無言で抗議する猫たち。これには参った。
とつぜん思い立って、11月末から二週間ほど東京へ行ってきました。 三食飯炊き生活を一年半つづけ、ある日、ぶちっと切れたのです。 (私がなにかをがまんすると、結局とても高くつく…)
出発の晩。 階段の上にきちっと正座して、もの言いたげなまなざしで私をじっと見つめる猫たち。 ふだんこんなことしないのに… ものすごく変な雰囲気で、不安になりました。 冗談ぬきで旅行やめようかと思いました。
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去年は大西洋を渡り、今年は太平洋を渡ります。 (昨年リストラされたにしては、なかなか健闘してる?)
それにしてもリマからだと、どこに行くにも遠いですねえ!
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乗り継ぎはヒューストン。 米国のほかの空港より小ぎれいで、係官諸氏も感じよかったです(ロサンジェルスみたいじゃなく…) HOUSTON, WE HAVE A PROBLEM と大書されたTシャツを買い損ねたのが、ちょっと心残り。
ヒューストンを飛び立って1時間ほどで、ロッキー山脈が見えてきました。 私本体はメイド・イン・アメリカなのに米国をぜんぜん知らないので、ちょっとした遊覧飛行、嬉しいです。
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ソルトレイク・シティ上空。 ずっと前にリマでお目にかかった、ソルトレイク在住のNさんご夫妻お元気かな〜
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塩湖のふしぎな色…
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機内食(笑)
ユナイテッドも、他の米国系航空会社に負けない評判の悪さ。 どんなものかと案じていましたが、乗務員はみんなさばさばしていて、そのあっさり感、私はきらいじゃなかったです。
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昏々と眠りつづけたおかげで、けっこうあっさり成田に到着。三年半ぶりです。 空港は氷雨でびしょぬれです。
滑走路の芝が黄色くて、ややっ!と思いました。 そうか芝って、冬枯れするんでしたね!(一年中緑かと思ってた…)
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にゃんと友人のお迎えがあり、いっしょに楽しくリムジンで東京へ。
節電はもうしてないのかな、あいかわらずどこを見ても明るいですね。 そしてホテルに着けば、洗面所のドアをあけるだけで蓋が開き、水が温まり始めるトイレ…
とても便利で快適だけど、そういう生活を維持しようと思ったら、原子力は切り捨てられないんじゃないかなあ…と大きなお世話。
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ホテルの朝食。 見た目はきれいだけど、やっぱり野菜や卵はペルーに限ります!
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雑用を片付けながら、選ぶひまもなく入ったうなぎ店。いまひとつでした。 でも食事が自動的に出てくるだけで、私はじゅうぶんうれしい(涙)
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冷たい雨がぱらつく晩、観能のため渋谷へ。 セルリアンタワーの地下二階に、まるで核シェルターのような小さな能楽堂があって、びっくり。
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演目は、縄綯(狂言)と葵上。 身ごなしがさえざえと美しい、若々しい六条御息所でした。
宿六は「葵上」の途中で舟を漕いでましたが、なんとか最後までついてきました。 あとでcalleretiroさんがおっしゃるには、「お能に行ったのは響子さんだけで、宿六さんはてっきりAKB48でも見に行ったのかと…」。
たしかにペルーでも、さいきん都市部ではオタクさん出てきましたね。 でもほとんどのペルー人男性は、未熟なもの(もしくは未熟とみせかけたもの)をわざわざ愛でる、日本独特の好み、理解できないんじゃないかな〜?たぶん。
宿六も先日テレビで、あの学芸会みたいなのを見かけ、「これ子供番組?」と… リマの子供向けパーティでは、おなか丸出し衣装の歌のお姉さんがよく出てくるんですけど、そういう人のほうがよほどお色気たっぷりで、大人向けみたいです…はははは。
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17年ぶりの寒いクリスマスシーズン。いいですねえ。 同じような寄せ植えでも、リマの陽気のなかにおいたら、ぜんぜん風情が出ないのよ〜
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お能のあとは、遅いのに満員のJRに揺られ、それからコンビニでごそごそこんなものを買って… 東京的文化生活ですね。
どこかプラスティックの味はするけど、この楽さかげん、たまりません。
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もうちょっとちゃんとしたものも、もちろん頂きます。 池袋なので内心あなどっていたら、非常に繊細でおいしかった中華料理。 姉と来し方行く末を語りつつ。
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ペルーは基本なんでも激盛りですから、少量ずついろいろ出てくるのはほんと楽しいです。 でも種類が多すぎると、それはそれでちょっと落ち着かない…と思ってしまう、すっかり田舎者になった私もまたいたりします。
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ぎんなんが嬉しい。
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ほんと海老好きですよね、日本人は…
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以上、コース料理の一部。
さいきんの東京の外食産業の努力、たいへんなものと想像します。 だって三年半前よりさらに、食事が安くおいしく、量も多くなったと思いますから。
陰ではきっと、誰かが身を削ってがんばっているのだろうなあ。 …というのがすけて見えてしまうのが、ちょっと居心地わるいのですが。
いっぽうのわがペルーは、ちょっとでいいので、悲壮感とか緊迫感とか取り入れてくれればねえ。 そしたら一気に大発展する底力のある国と思います。
中庸がないからこそ楽しい、この世界。…にしても、なさすぎ!
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翌々日は、千駄ヶ谷にまたお能を見に行きました。 今回はつまらんお役所に用がないので(もう宿六の在住ビザはあきらめた)、そのぶん風流に遊ぶことができます。
演目は、狐塚(狂言)と清経。 年配の方が演じたらしい、抑えに抑えた、声も物静かな清経でした。しんみりしました。
国立能楽堂は、座席の背に字幕設備があり、英語でもちゃんと逐語訳が出てすばらしい! おかげでこんどは、宿六も居眠りしないですみました。
公孫樹の梢の輝きにひかれて、帰路、新宿御苑に寄ってみます。
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冷え込みがとても厳しく、私にはそれがうれしい… よく晴れた昼間でもゆるむことのない、身が引きしまるような冬の寒さに、長年あこがれておりました。
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枯れ葉の良いにおいも、たまらなく懐かしく。
しかし風流を愛するあまり、ここで宿六に無理やり深呼吸させたのは、ちょっと失敗。 風邪をひかせてしまいました… 私は寒いなか絶好調なのに、珍しいこともあるものです。
いちばんさいごに「秋」を見たのは、まだペルーの在住ビザを持っていなかった1996年。かな。 観光ビザ更新のため、いったん出国して米国に行ったときです。 つまり私にとって、これは16年ぶりに見る秋です。
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新宿御苑は、中学のころからペルーにくる直前まで、いろんな思い出があるところ。 kotetsuさんもぜひそのうち、お天気がいい日にいらしてみてください。 春先もとってもいいですよ。
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新宿御苑のあとは、四谷のイタ車小物の専門店に行きたかったのだけど… あまりの寒さに逃げ帰り、稲庭うどんでほっと一息。
限られた日程なので、まあぜんぶは無理ですね。
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宿六が大好きな抹茶アイスクリーム。
先日うんと冷え込んだ日に、人々がアイスコーヒーを注文するのを見て、はっとしたのですが… リマの冬は、街でも店でもどこいっても隙間風で寒いから、アイスクリームなど決してほしくなりません。 でも東京は、どんなに外が寒くても、電車の中や屋根の下は暑すぎるほど。 あの気温差にはふりまわされますが、アイスクリームにはいい環境ですね。
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ホテルの部屋からの眺め。秋ですねえ。
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これってスカイツリー? …いちおう見ました、ということで(笑) 東京駅には行けなかったけど。
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秋の光に映える、薄緑のカーネーション。 リマでは見かけない色あいですねえ。
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この日は友人一家とドイツ料理店へ。
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極寒!の恵比寿ガーデンプレイス。
黄色い葉が残ったところにイルミネーションがついているのが、私にはものすごく目新しく、ひとりで騒いでいたら友人に、「へえ〜…そうなんだー…」と静かに言われてしまいました。
秋のないペルーでは、ぜったいにありえない状況なのよ!
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でこでこした飾り付けも、寒いからよく似合いますね。 いまのリマでこれをやったら、あつくるしいでしょうねー…
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ドイツ料理でおなかいっぱいでしたが、日が暮れるとついまた食事。 だってどこにでも、そこそこおいしいものが溢れているんだもの。 どうして東京のみなさんが、あんなにやせていられるのか、謎です。
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私のスパゲッティには、ペルー産ピンクペッパー(モージェの実)か飾られていました。
成田に着くなり一瞬でなじむ故郷の東京で、遠いアンデスを思うと、ほんとはこの17年私はずっとここにいて、ペルー生活はただの夢だったのかも…という気がしてきます。
地球半周の遠さは、そもそも人間には把握しきれない距離で、それがこんな気持の混乱を生むのかもしれません。
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朝ごはん。 ホテルの洋食ビュッフェがいまひとつなので、宿六がひとっ走りドトールへ。
サンドイッチも、昔よりぜったい大きくなってますよ… ドトール開店当時のイメージで注文したら、多すぎました。
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今日は河口湖へ。 宿六は五年も東京に住んでいたのに、まともに富士山を見たことがない、というので思いついた小旅行です。
お昼は、高速バスの中で食べる、デパ地下のお弁当。
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父の思い出でいっぱいの中央高速を走り、河口湖へ。 もう12月。河口湖あたりの紅葉はとっくに散ったと思っていましたが、なんと宿の紅葉はいまが盛り!
お迎えのバスで木陰を通ると、赤や黄の葉がさらさらと舞い散り、同乗のタイ人観光客が歓声をあげます。 それを見て、わが意を得たりと、にっこり笑う運転手さん。 なぜか今年はここだけ、きれいにもみじが残っているそうです。
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ぴかぴかの宿の部屋は、洋間・和室・板の間の三間つづきで、大きなテラスにはお風呂がついています。 「たまには一泊くらいぜいたくを」的コンセプトで作られた宿のようです。
自動化が徹底している館内のトイレには大笑い。 工場のように、勝手にせっけんとお湯と温風が吹き出し「手を洗ってくれる」洗面台とか… いくらなんでも、日本人ぜったいやりすぎと思います……
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残念ながら今日は完全な曇り。 富士山はどこにあるかもわからないので、これはもうお風呂につかってお酒飲むしかないでしょ。 ただちに諸手を挙げて賛同する宿六。
河口湖駅前で買ったこのワインは、ジュースと思うとなかなかおいしかったです。 ぜんぜん酔いがまわらなくて、お風呂で飲むには最適。
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夕食は、えーと、「これでもかこれでもか式」とでもいいますか… 一生懸命きちんと作ってあるけど、少々鄙びたご馳走の数々。 でも愛情はちゃんとこもってます。あとはもすこし、地方色があるといいのですが。
ぎんなんやむかごが、とても懐かしいです。 特にむかごなんて、この世にそういうものがあることじたい、17年間忘れてました。
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ひとむかし前の人がごちそうと考えたものが、ぜんぶ出てくる、という風ですね…
タイや韓国からの旅行者がとても満足そうで、もちろんうちの外人もたいへん楽しんでおりました。 ふだんは中国人観光客も多いそうですが、時節柄少なく、おかげで静かだったのはありがたいです。失礼ながら。
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ワインのしぼりかすで育てられたという、幸せな牛の悲しい最期 蒸しもの。 私はすでにギブアップ寸前。
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でもお料理はまだまだつづく…
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なぜにここでグラタンが?
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どんどん国籍不明になってゆきます… さらに吉田うどんとご飯におすましも出ましたが、もはやシャッター切れないほどおなかいっぱい。
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富士山型の抹茶のムースは、タイからの旅行者さんたちに大好評。 宿六もあとあとまで「あれは良かった」と言っていました。気持はわかる。 (ペルーの宿で、マチュピチュ型のコカ茶のムースが出た、みたいなものですもんね!)
願わくば、これが河口湖で見た唯一の富士山、ということになりませんように。
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気になるお天気。 明日に期待しましょう。
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部屋からの河口湖の眺め。 富士山はないようになってますけど、それはそれとしてなかなかきれい。
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翌朝は、富士山が猛烈に気になり、夜明け前から外を見ていましたが… ざんねん。しっかり曇っています。 でも少し空が明るくなってきたようです。
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標高千メートルないのに、深山幽谷の風情、というのも、私にはなんだか目新しいです。 アンデスだと三千メートルくらいはないと、こうはいきませんね。
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まさか12月の河口湖で紅葉に出会えるとは。 それだけでもよかった、と思うように努めつつ、でもやっぱり宿六に富士山を見せたいです。
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曇り空はざんねんですが、水滴をみっしりとまとったもみじ、とてもきれいです。
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朝10時すぎ。やっと富士山がどこにあるかわかった!
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12時前になって、だいぶ晴れてきました。 あとはあの雲さえどいてくれれば… 二人でじーーっと念を送ってみる…
そのとき掃除の人が来て下さったのですが、宿六が必死のおももちで、「いま富士が見え始めたところなんです、もうちょっと部屋にいてもいいですか?!」と言ってウケていました。
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12時半。ついに全身が見えました。あ〜ほっとした……
「あそこに見えているのが富士山の頂上ですか?!」と、念のためホテルの人に確認する宿六(笑) 私を信じなさい、いちおう日本人なんだから。
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曇天の紅葉もきれいだったけど、日が射すとまた輝くよう。
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部屋もお掃除中ですし、バスでのんびりと西湖のほうまで行ってみます。
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藁ぶき屋根の民家が再現された、外国人好みの集落。 富士山は良いぐあいに、雲の上にあたまを出しています。
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それぞれの民家でいろいろ展示などしているようですが、もう寒くて寒くて… 石挽きそばだけ食べて早々に引き揚げます。
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おかげで宿にもどるころ、ちょうど夕焼けに。
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宿六はもちろん、私も富士をこんなにしみじみ眺める機会は、今までなかったと思います。
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頂上にはいつも、雲とも雪あらしともつかないものがまとわりついていて、とても寒そう。 下界もじゅうぶん寒いけど。
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今夜もがんばる夕食。 海老が多すぎ… あと牡蠣のベーコン巻きというのは、ちょっといただけません…ふふふ。
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あらまた海老が… 日本でぜいたくというと、今でもやっぱり海老なんでしょうか?? むしろトリ貝が久々でうれしかったです。
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さいしょ「ずいぶん薄いな…」と文句を言った宿六。 (ステーキというと、厚さ4,5センチと思ってるから…ペルー人って…)
でも、ペルーのとはちょっと違う繊細な味に大喜び。 半分さしあげますわ、どうぞどうぞ。
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…でも野菜はやっぱりアンデス産に限ります。
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今夜のほうが、あまり突飛なものが出なくてよかったです。 しかしステーキのあとにてんぷら……私の消化力では……(^_^;) このアスパラガスはペルー産かもね。
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「ケーキが赤富士型になっていればもっと良かった」と、めずらしく細かいことをのたまう宿六。
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このお宿の食事は、朝も夜もこまこまと種類豊富にそろえ、とてもがんばっていますが、部屋の備品のほうも負けずにこまこましています。 日本人には珍しくもないでしょうが、このこまこま感が私にはおもしろく、パチリ。
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この晩は、雲ひとつない快晴。 二泊にしてよかった… オリオン座ともひさしぶりの再会。
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翌朝も上天気。 空気がぴりっと冷たくて、なんだかお正月の風情ですねえ。
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のびのびとした裾野の眺めがいいなあ。 河口湖畔にさいしょに建てられた、島津家の別荘跡地だそうですが、さすがに良い場所を選んだものです。
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(日付のつづりを、D「e」ciembreと間違ってますが、見逃してね…)
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富士山を見ながらの朝風呂。 いつでも入れる良いお風呂ですが、お湯が温泉じゃないのが惜しい!
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朝焼けはあっというまに色あせ、昼間の色に。
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上天気にきらめく河口湖。きょうはぽかぽか暖かいです。
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帰りのバスからの、見おさめの富士には、笠雲がかかっていました。 Apu Fuji(聖山富士)は、たった二泊でいろいろな表情を見せてくれました。
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河口湖のおみやげ、富士山グラス(笑)
趣味がいいのか、すごくわるいのか…判断に迷いましたが、リマまで持ち帰って見ると、なんかとってもいいです。 わたくし日本酒は嗜みませぬが、やはりこれは大吟醸で満たすと、日本晴れのよいお正月になりそうです。
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河口湖から連れてきた上天気といっしょに、神宮外苑へ。 住んでいたときはついぞ行こうとは思いませんでしたが、おのぼりさんはおのぼりさんらしく!
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絵画館は、なぜか生前の父といっしょに行った、さいごの場所。 遠くから見るだけで感無量ですが、その前に「銀杏祭り」なるものの屋台がたくさん出ており…
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…ずっと食べたかった鮎の塩焼きを発見!嬉しすぎ! (あの甘かった父なら、私のために鮎の屋台をちょいと出現させてくれても、別におかしくないかも…なんて)
四本買って一串おまけを頂きました。
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東京の秋は、やはりこの色です! 毎年、遠くからニュースで眺め、全身で浸りたくてたまらなかった色。
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それにしても、むかしは銀杏の黄葉、11月だったような気がするのだけど…? 暖冬のせいでしょうか。
姉にアルパカセーターを持っていったら、こんな話になりました。
「ここ数年、ダウンの下は薄着というのが定着して、さいきんのインナーは高機能だからセーターなんかいらない、というかむしろダサい、という雰囲気だったのだけど… 今年の寒さで、あれは単に暖冬だったおかげと思い知ったわ! セーターってこんなにあったかいものだったのかと、実感してるわ」
そう言ってさも寒そうに身を縮めるので、気の毒になってしまい、その日私が着ていたセーターも脱いで置いてきました。ちょっと身ぐるみ剥がれた感…(笑)
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お昼はとろろそば。
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宿六はカツ丼。
こういう日々の選択のひとつひとつが、体重に響くのですよね。 帰国後の収支決算…宿六は2キロ増、私は1キロ減。
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昨晩チェックインした部屋が、とてもたばこくさかったので、禁煙室にお引越し。 すごくめんどうでしたが、今度の部屋からは富士山がよく見えます。宿六が感激。
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富士の近さに、改めてびっくり。これが噴火したらかなわないですよね。
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河口湖行も、さいしょは「富士山の形がかわるまえに…」などとわるい冗談を言ってましたが、撤回します! 数十年、数百年は誤差のうち。 どうか私の家族や友達が生きてるあいだは、何もありませんように!!
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このかわいらしい一角は、立教大学かな?
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この晩は、宿六は打ち合わせで外出。私はひとりで、豪華鮎ご膳。 二尾は子持ちの落ち鮎でした。ぜいたくぜいたく。これでまた数年は、鮎なしの暮らしに耐えられます。
ファミリーマートのモンブランが意外においしいのにも驚きました…
(あ〜それにしても、この私が「東京ハンディマップ」とかに頼るようになってしまったとは、いと情けなう…)
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さて今度は銀座で女子??会。
クリスマスの飾りつけのウインドウ、中が冬服っていいですね。 夏のクリスマスには、もう飽き飽きです。
ポインセチアのかわいい小ささも、とっても新鮮! ペルーではうっかり地面におろしたらさいご、見上げるほど大きくなっちゃいますから。
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幹事のkotetsuさんが予約してくださったレストランには、pacollamaさんが前に言ってらした、南北さかさまのチリの地図がありました。 たしかにこれは、逆立ちして眺めたくなりますね。
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ケーキもねー、あれだわねー。 リマではそもそも、のどを通るようなの、ないものね。
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ただのゼリーもすごくおいしい。 心配りが、はんぱではないのですよね。
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穏やかな上天気の朝。わずかな空き時間をみつけて、後楽園へ!
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こういう水色の繊細さ。日本ならでは…と思います。
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よく磨いた銅のように光る水。
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からくれなゐに水くくるとは…を実感するほどの紅葉。 私は初めてかも。
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このいっときだけでも、とつぜん東京に来た甲斐がありました。
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さてこちらは、SA先生おんみずからご案内下さった、清泉女子大のおもむきある西洋館。 (大正時代の旧島津公爵邸)。
今回ははからずも、島津の本宅と河口湖の別荘跡、両方をたずねることができました。
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露台から見えるりっぱな木は、樹齢200年をこえるという楓(ふう)の木。 だいぶ散りすいた今の季節も、さすが堂々としています。
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おのぼりさんは、極寒の六本木を訪問! 自動車も、輝く星々を満載して走ってゆきます。
この日はお友達とインド料理。しゃべりにしゃべって、楽しい晩でした。
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滞在さいごの日は、所用で目白へ。 スペインみたいな空でした。
寒いけど明るい冬。それがいちばん、私が東京で見たかったものかも。 (リマのとことん曇る冬にも風情はありますが、乗り切るにはコツを要しますから…)
この日も、ぴりっとした寒さが嬉しい嬉しいと騒いでいたら、姉が言いました。 「そりゃ身が引きしまるような寒さも、たまにだったらいいでしょうけど、こっちはそれが春まで続くんだから、たまらないわ」 ごもっとも。
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このお蕎麦屋さん、私が子供のころから、なーんにも変わっていません。 メニューの写真も同じ。BGMのお琴も同じ。内装もなにひとつ変わらず。 むかしいっしょに来ていた祖父(存命なら112歳)が、そこに座っていても、ぜんぜん驚かないような気がします。
ほんとのふるさと(代官山)はなくなってしまいましたし、目白も戻るたびにどこかしら変わっています。 でもここには子供時代がそのまま残っていて、なんだかいまの年齢を忘れさせてくれるんですよね…
次回はもう少しあったかい時期に、かつおうどん食べに行こうっと。
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夕景を眺めながらの荷作り。こうして見ると、東京もなかなかきれいですね。
荷物は、スーツケース大四個・小二個もあるにもかかわらず、絶対的に入りきらないとわかったので、一部は成田から船便で送りだすことに。 やはりかさばる冬服の季節は、思うほどは荷を運べません。
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富士山ともまたしばしのお別れ。
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この晩は、おむすびでもかじりつつ荷作り続行…のつもりでしたが、池袋のぬしのお導きでこういうことに。
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おいしそうに撮れたからぜんぶ載せちゃおう…
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生まれて初めて味見。意外においしい…
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ペルーでも蕪つくってるけど、皮がかたくて別物です!
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これを御覧になったみなさまは、どうぞ私にはご遠慮なく、お近くの焼き鳥屋さんに走ってください(T_T) 家で作るしかない私は、今度チジョン川の地鶏で試してみようと思ってます…
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でもぎんなんはないなあ。夢に出ますねこれは。
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…この晩はにゃんと、夕食のハシゴ! 焼き鳥のあと、スペイン料理店へ。 今回どちらも、時間が足りなくて行けなかったのですが、おかげで一晩でクリアできました。
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小さなトウガラシなどといっしょに、まじめに漬けたオリーブ。
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そのあと明け方まで荷作りした私を、笑顔で見送ってくれた富士山。また近いうちにね!
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へんな写真ですみません。 リムジンバスから、私の東京時代を象徴するかのような、懐かしくも大いに心に引っかかる地名表示が見えたので…
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成田でさいごの食事。私は鉄火ねぎとろ丼。
…次の東京訪問時に残された課題は、岩魚・山女などの川ざかなと、サザエの壺焼きです!
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宿六は大好きなとんかつ。
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さいごのさいごに、成田の売店で虎屋の羊羹四棹を購入。 船便で自分宛に送ったのは、なかなか名案♪ いつも船便は二か月ほどで届くので、夏が終るころにはリマで羊羹君と再会できるはず。
五時前、夕焼けに染まる成田を飛び立ちます。
前回ほど悲しくはありませんでしたが、真暗な太平洋上空から、銚子あたりの光がだんだん遠ざかるのを見ていると、やはりなんともいえない気持になります。 どうしてこう、故郷とは縁が薄いのかしらねー
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水平飛行に入るやいなやの機内食…
で、なぜそこに唐突に鮭が??
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また変な写真ですみません、かすか〜に北斗七星が青く写っています。 太平洋上を飛行中、柄を下にして立てた柄杓星が、ずっと見えていました。
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機内食(笑) これは身体にわるそうだ。
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きのうの夕焼けに再会、…それとも朝焼け?
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また機内食。だんだんより変なものになっていくような気が。
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ヒューストンで乗り換え。 とても米国らしい、いかにも自然いっぱいだ風に作りあげた、人工的な住宅街。 便利なんでしょうけど、こういうところには住みたくないなあ。
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このままお迎えが来ちゃいそうな眺めです。
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まだ明るいので、メキシコ湾でどんな景色が見えるか楽しみでしたが、雲が多くてだめでした。ざんねん。
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メキシコ湾上の夕焼け。
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また機内食が来た! …これはほとんどワンちゃんのご飯なみ。 (どうもペルーで積む機内食が、いつもいちばんマシなような気がします)
冗談好きなパーサー氏が、リマ到着直前にさいごのサンドイッチを配りながら、こう言います。
「味気ないサンドイッチ、一応どうぞ! こんなもん食べないで、ペルーでおいしいもの食べたほうがいいですけどね!」
乗客のひとり 「でも私、すぐまた乗り継いでチリまで行くのよ」 パーサー氏 「あなたチリの方? あ、違いますか…… じゃあこのサンドイッチ、ぜひ食べといてください。チリの食べ物はそりゃあひどいですから!」
チリの人もいたけど、みんな鷹揚にからから笑っていました。
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米国でのトランジット込みでも20時間を切る、「たいへん短い」旅でした。
わがペルーの玄関口、ホルヘ・チャベス空港に降り立つと、夜中なのに大混雑。 クリスマス休暇の帰省者を迎えに、大家族がつめかけているのです。 乗客1に対し、お迎えの家族8〜10、くらいが平均値です、たぶん。
閑古鳥が鳴いてた成田やヒューストンとは好対照。 不便はいろいろあっても、景気のいい国はそれだけでちょっといいですね…
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うちの冷蔵庫には、猫用の自家製冷凍地鶏スープしかないので、いつものように空港のカフェで一息。 激盛り式もわるくないです、やっぱり…
ちょっと不機嫌そうだったウェイトレスさんが、私と目が合うなり、 「あっ、スペイン語話す外人!なんか得した感じ?」 とでも言いたげに、にこっと笑った、その自然な笑顔。 日本のウェイトレスさんたちの、行きすぎなまでの丁重さや必死の笑顔と、これまた好対照です。
ペルー暮らしにいろいろ不満はあっても、気取らず心の底まで見せてくれる人々のあたたかみは、ちょっとかけがえがないですね。 それがたいへんなことも、もちろんあるんですけどね…
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エンパナーダ。 牛を頼んだのに鶏がきました、夜中だしまあいっか。
ペルー移住後、やっと二度目の東京行。 なんとなく、東京までのけもの道がついた、というような気がしています。 でも私が東京で暮らすことは、たぶん二度となさそうです。
すべて楽しい旅でしたが、人ごみには本当にくたびれました。 人ごみがだめで、じっくり見られなかったところ(デパ地下とか)もいろいろあります。 あれだけの人口密度あってこその、文化度・便利度の高さなのですから、しかたないのですが。
どこに行っても情報と人があふれていて、事前にすべて良い具合にお膳立てされていて、なんでもワンタッチで便利でまちがいがなくて… でも、自分で発見し工夫する喜びは、なかなか得がたい国かもしれません。
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ペルーには、ほとんど手つかずの素材がごろごろしていて、私にはやっぱりそれが必要みたいです。
リマというそこそこの都会に住んでいても、ちょっと車を走らせればすぐ、誰もいないところに行ける暮らし。 山の中で、高級カメラ一式を抱えたうんちくおじさんの集団に会ったりは、ぜったいにしない国……
それでも数年に一度くらいは、「お能と紅葉を見に、ちょっと日本へ」と粋がりたいのはやまやまです。 しかし、よきにつけあしきにつけ、万事ゆったりしたリマで、日本の秋を遥かに思いつつ、DVDでお能を観る暮らしもなかなかいいのではないかと、旅のあと思うようになりましたです。
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ペルーに持ち帰るおみやげ探しは、けっこうたいへんです。 そこで今回はネットであらかじめ、日めくり折り紙カレンダー(米国製だけど…)や飴細工、干菓子などを手配しておきました。
このお寿司のミニチュア飴細工、和食好きの友人にたいへんウケました! もともとペルー人は飴が大好きだし、お寿司もブームになりかけてますし。
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←クリスマス版いけふくろう…?
以上、とつぜんの日本行のご報告です。
東京で寒いクリスマスの風情を楽しみ、河口湖でお正月を迎えた…みたいな気分なので、これからまだクリスマスだなんて信じられません、というか信じたくない! もう22日ですが、せめてクリスマスツリーは出さないと…
ごちそうは日本でたくさん頂いたので、今年は軽くすませます。 成田で出発まぎわに買ったカステラがあるので、幸いケーキも焼かなくてすみそうです。
そして年が明けたら、パチャカマックのうちの建築開始です。 予算が限られているので、どこまで一気にできるかわかりませんが、壁と屋根だけは作って(あ、あと床もね…)、いっときも早く引越したいです。 馬鹿と煙は…の私ですが、平屋に住んで、人生仕切りなおしです。
そしてあとは暮らしながら、徐々に仕上げていこうと思います。 そういう芸当ができるのも、寒くて美しい秋冬が、リマにはないから。なんですよね…
みなさまどうぞ、暑かったり寒かったりするそれぞれ楽しいクリスマスを!
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