過熱防止に、自分で穴をあけたのでしょうか?
 ほとんどきれいにできたけど、湾曲部分では苦戦した模様。


 見てたらなんか、人生このままでも別にいいか、という気分になってきた……

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 さておととい日曜も、蜘蛛の巣番のため現場へ。
 門をあけてびっくり。なぜかみなさん、働いているんだわこれが…


 聖週間は聖金曜日だけ休むので、そのかわりの休日出勤だとか。
 あなたがたは、どうしてそんなに働くの?!


 ぜったいにペルーを、ほかのラテンアメリカ諸国といっしょくたに語ってほしくない理由が、ここにあります。

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煉瓦の山と朧月。
右側に積まれた穴の大きな煉瓦は、屋根用です。


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 ケブラーダ・ベルデの夕暮れ。
 (街灯がオレンジ色に輝くあたりも、十年前には冬ごとに緑に染まるロマスでした)


 雨が多い今年は、ルリン川もかなり増水しています。
 ほんとはケブラーダ・ベルデのもっと近く、写真のあたりに住みたかったのですが、気候がどう変わるかわからない今、川にあまり近いのは考えものかもしれませんね。


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 お月見ポーチ(になるはずのところ)から仰ぐ月。
 少なくとも月の出の方角は、まちがえていなかったようで一安心。


 きのう月曜は疲労困憊して休みましたが、今日はまたこれから現場いってまいります。

2013年3月28日(木) 午後8時の室温25℃ 湿度65% 聖木曜日、薄雲のかかった晴れ
<隣人決定…やれくたびれた…>



 ついに隣人が決まり、きのう水曜(大安吉日・満月・壬辰・聖水曜日)、かんたんな手付金契約を交わしてきました。
 順調にいけば、来週中には正式な契約が成立する見通しです。


 殊勲賞は、右の写真のようなバナー広告。

 ここで大事なアイキャッチになるのが、「PAPELES OK」というところ。
 (所有権や分割登記などの書類がきちんとしている、抵当に入ったりもしていない、等々、いろ〜んな気もちがこめられた表現です)。
 というのもパチャカマックには、そうではない土地がとても多いからです…


 先週水曜、こんな感じのバナーを入口に掲示したら、ただちに(文字通り即刻)電話がかかりはじめました。
 そして土曜の日暮れ前、真打ち登場。
 たまたま通りかかったAさん夫妻が目をとめ、ちょうど私たちも現場にいたので、すぐ中に招じ入れ、お互い会うなり好印象、あっというまにお話がまとまってしまいました。


 本当に助かりました、これで工事も中断しないですみそうです。
 ご先祖さまアンデスの神さま、なんとかなるよう念を送ってくださった東京のみなさま、ほんとうにありがとうございます。
 でもあまりに長い道のりだったので、今は嬉しいよりも全身疲労……もうくたくたです。



 お世話になったバナー広告は、きのう撤去しました。
 しかしその最中にも、「いま広告をはずしているようですが、もう売れたんですか?」と電話があって、意外に人目をひくものなのだなあと改めてびっくり。


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広告の威力。おそるべし。


 バナー広告は、1メートル四方で25ソル。
 設置してくれた猫番君へのお礼が20ソル、計45ソル(約1600円)のプチ投資。
 それなのに、掲示してあったわずか8日のあいだに、26件の問い合わせがありました。


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 El Comercio紙・日曜版の広告は、10語で47ソル(約1700円也)。
 3回載せて、ざっと40人の方から電話をいただきました。


 じっさいに土地までみえたのは、バナー広告のお客さんも含め10名。
 うち6名が相当本気になってらしたので、かなりの好成績でしたね。



 左は、新聞の日曜版に載ったパチャカマックの売り地広告の、ほんの一部です。

 ほとんどは3000平方メートル以上(15ヘクタールなんてのも…)で、もちろん地区にもよりますが、大きいほど安い傾向があります。
 手ごろな大きさに分割して登記する手続きが、めちゃくちゃ厄介だからです(うちも二年以上を費やしました)


 そのため、ふつうリマの人が別荘用にほしがる1000平方メートル台の土地(それも書類が整っているもの)は、今はほぼ払底状態のようです。


 ついでなので、新聞広告の読み方もちょっとご紹介。
 ペルーに来た当初、私の楽しみのひとつが不動産広告を読むことでした。
 なので宿六がとっさには理解できない表現も、私は知ってたりします(笑)


 trato directo…不動産屋ぬきで所有者が直接交渉、の意(不動産業の方はご遠慮ください、という警告もかねています)
 b/zona…良い地区(がらが良い、商売に良い、等々いろんな意味がありえます)
 c/plaza…広場の近く
 precio tratar…値引き交渉に応じます、の意
 terreno cercado…塀で囲まれた土地(塀にはかなり費用がかかるので、すでに塀がある土地はポイント高いです)
 servicios completos…上下水道・電気は敷設済み(そうじゃない土地が多いのでわざわざ書くわけです…)


 mitad construido、というのもえもいわれませんね。
 土地の半分に建物がたってる、という意味かな…
 それとも(リマではよくあることですが)、家が半分できあがったところで資金が尽きた、もしくは飽きて、そのままの状態で売ることにした、のかもしれません。うちもあやうくそうなるところでした…


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 現場では来週いっぱいで、いったんお休みに入るはずでしたが、隣人が決まったおかげで当分作業が続くこととなり、棟梁さんもにこにこ恵比寿顔。

 しかし私のややこしい屋根には、だいぶみなさん泣かされている模様…

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 スペイン人言うところのポルチェ(屋根のかかったテラス)も、ちょっと姿が見えてきました。
 新しいお隣さんが入るのは、ポルチェの向こうのほうです。


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これもなかなかの大作つっかい棒。

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 うちの建設を始めてから、妙に世間の工事が目につくようになりました。
 …いえ、ほんとにさいきん多いのだと思います、どこを見ても工事中です。


 写真のまんなかの赤いお宅は、むかしは海を見渡す崖の上にぽつんと建っていて、小説にでも出てきそうな風情だなあ…と思っていたのですが、今ではすっかりアパート群に取り囲まれてしまいました

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 きのう久しぶりに仰ぎ見て、驚いたのですが、コスタベルデの風景も本当に変わりましたよね!
 高層(ペルー的に高層)アパートが林立したせいで、崖も低くなってしまったような錯覚が…


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 工事が多ければ当然なのですが、さいきん生コン車も、やたらと走っているような気がします。
 うちのは小さな工事なので、生コン車までは依頼していませんけれど。


 かわりにこの、19世紀の脱穀機かなにかみたいな、たいへん古めかしい機械を使っています(いました)。
 ところがいまちょっと故障中で、そうなると今度は手作業で、えっさえっさとコンクリートを調合することになります。
 (それも庭になるはずの地面で混ぜていて、あとコチコチに固まってしまうのではと心配…)


 Gさんいわく、これも工事の遅れにつながっているそうですが、1月末に工事を始め、まさかこのリマで3月中に家の形ができあがっているとは、夢にも思いませんでした!
 なので私としては、どこが遅れてるのか、ぜんぜんわかりません。


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現場への行き帰りに見つけた、屋上緑化済みバス停。
この色彩感覚はいただけませんが、発想じたいはちょっと好き。


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 現場から土まみれで帰宅すると、床にひっくりかえって歓迎してくれるハシンタ猫(太って見えますが3.9キロ維持してます)。
 このとき、無断でさわると怒られますが、かといってちゃんと見ないと、それはそれで叱られます。


 ハシンタ猫は、人間の帰宅時以外は、あまりおなかを見せたがりません。
 猫ってじぶんでいろいろ妙な決まりごとを作って、それを片意地に守るところが、またおもしろいんですよね。




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